近年、多くの日本企業が、
• S&P Global Inc.
• MSCI
• Sustainalytics
• CDP
• FTSE Russell
などの海外ESG評価機関や、海外投資家を意識した情報開示を強化しています。
それに伴い、統合報告書やサステナビリティレポートの英語版にも、従来以上に高い品質と整合性が求められるようになっています。以前の英語版開示では、「日本語を英語に翻訳する」ことが主な目的でした。
しかし現在は、「海外投資家や評価機関に、正しく・分かりやすく伝わるか」が重視され、英文化は「翻訳」より、“IR/ESGコミュニケーションのローカライズ”に近いスタイルになっています。
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ESG英文化で実際によくある課題
ESG情報開示を英訳する際は、単なる翻訳ではなく、投資家・規制当局・海外ステークホルダーが読む前提で、用語・トーン・基準整合性を意識することが重要です。特に日本語特有の曖昧表現や社内向け表現は、そのまま英訳すると誤解されやすいです。
• 国際基準との整合性
• 用語の継続性
• 数値説明の明確性
• 開示文脈との整合性
が非常に重要になります。
しかし実際には、英語版制作時に:
• 用語が資料ごとに異なる
• 日本語では成立していても、英語では曖昧になる
• 数値説明が不足する
• ESG特有の表現が不自然になる
といった問題が多く見られます。
特に注意すべきポイントは…
1. 「努力しています」を避ける
日本語では自然でも、英語では曖昧・責任回避にみえる。
NG例
We are making efforts to reduce emissions.
⇓
We aim to reduce emissions by 30% by FY2030.
We implemented measures to reduce emissions.
英語圏では「何を・いつまでに・どれだけ」を重視
2. 主語を明確にする
日本語は主語省略が多いですが、英語では責任主体が必要。
NG
Conducted training for managers.
↓
The Company conducted training for managers.
3. 「検討中」は慎重に
“under consideration” は「まだ決まっていない」印象が強い。
投資家向け文脈では、進捗度を明確にする。
例
currently assessing
evaluating feasibility
planning to introduce
4. ESG基準用語を統一する
海外投資家はフレームワーク整合性を見ている。
代表的な基準:
IFRS Foundation のISSB
Task Force on Climate-related Financial Disclosures
Global Reporting Initiative
Sustainability Accounting Standards Board
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ESG英文化で重要なのは「翻訳」だけではなく、“表現の整合性”
現在のESG情報の英訳では、単に自然な英文を作成するだけでなく、以下の観点まで含めて確認する必要があります。
・ESG関連用語が国際的な表現・開示基準と整合しているか
・定量情報や数値説明が十分か
・文書全体を通じて表現の一貫性が保たれているか
・投資家向けや評価機関開示として適切なトーン・構成になっているか
特に、Scope 3、Human Capital、Materiality、Transition Plan などのESG関連用語については、年度や開示媒体をまたいでも継続的な用語整合性が求められます。
そのため、「毎回異なる訳語を使用しないこと」は、ESG開示の信頼性や比較可能性の観点から非常に重要です。
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AI翻訳活用が進む中で増えている懸念
最近では、ESG英文化においてもAI翻訳を活用する企業が増えています。
AI翻訳によって、
• 翻訳スピード向上
• コスト削減
は実現しやすくなっています。
しかしその一方で、
• ESG用語のばらつき
• 数値説明の不整合
• 文脈のズレ
• 投資家向け表現としての違和感
など、「そのまま公開するには不安がある」という声も増えています。
特にESG情報は、一般文章以上に:
• 定義
• 条件
• 前提
• 数値根拠
が重要になるため、
単純なAI翻訳だけでは対応ができないケースも少なくありません。
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当社が重視していること
当社では、サステナビリティ英文化において、単なる直訳ではなく、「海外読者にとって理解しやすく、ESG開示として自然な英語」を重視しています。
そのために、YIYOを活用しながら:
• ESG用語の統一
• 過年度表現との継続性
• 数値・本文整合性
• 翻訳品質管理
を行っています。
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ESG用語の継続管理
ESG関連情報では、年度ごとに担当者や制作体制が変わることで、用語が少しずつ変化してしまうケースがあります。
当社では、
• 過年度統合報告書
• サステナビリティレポート・サイト
• ESGレポート
• IR関連資料
などを参照しながら、用語や表現の継続性を維持しています。
これにより、年度や媒体を跨いでも、一貫性のある英語表現を実現しています。
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ESG英文化で今、求められているもの
現在のサステナビリティ英語版開示では、単に英語へ翻訳するだけではなく、
• 海外読者に伝わる表現
• ESG文脈に適した英語
• 用語・数値の整合性
• 継続性ある表現管理
が重要視されるようになっています。
当社では、YIYOを活用した翻訳管理を通じて、サステナビリティ英語版開示を支援しています。
ご興味のある方は、ぜひご連絡ください。