ジェイムズ・ジョイス「ダブリンの市民」(集英社・2800円+税) | 野球少年のひとりごと

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午前中、娘の運転する車で女房も一緒に東岸和田のドコモショップまで出かけスマホを注文する。現役を離れ、その後に就いた民生委員も退任し出かけることが激減し、携帯電話そのものも机の中に眠っていることが多くなっている。ただ、普及率が90%、60歳以上に限っても60%と聞くと放置しておくわけにも行かなくなって、つまり、携帯電話だけではなくわれわれ自身が「ガラパコス」化してしまう恐れを感じての今回の乗り換えである。ただ、殆どのことは家にいてパソコンで出来ているので、外出したときがメインの使い方に限定したメニュにした。機種も、iphoneに拘らないが、と言って韓国製や中国・台湾製ももうひとつパッとしないしで、ソニー社製Xperia AceSO-02Lに決めた。6月発売のもので価格は48600円。スタンダードモデル(ハイスペックモデルではなく)としたら、デザインも含めて気に入ったものでボディは夫婦とも「ホワイト」。残念なのは商品が払底していて入手できるのは早くて3週間後である。

 

本の話である。昨日に大変久しぶりに聴いた、アイルランドの女性シンガー、メアリー・ブラックとシンニード・オコナーに少し影響される形で、本箱から取り出したのがジェイムズ・ジョイス「ダブリンの市民」(集英社・2800円+税)である。彼の代表作「ユリシーズ」へと至る15篇の物語の高松雄一による新約決定版といううたい文句の本書、ちょうど20年前の1999年に購入も読んでいない。「ユリシーズ」はとても無理だとしても、本書くらいはよい機会だから読もうかなと考えている。アイルランド出身の歌手やロック・グループに関しても随分聴いてきた気がする。U2(U2は、スプリングスティーンやニール・ヤング、ボブ・ディランと並び、もっとも好きなアーティストである)やヴァン・モリソンについてはほぼ代表作のすべてを保有しているし、エンヤなども少数ながら持っている。そういえば、THE CHIEFTAINSの「LIVE OVER IRELAND」などというこれはDVDであるが素敵なアルバムもあった。DVDでいえば、「ONCEダブリンの街角で」も、ダブリンの風景や音楽がたっぷり楽しめる。

 

ジェイムズ・ジョイス「ダブリンの市民」 私はこのきれいに磨いた鏡で、自分の姿をしっかりとみさだめてもらいたいのです。―ジェイムズ・ジョイス

 ジョイスは、その言葉どおりこの短篇集の中で、ダブリンの生活のさまざまな断面を精確に移しとった。ダブリンに生きる人びとがひそかに抱えるさまざまな夢と挫折。その一人ひとりの小さなエピソードがからみあい、共鳴し、物語は奏でられてゆく。その豊かな響きは、私たちの魂を大きく揺さぶるのだ。新訳と詳細な脚注で楽しめるジョイス文学の出発点。

 

 

「長崎十六番館」
油彩380×455センチ(1971)
「洋画家 仲村一男」のホームページ
 http://www.nakamura-kazuo.jp