みなさん、こんにちはびっくりマーク

 

今回は、法人や個人事業の税務調査で指摘(修正)が多い、「期ズレ」についてです。

 

「期ズレ」とは、本来計上するべき期ではない事業年度に売上や費用が上がっている状態です。

 

税務調査の指摘事項のなかで、最も多いのが、この期ズレです。

 

令和4年3月が直近の決算(以下、当該決算)の場合で例をあげますと、

 

①当該決算時に本来は計上すべき売上が翌期(R5.3)に計上されている。

 

②締日が末日でない取引先の場合、締日後から決算日までの売上計上が漏れている。

 

③当該決算時に、在庫(仕掛等)が漏れている。

 

④当該決算時に費用として計上したものが、実際には翌期(R5.3)に計上すべき費用の場合。

 

などが、あげられます。

 

①、②については、いわゆる売上(売掛金)の漏れが生じている状態です。売上については、計上基準(出荷・納品・検収・役務提供完了)がありますので、例えば、お客様の都合等により請求書が翌期(R5.3)になっていたとしても、納品等が完了していれば、当該決算で計上しなければなりません。

 

また、②については非常に漏れやすい項目ですが、例えば取引先が20日締めの場合、R4.3/21~3/31までの売上分について個別に計上しなくてはなりません。

 

③については、「売上」とそれに対応する「費用」は、正しい損益を計算するにあたり、同じ期に計上するという決まりがあります(収益費用対応の原則)。

在庫はまだ売れていないものですので、費用になるのはあくまでも売れた期に計上します。費用ではなく在庫(資産)として繰り延べて、売れた期に「費用」計上されます。

また、「仕掛」についても非常に漏れやすいですが、材料や外注等の諸経費についても同様の考え方です。

製造業や建設業などでは必ずチェックされる項目です。

 

④については、前渡金等が該当します。これらについても、当該決算期の経費にしていると指摘を受けます。

例えば、R4.3に研修費として支払ったが、実際に受講する研修は翌期だった場合などです。

また、とくに利益がでている場合、節税対策として決算期末に修繕や機械設備の購入がある場合がありますが、支払いや請求書が当該決算期になっていたとしても、修繕が完了していなければ経費計上はできませんし、機械や設備は決算時に実際に稼働していなくては減価償却費は計上できません。

節税のため、どうしても当該決算に費用計上したいと、業者さんに無理やり請求書をお願いすることもあるかもしれませんが、こちらについてもしっかりと確認されます。

 

以上が、「期ズレ」の具体例ですが、

この「期ズレ」については、税務調査対象期間(通常は3期分)の、直近の決算期のみ確認されます。

なぜなら、期ズレについては、売上等が完全に漏れているわけでなく、計上時期が誤っているだけだからです。

したがって、R2.3期に売上の計上漏れがあり、R3.3期に計上されているような場合は、税務署として否認はできますが、R2.3に追徴課税をしても、R3.3期についてはその分売上が減少されるため、税金を返す必要があります。いわゆる「いってこい」の状態になります。

否認しても意味のない行為になるため、R4.3期の最終期のみ確認がされます。

実際に税務調査で最終期のR4.3期に「期ズレ」を指摘されたとしても(50万円の追徴課税)、翌期(R5.3)に調整がされます(50万円の納税負担が減少)ので、そこまで痛手はありません。

ただし、いわゆる加算税等については負担があります泣

 

「期ズレ」については、売上等を除外しているわけではなく、ただ計上時期がズレているだけなので、そんなことをわざわざ指摘するなと言いたい気持ちは重々わかりますが、税務調査官にとって、否認事項であることには間違いがないため、しっかりと確認されますえーん

当然、税務調査官もお仕事として調査を行っておりますので、「調査にいきました」、「否認事項はありませんでした」というのは、避けたいところです。

経営者の方からすると、「交際費」は税務調査において気になるところだと思います。

ただし、調査官からすると、「交際費」は非常にグレーな部分ですし、立証することが簡単ではないものよりも、資料によって簡単に立証ができる、「期ズレ」の方が確実に否認することが可能です。

実際に、税務調査が開始されて、最初に確認する部分はこの「期ズレ」であることが多いです。

早々に期ズレの修正事項が見つかれば、調査官は手ぶらで終わることはとりあえず回避できたと、ほっとして調査を続ける方もいると思います。

 

以上のとおり、税務調査において「期ズレ」を指摘されたとしても、そこまでの痛手はありませんが、税務調査官にとっては、確実に否認をとりやすいものですので、重点的にチェックをします。

税務調査にいわゆる「お土産」は一切、必要ありませんびっくりマーク

ミスや漏れのおきやすい「期ズレ」ではありますが、決算時には要注意して対応頂きたい項目です。

 

岡崎市・西三河の税理士 税理士法人クレサス

柿白