奇想の画家 長澤 芦雪 「菊慈童図」(85) | okuda8888のブログ

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長澤 芦雪 「菊慈童図」 紙本

       横52㎝×130㎝

 

前回に続いて、長澤芦雪の作品「菊慈童図」である。

 

 

菊慈童は王の怒りに触れ流謫の身となったが、菊の露を呑むことで200歳以上の命を得ることになった。芦雪の描く菊慈童は若々しく、罪を得た直後の菊慈童のようである。

 

 

画面下の部分、わずかに菊を描くことで菊慈童であることが分かるしくみになっている。印は「魚」朱文氷形印が用いられている。

 

 

岩に腰掛ける菊慈童の表情がなんとも困惑しているように見える。王の激怒に触れ罪を得たわが身の不運を嘆いているのか、今後どう生きていこうかと不安に思っているのか、斜に構えた眼差しが印象的である。

衣服は鼠色でさらっと描いているが、発色が美しい。岩や髪の毛も刷毛でさっと描くが、画面が生き生きとしている。

 

 

46歳で急逝した長澤芦雪であるが、奇想の画家と呼ばれるだけあり、大胆な筆遣いであり、画は躍動している。