平田玉蘊(ぎよくおん) (58) 「老松栖鶴図」 絹本
横27㎝×縦109㎝
松の老木に栖(す)む鶴の一家を描いている。細長い作品で、洒落幅と呼べるだろう。
作品の上部には老松の上に巣作りをして生まれた三匹の鶴の子を慈しむ母鶴が描かれる。餌を求める鶴の子が愛らしい。
作品の中段から下段にかけて、子を守ろうとする父鶴が描かれている。
鳴いて他を威嚇しているのか、岩の上に力強く立っている。
谷間から流れ落ちる川の水も勢いよく描き、老松と相まって深山幽谷の趣をよく表現している。
この作品は福山出身の日本画家 塩出英雄氏が長く所蔵していたそうである。