さらに2.25倍が狙えるなら・・・ | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

ここへきて、3月決算企業の中間配当金の報告書類が送られています。


ところが、その中に何やら嫌な文書が交じっていますよね。


これまで10%だったキャピタルゲインや配当の税率が、

来年は10.147%となり、

平成26年以降は、20.315%になると書いているアレですよ。アレ。



エナフンさんの梨の木


全くもって、世知辛い・・・。


こうなると、どうしても、まだ税金の安い今のうちに

「一旦利益を確定させた方が節税になる」等と考えてしまいます。


特に、例えば、私の持っているアークランドサービスのように、

既に株価が5倍にもなって、

含み益がたんまり溜まっている場合、

10%も税金が違うとずいぶん差が大きくなってきます。


話を簡単にするために、

100円で買ったA株を10000株持っているとしましょう。


つまり、投資額は100万円です。


これが5倍になったわけですから、

時価は500万円です。


もし今このA株を売れば、


時価500万円-初期投資額100万円=利益400万円


10%の税金なら、40万円で済みますが、

(税引き後利益:360万円)

将来20%になってからだと、80万円も払わなくてはいけません。

(税引き後利益は、320万円)


40万円も違うのですから、

さすがに税金の低い今のうちに一旦売って

同額買い直した方がオトクと考えてしまうわけです。



ところが、それをすると少し悲しいことがおこります。


というのは、一旦利益確定をしてしまうと、

その時点で10%の税金が引かれる分、

新たに買える株数が減ってしまうのです。


この場合、A株を一旦売ってしまうと

時価500万円-税金40万円=購入可能額460万円となり、


株価500円のA株なら、9200株しか買えなくなるのです。

今までなら10000株もっていたわけですから、

今後もらえる配当もキャピタルゲインも、

そのまま持っておくよりも8%も減ってしまうのです。


そこで、

いったい、税金の低い今のうちに売っておくのと、

税金が高くなっても株数を減らさないでそのままホールドするのと、

どっちが得なのか、


今日は朝からずっとそればかり計算していました。


で、結論から申しますと、


例え、株数を減らしたとしても、その後、株価が2.25倍以下しか上昇しないなら、

今売った方がオトク。


その後の上昇が2.25倍を超えるようなら、

あくまでホールドを貫く方がオトク。


という結論に達しました。



先ほどのA株の例のように、

税率10%で利益確定し、9200株買い戻した場合、


さらに2.25倍に上昇したとすると、

その時点での時価は

9200株×500円×2.25倍 = 1035万円

この時点での利益は

1035万円-460万円=575万円となり、

税金20%を差し引くと460万円の手取り利益となります。


これに、税金が10%の時に確定させた手取り利益360万円を合わせると、


460万円+360万円=820万円・・・・・・・①


の累計利益となります。



一方、税金が10%の内に利益確定させず、

税金が20%になってからもずっとホールドして、

その後、2.25倍になった場合はこうなります。


時価は

10000株×500円×2.25倍=1125万円


(税別の)利益はそこから元本の1百万円を引いて、

1125万円-100万円=1025万円


20%の税金を考慮すると、

手取り利益は、


1025×0.8=820万円


となり、①とピッタリ合いますね。


これ、不思議な事なんですが、

5倍高からスタートしたから、

2.25倍が分岐点となる訳ではありません。


含み益がいくらであっても、2.25倍以上が狙えるなら、

税金が10%の内に利益確定させるよりも、

20%になってから利益確定させた方が有利となります。

(計算を単純化させるため、税は10%と20%との比較とし、

手数料・配当は無視している)


例えば、含み益が2倍だったとしましょう。


同じように買値100円の10000株なら、

今利益を確定させ10%税金を払うと、

90万円の利益が出て、

その後、買い戻せる株数は9500株に減ります。


その後、2.25倍の450円に株価が上昇したら、

9500株×450円=427.5万円


税金を差し引いた利益は190万円、

先に確定した利益と合わせて280万円


一方、ずっとホールドなら、

(売値450円-買値100円)×10000株 ×税考慮0.8 =280万円


と同じになるわけです。


よろしいでしょうか?


平成25年末までに買った株が、

その後さらに2.25倍以上狙えるのなら、

節税のために利益を確定させて保有株数を減らすよりも、

そのままホールドした方が良い!!


これが結論です。




えっ?

そんなことを考えるのは、あんたくらいだ!!

ですって?


そもそも2.25倍以上なんて狙おうとも思わないし、

その後の購入株数に狂いが出るほど含み益抱えてないし、

そんな10000株とか持ってないし・・・。



そっ、そうですよね・・・。


世知辛いのは私の方でした。


10倍高まで狙えるような株を探し出したら、

思いっきり買いこんで、

悪くても2~3倍は取りたいなどという

超大振りのこの投資スタイルならではの悩みかも知れません。


しかし、この2.25倍という水準は悩ましい・・・。




ちなみに、投資総額が100万円以下の方は

あまり気にする必要はありません。


平成26年以降、日本版ISAといわれる、

年間投資額100万円(最大300万円)までは、

非課税となる制度がスタートするようですから。




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