福原五岳(ごがく) 「林和靖(りんわせい)」図 絹本
横36㎝×90㎝
福原五岳が描く「林和靖」図である。林和靖(967年~1028年)は中国北宋の詩人で、世俗に混じらず、妻子を持たず詩作などに没頭して一生を終えた。
和靖は「梅を妻、鶴がわが子」と言い、この絵では和靖に寄り添う鶴が描かれている。
この絵の魅力は文人として清貧な生活を送った和靖の人柄を、品よく描き切っているところにある。寄り添う鶴も生き生きと描かれている。
五岳は酒をこよなく愛し、大雅との酒盛りのエピソードでは豪快なイメージがあるが、この絵からは、厳格に誠実に作画に向き合っている五岳の姿が浮かび上がってくる。