親子三代の夢 五峰の「太公望」 (74) | okuda8888のブログ

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平田 五峰(ごほう) (3) 「太公望図」  絹本

           横32.5㎝×102.5㎝

平田玉蘊の父、五峰の「太公望図」である。五峰は尾道商人であったが、絵画と能の優れた才を発揮していた。

 

 

文王と呂尚の出会いの場面を描いている。右が文王、左が呂尚である。それにしても、二人の群青色と緑青色の鮮やかさが目につく作品である。制作されて200年以上たっているとは思えない色の鮮やかさである。画人としては素人の五峰であったが、豪商らしく絵の顔料は上等なものを使用していたと考えられる。

 

 

平田五峰(本名 新太郎)は福原五岳に師事していた。号も福原五岳に近い「五峰」を授けられたと思われる。五峰は文化三年、

47歳で病没する。玉蘊20歳の時で、豪商平田家としてはあまりに早い死去で動揺したと思われるが、娘玉蘊は絵師とし生きていくことを徐々に決断していったのではないか。父親のあまりに早い病没が、玉蘊の好きな絵師への道を進ませたようである。

 

 

優れた画家であった父平田五峰は娘に画家として歩んでほしいと願っていたであろう。また、絵が好きで才能があった玉蘊は絵師として生きることに迷いなく決断したのではないか。その決断の背後には橋本竹下を始めとする尾道豪商たちの支援があったから、決断できたと思われる。