半藤一利×保阪正康「ナショナリズムの正体」(文春文庫・730円+税) | 野球少年のひとりごと

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今日も午後から1時間半ほど庭に出て、オリーブの樹の枝を刈る。女房が、昨日のうちに集めておいてくれた裏庭の枇杷などの枯葉と合わせて、ゴミ収集袋(4袋)に入れる。裏庭の、とりあえずノン(18歳生きた雉猫の雌)を埋めたところを中心に真砂土1袋(18㌔)を撒く。明日天気がよければ、オリーブの樹の天辺あたり(6㍍ほどある)の枝を、 脚立に乗り3㍍まで伸びる高枝切り電動チェーンソーでカットする予定。次の台風が来るまでに目処を付けようと考えているが、さてどうなることやら。さらに余裕があれば、裏庭に真砂土を2袋ほど撒く予定である。

 

本の話である。半藤一利×保阪正康「ナショナリズムの正体」(文春文庫・730円+税)と半藤一利・保阪正康・御厨 貴・磯田道史『「昭和天皇実録」の謎を解く』(文春新書・880円+税)のことを。読了の、半藤一利×保阪正康「ナショナリズムの正体」は、ナショナリズムをわが国近代史のなかで多くの実例をもとに解説し、たいへん分りやすかったし面白かった。「国葬」で物議を醸している安部さんのことを、半藤一利が『安倍晋三というポピュリスト政治家は、どうもわざわざ敵を作り、それを断固として非難することが、己を支持させるための最大の求心力となると、そう考えているようですね。自分がそれに陶酔できるようなストーリーを作り、それに沿って国民に訴える。それを国民は、「安部さんは信念を持ってやっているんだ」と誤解して支持する。頼りになる政治家と思っている。/実は、なんだかブレーンからヒトラーのやり口を教えられて、それを手本にしているだけの頭の悪い人の気がしてなりませんがね。誰か、周辺に凄い知恵者がいるんでしょうね。この人たちは権力というものを研究している。ウカウカしてられません。』と述べているくだりなど、とても納得させられる。一読の価値ありです。もう1冊の、半藤一利・保阪正康・御厨 貴・磯田道史『「昭和天皇実録」の謎を解く』は、帯に「最強メンバーが全61巻1万2000ぺーじを徹底検証」とある。本書で「文藝春秋」読者賞受賞。こちらも昭和史に興味にある方には必読の一本である。考えてみたら、安部さんの、歴史に学ぼうとしない(それが歴史修正主義者とも言えるが)そして反知性主義そのものの振る舞いは、目に余ったところがある。

 

半藤一利×保阪正康「ナショナリズムの正体」 ナショナリズムと愛国心を歪めたのは誰か?「戦争はイヤだ」としか言わない左翼、「あの戦争は正しかった」と美化する右翼、双方の知的怠慢だ―軍エリートの証言を集めてきた昭和史研究の大家ふたりが、歴史的事実をもとに左右を徹底批判。ヘイトスピーチにも強引な改憲論にも屈せず、ただしく国を愛する方法がわかる。

 

半藤一利・保阪正康・御厨 貴・磯田道史『「昭和天皇実録」の謎を解く』 87年の生涯にわたり、日々の動静を克明に記した「昭和天皇実録」。史実として認められたことがある一方で、書かれなかったことも。昭和史の知識と経験が豊富な4人が、1万2千ページの膨大な記録に挑む。

 行間から浮かび上がる真実

  ○開戦を決意したのはいつか

  ○2.26事件で武官長41回も呼んだ理由

  ○満州事変の拡大は防げたか

  ○昭和二十年六月十五日の「空白の一日」

  ○退位の意志はあったか

びっくりしたのは、乃木が死んだという話を聞いたときに、「御落涙」とあるんですよ。(磯田道史)

実は私は、昭和天皇には三つの顔がある、と考えているんです。(半藤一利)

開戦から約四カ月で陸軍の杉山参謀総長、その二カ月後には海軍の永野軍令部総長の二人が揃って、虚偽の報告をしていたとは本当に驚きです。(保阪正康)

”記憶の王”と表現されたこともある昭和天皇には、バイオリズムみたいなものがあって、突如何か言いたくなる時期があるように感じるのです。(御厨 貴)

 

写真は、東山丘陵運動公園の遊歩道で撮影する。