ボブ・グリーン「父からもうすぐ逝ってしまう君へ」(きこ書房・1400円+税) | 野球少年のひとりごと

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本のことを中心に、関西学生野球や高校野球のことをつぶやいています。
また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

午後から、堺に住む長男夫婦一家がやってくる。長男のところは12月に4歳になる男の子がひとりで、わが家では小学2年生になる双子の女の子と一緒に遊んでいる。途中で従妹に絵本を読んで貰って喜んでいる。長男が180センチでその連れ合いが168センチなので大きくなることは間違いないが、いまは5人いる従弟連中のなかでは年齢ともであるがいちばんのチビである。身長に関していえば隣に住む次男夫婦も、176センチ、172センチと大きく子供たち(どちらも男の子で、中学1年と小学4年)のうち中学1年は160センチを超え、わが女房より大きくなっている。せめて孫たち全員が大学を卒業するあたりまで生きていたいものだが、その頃には男の子の全員が190センチ近くまで大きくなっているようなことを夢想する。勿論、でくの坊であったりしたら困るがどのような育ち方をするか楽しみではある。成績がすべてではないが、中学1年生は1学期末のテストで学年で5番以内(5クラスある)を確保し、通信簿の5(5段階評価)も6つあったようなので、父親と同じ校区でいちばんの進学校への進学は間違いないと思う。この頃(夏の高校野球選手権大会が終わってから)野球に凝りだし、先日は外野用のグラブ(硬式用、軟式用)をふたつ、これはわたしが使っていたものであるがプレゼントした。ときどき父親や弟と表でキャッチボールをしている。わたしところの次男である息子は府立岸和田高校(全国大会で優勝したこともある強豪でもある)まではサッカー部で、そのサッカーを続けるべく関西の大学サッカーの世界ではいちばんの名門の関西学院に進んだが、結局、1カ月ほどで退部した。その後は大学のサッカー・サークルに属したが、おそらく物足らなかったのであろうかそれもやめ、4年間をアルバイトで終始した。親子のキャッチボールであるが、息子自身もサッカーのようにはいかないところがあって、ふたりして変則な形でのキャッチボールは少し気になるが放置している。

 

本の話である。ひところそのすべてを読んだボブ・グリーンのコラムであるが、何冊か読み落としがあってアマゾンで確認し購入した、「父からもうすぐ逝ってしまう君へ」(きこ書房・1400円+税)が今日届いた。2009年刊行のもので、副題に「心を揺さぶる37話」とあるようにいつものボブ・グリーンの心温まるコラムが37話収録されているようである。何であったか忘れたがボブ・グリーンが不祥事を起こし、その辺りを起点にわが国での出版も途絶えた。それまでは必ずといってよいほど(88年から99年にかけて)愛読していて、アメリカのある側面を知る大きな手掛かりになった。中で、(☆☆)が「マイケル・ジョーダン物語」「オール・サマー・ロング ㊤㊦」、(☆)が「十七歳・1964年春」「十七歳・1964年秋」「チーズ・バーガーズ」「アメリカン・ドリーム」「ホームカミング」「シボレー・サマー」と、このように粒ぞろいのコラムを発表し続けたボブ・グリーンは、わたしにとってアメリカのコラムニストとしては随一である。

 ※わたしの本に対する評価であるが、(☆☆)は大変面白かった、(☆)は面白かった、という 

   ように「読書ノート」に☆印で表し残している。それが社会人になった頃からスタートしたので

   かれこれ50年になる。ただ、近年はパソコンのエクセルで「読書ノート」を作っているが、そ

  の不具合で数年分をなくしてしまい、追跡することも不可能で大変弱っている。

 

「父からもうすぐ逝ってしまう君へ」 新聞で大見出しになったり、テレビのニュースで取り上げられるような話は、そのときは話題になっても季節が変わる頃にはほとんど忘れられている。逆に、第一面にはとうてい載らないような出来事が、時間が経つほどに大事なことのように思われてきて、記憶にあざやかに残る。/ぼくの人生の大半は、このような話を探す旅に費やされた。この本には政治や政府の政策、経済危機といった話題は登場しない。その代わりに、アメリカが雲ひとつない青空のように楽天的だった時代の話が入ってくる。(中略)ぼくたちが国として、そして人間としていちばん求めているものを、かつてぼくたちは手にしていたのではないかという思いがあるのだ。ぼくたちが探している答えは、昔からぼくたちの目の前にあり、一所懸命に探し続けていれば必ず見つかるとぼくは信じる。シボレーを乗り回した、デイリー・クイーンで過ごしたあのよき時代はまったく失われたわけではない。実はすぐそこにあるのに、ぼくらが気付いていないだけなのだ。(はじめにより)

 

 

「闘牛」
油彩727×606センチ(1969)
「洋画家 仲村一男」のホームページ
 http://www.nakamura-kazuo.jp