(再録)コリン・パウエル「アメリカン・ジャニー(コリン・パウエル自伝)」(角川書店・2600円) | 野球少年のひとりごと

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(再録・2021.10.19既出)

一日曇天(昼頃、小雨が降ったがすぐに止んだ)で気温は午後3時で17度と低い。半袖のポロシャツにナイロンのウィンドブレーカーを羽織っている。例年であればこれが普通なのだろうけれど、今年はつい先頃まで夏並みの暑さがときどきぶり返したりしていたので、急に寒くなった気がする。午前中で読了の、東 理夫「アメリカは歌う。(歌に秘められたアメリカの謎)」(作品社・2420円)が、アメリカに伝わる歌を取材にしアメリカの民衆史ともいうべきものを描いていて、実に面白かった。続けて、こちらは大部のもの(700頁を越す)であるが同じ著者の「アメリカは食べる。(アメリカ食文化の謎をめぐる旅)」(作品社・4180円)に掛かる予定。それと、「アメリカは歌う。(歌に秘められたアメリカの謎)」に取り上げられた、カントリーやブルーグラス(どちらも沢山保有している)を久し振りに聴いてみようとも考えている。部屋の窓を閉め切る季節がやって来たので、JBLを大きめの音量で鳴らすことができる。とりあえず先日購入の「ブルース・スプリングスティーン/チャプター・アンド・ヴァース」辺りから聴くとしよう。

 

昨日、湾岸戦争の時代にアメリカの国務長官を勤めたコリン・パウエルが、新型コロナウイルスによる合併症によって死去したニュースが流れた。多くの人がパウエル氏の功績や人柄をたたえた。一部引用する。 (BBC Newsによる)

ジョー・バイデン大統領はパウエル氏を「親愛なる友人」と呼び、「軍人と外交官の両方の崇高な理想」を体現していたと述べた。

バラク・オバマ元大統領(民主党)はツイッターで、「この国にとって何が最善かを理解し、自らの人生、キャリア、公的発言をその理想に合ったものにしようと努めた」と、パウエル氏を回想した。

ジョージ・W・ブッシュ政権でパウエル氏の後任の国務長官となり、黒人女性として初めてその職を務めたコンドリーザ・ライス氏は、「本当に素晴らしい人物」だったとたたえた。そして、「私たちの国に対する献身は、軍服を着ていた時期やワシントンで過ごした間に実行した、多くの素晴らしいことに限ったことではない」と述べた。「その遺産の多くは、彼が接した無数の若者の人生の中で生き続ける」

アントニー・ブリンケン現国務長官は、パウエル氏の人生を「アメリカン・ドリームの勝利」と表現。国務省において「彼の最高のリーダーシップ」を発揮したと述べた。「彼はアメリカを信じるのを決してやめなかった。私たちもアメリカを信じるが、コリン・パウエルのような人を生みだしたことも、その大きな理由だ」

イギリスのトニー・ブレア元首相は、イラク戦争のはじめのころ、パウエル氏と密接に協力し合った。同氏について、「とてつもない能力と高潔さ」の持ち主だったと追想。「楽しく自嘲的なユーモアセンスをもつ、素晴らしい仲間だった」とした。

 

勿論、湾岸戦争を引き起こすことになる、その判断の間違いは批判されるべきであるが、(本人も終生後悔したようだが)生涯を通じての高潔な振る舞いは、見習うべきことが多い。今日は、彼の自伝である、コリン・パウエル「アメリカン・ジャニー(コリン・パウエル自伝)」(角川書店・2600円)のことを。736頁二段組の大部のものであるが、帯に「アメリカはなぜ彼を望んだのか?」とある「全米ベストセラー待望の全訳」が読める幸せを味わうことできる、1995年刊行の本書お勧めです。

 

コリン・パウエル「マイ・アメリカン・ジャニー(コリン・パウエル自伝)」  アメリカはなぜ彼を望んだのか? ジャマイカ系移民の子としてハーレムに生まれ、黒人初の合衆国大統領を嘱望されるまでになった男の全軌跡。少年時代から、恋愛、軍人生活、ベトナム戦争湾岸戦争秘話、政治的信念にいたるまで、新時代の英雄がすべてを語り尽くした全米ベストセラーの超話題作の全訳

 日本の読者のみなさんへ

 この物語には、「マイ・アメリカン・ジャーニー」という題をつけました。しかし私は、日本の読者のみなさんが、そこにご自分にとって身近な何かを見出してくださることを望んでやみません。なぜなら、これは愛の物語、家族への、仕事への、そして国への愛の物語だからであり、そうしした感情は、たとえどこに住んでいようと、世界のどこででも共通する、人間の普遍的な感情だと信じるからです。(コリン・Ⅼ・パウエル)