本をめくる紙の音
風の音
エアコンの音
特にこの3つが初めて補聴器を着けたときに受けた衝撃の音だった。
本をめくるときの紙の音なんて聞いた事がなかったから。
左耳のみの補聴器を着けての生活が始まった。
音から逃げたい時は、外すそんな生活をしていた。
ある意味集中したいときは外せるという使い方。
まだ、音のない生活の方が心地よかったからだ。
ことばの教室に通い始めると、
聞こえなかった、「サ行」の無声音が聞こえるようになった。
サ行はこの無声音が出せるようになって初めて発声できる。
ことばの教室に行き始めたころは、
初めて知る事が多くとても衝撃だらけだった。
なんとなく、発音していた言葉がこんなにもいろいろな音によって成り立っていたなんて!
聞き取りに関しては、母音は完全に聞こえるので、
ヘンな話、大げさに言えば、
「サ行」を言われても「ア行」に聞こえる世界だ。
「サ行」と「タ行」の区別が良くわからなかったりしたものだ。
「カ行」は、聞き取れていたが、
発音はできていなかった。
その一つ一つの音の出し方を専門的に教えて貰えるのは本当に楽しかった。
私は、ことばの教室に通ったのが、高校生だったので、
一つ一つを理解し噛み砕きながら教えてもらったので、
習得は早くできた。
ことばの教室に通っている高校生は、私一人だったように思うが(笑)
楽しく通えたのは今でもいい思い出だ。
そこで知り合った、最初の先生は、ベテランの男の先生だった。
途中で、年が15歳くらいしか離れていないお姉さんのような先生に変わった。
とても綺麗な先生だった。
プライベートでも可愛がってくれた。
そんな素晴らしい先生との出会いを神様はプレゼントしてくれた。
先生がお弁当を作ってきてくれて、一緒に食べながら話した事や、
英語のヒヤリングが苦手だと先生に相談すれば、
先生の義理の弟の方が英語の先生で、
ヒントを伺える場を設けてくれたり。
でも
そんな素敵な先生が、若くして亡くなられた。
高校を卒業してからはなかなか会う機会も減り
就職して間もないころに、訃報の連絡を先生の妹さんから頂いた。
妹さんの話によると、私の話をよくしてくれていたそうだ。
先生からお形見を頂き、大事にしている。
こうして、ブログを書くことで、
私に関わって下さった方との出会いというのは、本当に偶然ではなく
私の人生に必要な方なんだとつくづく思う。
年齢がそうさせるのか。
私は今まで出会った方に、この先出会う方に何かできるのだろうか
こう考える事が増えてきている。