こんばんわ!!
例えば、1億円の借金をするとマイナスの財産として1億円が財産から差し引きれます。
しかし、1億円の借金をすると預貯金が1億円増加しますので、実際にはプラスマイナスゼロになります。
したがって借金だけでは相続税対策にはなりません。
相続税対策は「お金」を「モノ」に替えることによって可能になります。
よく行われることがアパート等を建設することです。
建物の評価の場合は、固定資産税評価額で評価されます。さらに、アパートのように他人に賃貸している場合は、そこから3割評価を減額することができます。
したがって、仮に1億円の借金をしてアパートを建設した場合は、
建てたばかりのアパートの固定資産税評価は約6000万ほどになります(基本的にお金をモノにかえると評価が下がります)。
そこから3割減額すると約4,200万円の評価額となります。
プラスの財産(増加する財産)が4,200万円、マイナスの財産が1億円になり差引5,800万円の財産圧縮効果が可能となります。
更に土地の評価もアパート等の敷地の場合は、15%評価が減額されます。
また、アパートを建設するにあたり、借金をした方がよいのか、手持ちの資金の方がよいかのご相談もよくお聞きします。
結論としては、相続税はどちらでも同じです。
ただ、余程のキャッシュをお持ちの方以外は預金だけで建てることは困難ですし、手持ちの預金があまりに少なくなることはその後の生活において非常にリスクが高いです。
現在、相続税対策を理由としてアパート等の建設が非常に増え、供給過剰と言える状態になっております。
新築時は満室になりますが、数年後にはちらほら空室がでてきます。また、一括借り上げといっても将来家賃の減額交渉が行われることもあります。
アパート等の建設は確実に相続税の節税対策になります。
相続税が何千万、何億となるとそのような対策をせざるを得ない方もいらっしゃいます。
不動産収入がある方はまわりからは羨ましがられることも多いと思いますが、所得税等や固定資産税、修繕費や借入金の返済など実際にはそんなに楽ではありません。
人口減少時代において、よほど立地の良い場所である場合を除いて、今後のアパート経営は非常に厳しい状況になる可能性があります。既に、空室等により非常に苦心をされている方もいらっしゃいます。
後継者の方が、後々の借金返済等に苦労されるのであれば、場合によってはある程度生前贈与や生命保険などを利用し預貯金を後継者の方に残し、相続税をしっかりと納めるといった考えも選択肢としてありだと思います。
残された方が苦労されないように、どのような節税対策が本当に有効かどうかをしっかり判断して実行することが大切です。
柿白