長期投資の場合、保有株に愛着が沸いてしまい、
売るに売れなくなってしまう。
結局、高値から半値になって、儲けもほとんど失って、
ようやく決断が付き、泣く泣く売る・・・。
こんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
ところが、その全く逆で、あまりに早く有望株を売ってしまい、
その後10倍にもなったものを、たったの5割の利益で終わらせてしまう。
という失敗もまた付き物です。
どうすれば天井で売れるのか?
みんなそれを夢見て株を持っているわけですが、
まず重要なのは、「天井では売れない」前提で株を持つことです。
天井での売却にばかりこだわるとおかしなことになってしまうんですね。
より重要なのは、
自分自身、納得感のある売り方を用意しておくこと
だと思います。
長期投資の売りのルールはシンプルです。
・株価が割高になりすぎる。
・成長が止まる。
・他にもっと良いのが見つかる。
このいずれかに該当しない限り、保有株は売らない
とすることで、結果的に長期投資となるのです。
ところが、一見、割高に見えても
それ以上に強力な成長でガンガン株価を騰げていくケースもありますし、
一時的にコストがかさんで成長が止まっているように見えているだけなのか、
本当に成長が止まったのか?
その辺の判断がつきにくいケースもあります。
結局、その辺の判断がつかないまま、
ズルズルと保有し続けてしまう・・・。
これを避けるために、私の場合は次のような工夫をしています。
1)成長鈍化や割高が疑われる状況では、まず少しだけ売ってみる。
「売るときは全部売らなきゃいけない」というルールはどこにもありません。
ちょっと、おかしいなとか、いくら何でもこれは高すぎる・・・。
という感じがしたときに、例えば2~3割だけ売ってしまうのです。
こうすることで、より冷静に自分の保有株を見ることが出来るんですね。
「愛着を絶つ」一つの工夫と言えるでしょう。
少しでも売ると、急に冷静になれて、これだったら、他のに乗り換えた方が良い。
って思えるかもしれませんし、
仮に売りの判断が誤りだったとしても、残りの7~8割が上昇して
あなたを喜ばせてくれるでしょう。
迷ったときは折衷案を採用する、
というのは長期投資戦略の幅をずいぶん広げてくれるはずです。
ただ、この作戦を実行しようとすると、複数単位保有しておく必要がありますね。
最近は優待目当ての投資家も多く、そういう方は、優待利回りの最大化を狙って、
1単元だけ保有されているかも知れませんが、
残念ながら、そんな優待投資家にはこのコツは使えません。
ちなみに、私は、数%の優待利回りなんて、成長に伴う数倍の利益から見れば
全く取るに足らないものとして、気にしないことにしています。
天空の城ラピュタで、
兵士たちがラピュタに眠る莫大な宝物に目を奪われているのを見たムスカ(あの冷たい人)が
「馬鹿どもには丁度いい目くらましだ」
と言って、ラピュタ中枢にある巨大な飛行石を目指すシーンがありましたよね。
いつもアレを思い出してしまいます。
優待に目がくらみ、
成長株も低迷株も区別がつかない投資家にだけはなりたくないんです。
(優待投資が悪いと言っているわけではない。そこに執着しすぎるのがよくないのだ)
2)常に補欠を用意しておき、保有銘柄と比較するようにする。
過去記事にも何度か書いていますが、
実は主力株とは別に補欠株を少量だけ保有しています。
また、保有しないにしても、監視銘柄として、ブックマークしているものもあります。
私の場合は、5のルールを基本守っていますので、
レギュラーの座は5席ということになります。
その他に補欠の席を2~3席用意しておくと良いでしょう。
レギュラーの調子がどうもおかしいようなら、
もっとも期待できる補欠との入れ替えを検討するのです。
比較対象がないから保有株に愛着を持ちすぎるのであって、
比較対象があれば、そのせめぎ合いを自分の中で持つことになり、
愛着以上に重要な何かに気づくはずです。
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