谷沢永一「高橋亀吉 エコノミストの気概」(東洋経済新報社・2600円+税) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

昨日、いつも野菜をいただくTさんが収穫コンテナに一杯の八朔、伊予柑、デコポン、ネーブルを届けてくれる。わが家は家族そろって柑橘類が大好きで早速いただく。一年を通じて野菜や果物(柑橘類、葡萄、無花果、莓などの)をたくさん頂戴するTさんは、当地に引っ越しして来てから地域の活動を通じて知り合ったわけだが、いまではいちばん親しくして貰っている。退職してから(人生の後半に)このように新たな友人ができる(お陰で数人)ことはほとんど奇跡的なことに思える。少数ながら(それだけに貴重な)学生時代に得た知友(終生の交友となる)、職場やその取引先で得た協力者(パートナー)ともいうべき友人、そして、暮らしの場所で(旧居時代の岸和田と、新たに居を構えた貝塚というふたつの)得た友人(多くの顔なじみも含めて)に囲まれている幸せを痛感する。考えてみたら、いつの時代も格別にご厚誼をいただく方がいて、その方たちの支えで渡世を乗り切ってきたという思いが強い。「人」にはたいへん恵まれてきたと思う。そういう意味でも「運」の強い人生だったと考える。

 

本の話である。引き続き谷沢永一のもので、「高橋亀吉 エコノミストの気概」(東洋経済新報社・2600円+税)、「先見力の達人 長谷川慶太郎」(学習研究社・1553円+税)の2冊のことを。

 

「高橋亀吉 エコノミストの気概」 群を抜く危機感知能力、分析力、先見力に学べ 現実を直視し、独創を貫いた初めての経済評論家 高橋亀吉は、我が国で最高に活躍した経済評論家である。半世紀に及ぶ彼の業績を、凌駕しえた者はまだいない。定職を持たず組織の助けなく、現役第一線の経済評論家として、素志を貫いて、一生の主題を記述し終わった。私は独立独歩の高橋亀吉を敬愛する。(本文より)
<目次> 第一章 生活賭けた経済評論家独立
     第二章 現場を知る者の強み
     第三章 現実を直視する分析
     第四章 独創的活動の輝かしき第一期
     第五章 昭和を決定づけた金解禁論争始末
     第六章 現状分析に冴える手さばき
     第七章 明治政府勝利す
     第八章 人間学的経済史の創造
     第九章 高橋流経済思考方式の追求
     附 録 経済評論家の系譜

 

   

 

「先見力の達人 長谷川慶太郎」 日本経済を見通す「臨床経済」の名医、10年のエッセンス。

 長谷川慶太郎こそ、現代の日本人にとって、もっとも役に立つ測量技師である。このが長谷川慶太郎の著書を読むと読まぬとでは、両眼を見ひらいているか、両手で両眼に覆いしているかほどの、対極的な差を生じるであろう。昭和53年、この人が登場して以来、私は熱烈な読者となった。世界を日本を現代を見るうえで、どれだけトクをしたかはかりしれない。その長谷川慶太郎の説くところ、そのエッセンスを、ひとりでも多くの読者に紹介することは、現代に生きる私の、国民にたいする義務だと考えた次第である。(「はじめに」より)

 「長谷川慶太郎は、経済を中心とした日本及び国際関係の現状を臨場感あふれる正確な分析でやっている。その臨床的な見立てと適切な看護法では信用できるひとり、ふたりしかいない経済専門家である」(吉本隆明「週刊読書人」より)

 

   

 

「イタリア」で描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/