狩野探淵の華麗な草花図 (107) | okuda8888のブログ

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狩野探淵守真 「秋の草花図」  絹本  横41.0㎝×縦111.5㎝

 

鍛治橋家八代目狩野探淵守真(1805年~1853年)の「秋の草花図」である。

 

画全体を紺色の背景にし、大変華麗な絵である。

狩野派は一時期、このように背景を紺一色に描く技法を生み出したようである。例えば、木挽町八代目狩野栄信(1775年~1828年)の「郭子儀・花鳥図」(三幅対)に先例がある。(紺の顔料が高価なため、その後は技法として廃れたのかも知れない。)

 

 

立葵と黄蜀葵が色彩豊かに鮮やかに描かれている。花の周りには様々な蝶が飛び交う。

この世のものとは思えない美の世界が出現している。

画の上部は竹と瓜が描かれ、蜂や蝶が賑やかに飛翔している。

 

 

箱書きによると文政十年(1827年)の制作とあるので、探淵23歳の時の作となる。鍛治橋狩野家の跡継ぎとなると早くから英才教育を受け、23歳では既にひとかどの力量を身に着けていたことが分かる。

 

 

早熟な才を持つ狩野探淵は記録では嘉永6年(1853)に亡くなっている。享年49歳と早逝であった。