こんにちは!税理士の柿白ですニコ

今日は、「お金」と「相続税」のお話をゆる~くさせて頂きます。

 

相続税申告のお仕事をしていますと、お客様は財産を多く保有している方が対象となります。多くの金融資産をお持ちの方や多くの不動産をお持ちの方です。ただ、みなさんが想像するような大豪邸に住んでいて、生活も華やかで…といった方はどちらかというと少数派です。堅実に生活をなされている方の方が多くいらっしゃいます。

 

そして、今、お亡くなりになるような世代の方々は、お金と不動産が好きな方が多いですね。不動産に対する思い入れは一昔前に比べれば少なくなってきた印象はありますが、やはり今でも先祖代々の土地を手放すことに抵抗がある方もいらっしゃいます。

また、日本が成長している、元気だった時代を知っている人はお金(キャッシュ)が大好きです。昔は、ゆうちょの定期に預けておくと10年で倍になりました。親からもお客様からもよく聞かされました。いい時代ですねびっくりマーク

今の時代はどうでしょうか?

利息も微々たるものです(0金利は解除されましたがまだまだ…)。

貯金をしておいてお金が倍になるなんて、夢のまた夢です。

 

堅実な人は(日本人の多くは)、損することがとても嫌いです。

儲からなくてよいから、損はしたくないびっくりマークといったマインドの方が多いですね。

日本はデフレの時代が長く続きました。

私が大学生のとき、マクドナルドのハンバーガーが59円(税抜)になったことがあります。

大学内にあったため、その節は大変お世話になりました爆  笑

デフレ下においては、低金利といえども貯金することに一定のメリットがありました。

物価が下がるということはお金の価値が上がるということですから。

 

今はどうでしょうか?

インフレの時代が到来しています。

政府は2%のインフレターゲットを設定しています。仮に、2%のインフレが続けば、30年後に物価が現在の約2倍になります。

逆をいうと、お金の価値が約半分になります滝汗

お金を持ち続けていると、「損」をしてしまいます。

もちろんこのままインフレが続くかどうかは誰にもわかりませんが、以前ほどのデフレマインドは無くなってきている印象があります。また、円安のニュースが続いていますが、円の価値も今後どうなるかわかりません。

 

いっとき、老後の2,000万円問題が話題になりました。

また、NISAなど政府も投資を勧めています。

国が勧めることは信用できないムキーッ

その気持ちはすごくわかりますが、NISAに関しては税制上のメリットは確実にあります。ただし、あくまでも税制上(利益がでた場合)のメリットですので、損する可能性はありますアセアセ

しかし、今後はある程度の「投資」は必要な時代になっていきているなと感じます。

特に投資期間が長ければ長いほどリスクは低下していきます。

 

相続税対策のお話しです。

①「お金」を「モノ」に変える!

前述のとおり、インフレ下ではお金をもっていると損する可能性があります。一方、相続税対策としてもお金をモノに変えた方が有利になります。

アパートを作って節税対策!がまさにそれです(以前のブログでもご案内しています)。アパートでなく家を建て替えるでも同様の効果があります。

上場株式の評価も若干優遇されています。

インフレ下では、お金の価値が減少するのでお金で持っていた方が節税になるのでは?という意見があるかもしれません。確かに、相続税の減少にはなるかもしれませんが、相続税支払い後の「財産」を考えた時には目減りをしている可能性が高いです。

 

②相続時精算課税制度に期待できる?

精算課税は、贈与時の「価額」を相続時にもち戻しをします。したがって、1億円の土地を精算課税贈与し実際に相続が発生した場合の価額が2億円だったとしても、相続税の計算上、持ち戻す土地の評価額は1億円で評価がされます。

インフレ時代が続く場合は、精算課税の効果が期待できるかもしれません。

また、税制改正によって相続時精算課税制度の利用者が増加するかもしれません(以前のブログでもご案内しています)。基礎控除の創設によって7年遡りの対象外とすることができます。ある程度の年齢になったら精算課税を選択する人が増加すると予想されます。

 

③生前贈与+投資

相続税対策の王道は、生前贈与です。インフレ時代においてはそこからさらに投資をすることも選択肢の一つです。毎年100万円を贈与し、子供たちがそこから積立NISAを行う。保険料贈与プランなどで生命保険に加入する。こららによって、贈与した以上の資産が形成される可能性があります。また、納税資金を潤沢に準備することができるかもしれませんし、早くから初めて長くやればやるほど、相続人の方の資産が大幅に増加する可能性があります。

 

普段生活しているなかで、インフレを実感することが多くなってきました。コンビニでランチを買っても一昔前と比べると本当に高くなっています。すべての値段がじわじわとあがっています。一方、家賃に関しては値上げの話を聞きませんでしたが、先日わたしのお客様で大家さんから家賃の増額を依頼されたと初めて聞きました。とうとう家賃もガーン今後は家賃の増額も増えてくると思われます(弊社の事務所も賃貸ですが、言われないといいですが…泣)。

 

インフレは日々の生活を圧迫しますので、辛い部分はあります。一方、世界経済においてデフレがこんなに長く続いたのは日本だけです。そして失われた10年が30年になりました。日本経済を考えるとインフレになっていくことは今後必要と思います。ことし最低賃金が50円あがることになりますあせる弊社ではパートさんもいらっしゃいます。年収の壁問題があるなか、これほどの最低賃金の増加は労働不足を招く要因ともなり、経営者として悩ましい部分はあります。ただ、社員さんもですが、それぐらい賃金が上がらないと、このご時世確かに苦しいなあと痛感しております。

 

税理士法人クレサスは、法人設立後、今年で10年となります。

インフレ時代、人口減少時代など、これからの事務所経営は簡単ではありませんが、お客様・従業員の皆様の満足度向上のため、気持ちも新たに頑張っていこうと思っている今日この頃であります。

 

岡崎市・西三河の税理士 税理士法人クレサス