釣り好きの絵師 釧 雲泉 (103) | okuda8888のブログ

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釧 雲泉(くしろ うんぜん) 「秋渓釣図」 絹本 淡彩

                横41.0㎝×縦105.0㎝

 

江戸時代後半の南画家 釧 雲泉〈宝暦9年(1759)~文化8年(1811)〉の山水画である。

長崎島原の出身で、長崎に遊学し清国人張秋穀に直接教えを乞うなど本格的に南宋画を学んだ。

 

旅に生き、酒をこよなく愛した孤高の画人として知られる。江戸ゆ岡山などに滞在しつつ、四国や和歌山、越後など諸国を放浪し、最後は越後で53歳でで急逝する。

 

 

代謝色や水色で色彩を押さえつつ、山や岩、樹木を精緻な筆致で描いている。雲泉本人は文人と呼ばれることを好み、職業画家と呼ばれることを嫌悪していたようである。

 

 

雲泉が気にいらなければ、絵を求める者さえ追い返していたようで、作品もあまり多く残っていない。ただ、幕末頃は南画家として高く評価され、池大雅に次ぐ評価を得ていたようである。

雲泉の大の趣味は釣りであったようで、諸国遍歴の際も必ず荷物の中に釣り道具を持ち歩き、絵を描かない時には必ず釣りをして過ごしたそうである。

 

画中の釣り人も真剣に釣りをしているように描かれている。雲泉にとって画中の釣り人は点景ではなく、作者自身の自画像でもあったのであろう。