李白 春夜宴桃李園序 平田玉蘊絵  (112) | okuda8888のブログ

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平田玉蘊 「春夜宴桃李園序」 紙本 横46.5㎝×縦108.5㎝

 

李白の有名な「春夜宴桃李園序」を玉蘊(ぎよくおん)が絵画化した絵と思われる。

 

 

桃の花の満開の月夜、4人の中国の文人が集まり宴を開いている。

「春夜宴桃李園序」李白 では
「夫天地者萬物之逆旅
 光陰者百代之過客
 而浮生若夢
 爲歡幾何
 古人秉燭夜遊
 良有以也
 況陽春召我以煙景
 大塊假我以文章
 會桃李之芳園
 序天倫之樂事」

と表現されている。人生は短いので、夜燭を灯して、桃の花を愛でる

楽しみを大いに満喫しようではないかと呼び掛けている。

 机に座る向かって左の人は白紙を前に、詩を詠まんと想を練っている。主人と思しき中心の人物は従者に指示を出し、背中が見える文人はくつろいだ雰囲気である。

 

 

「春夜宴桃李園序」の後半は次のように記されている。

「群季俊秀
 皆爲惠連
 吾人詠歌
 獨慚康樂
 幽賞未已
 高談轉清
 開瓊筵以坐華
 飛羽觴而醉月
 不有佳作
 何伸雅懷
 如詩不成
 罰依金谷酒數」

盃を交わして月に酔おう。そして詩を作り、雅懷(みやびな心)を述べ合おうと呼びかけている。まさに序の内容が絵に描かれている。

また、燭や急須などの食器も玉蘊らしく繊細に描かれている。

 

桃の木を中心にし、大胆な構図となっている。横46.5㎝×縦108.5㎝の大作で、玉蘊が李白の「春夜宴桃李園序」の世界に挑戦した作品といえよう。

 

落款から玉蘊20代後半~30代前半の絵と推測される。