「僕の心のヤバイやつ」 | 酒とミステリの日々 時々ラーメン

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ども、OKKAです。

 

今回紹介するのは、アニメ第2期が今日から始まる、ラブコメの傑作マンガ!

 

「僕の心のヤバイやつ」(桜井のりお著 秋田書店)通称「僕ヤバ」です!

 

 

ネットで話題! 陽キャ美少女×陰キャ少年の
ニヤニヤ系青春格差ラブコメディ! !
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を
妄想してはほくそ笑む、
重度の中二病の陰キャ・市川京太郎。
だが山田を観察する内に、
京太郎が思う
「底辺を見下す陽キャ」とは
全然違うことに徐々に気づいていき…!?

陰キャ男子・京太郎の初めての恋、始まる。
コミックスでしか読めない
激レアエピソード
描き下ろし漫画あり!

(1巻の紹介文 アマゾン紹介ページより)

 

マンガは昔からめっちゃ好きなんですが、このブログでは紹介してなかったんですよね。

理由はいろいろありますが、まあ昔ほど新作を追いかけきれていないということと、「完結してない作品を紹介するのはちょっと気が引ける」と思っているからです。

(初めは面白くても、後半失速したマンガなんてめちゃめちゃたくさんありますので…。)

ですから、これが初のマンガ紹介となります。

(「鬼滅」の関連本は以前紹介してますが…。)

 

まあ、とにかくこの作品にはドハマりしました。

 

昨年春のアニメにまずハマり、最終話を見た後すぐに全巻購入。(この時点で8巻まで出ていました。現在9巻まで販売されています。)

もはや書店では手に入らない特装版もネットで手に入れ、アニメは4周、マンガに至っては何周したかわからないほど読んで、アニメはDVDを購入。

X(旧ツイッター)にある「ツイヤバ」や作者の描いたイラストなどをできるだけ拾って保存。(もちろんKindleインディーズ版もダウンロード。)
ピクシブの2次創作も読みふけり、ついに自分で2次創作を書く…というところまで行きました。

 

個人的には、「めぞん一刻」に匹敵する、「ラブコメマンガの金字塔」になると思っています。

 

そこまでハマった魅力は何なのか。難しいですが、なんとかまとめていきたいと思います。

 

まず言いたいのは、この作品が紹介にあるような単なる「陽キャ美少女×陰キャ少年のニヤニヤ系青春格差ラブコメディ! !」ではない、ということですね。

 

まあ、物語全体を俯瞰して一般化すると、そういうジャンルの「よくあるラブコメ」に見えますが、この作品の本質はそこではないと思っています。

(もちろん市川×山田のイチャイチャも大好きですが)

 

2人が恋愛を通して自分と向き合い、自分の中の様々なコンプレックスと格闘して、自分を好きになり、成長していく…という点がいいんですよね。

物語はほぼすべて「市川視点のモノローグ」で綴られているので、市川の成長の方にフォーカスが当たっているのですが、ヒロインの山田も、単なる「陽キャ美少女」ではなく、悩みや不安、コンプレックスを抱えているということが徐々にわかってきます。

 

2人は3巻時点でいわゆる「両片思い」の状態になるのですが、そこからなかなか進展しないのは2人のこのコンプレックスが原因になっています。

だから、2人が成長していく中で、その距離が近くなっていくのがめっちゃ尊くってエモいんですよね。

 

実はかなり重いテーマだと思うのですが、それを作者がコメディとして昇華させているとことがすごい。しっかり笑えて、面白くて、でも深い感動もある…そんなマンガなのです。

 

(私の場合、年が年だけに、市川と自分を重ねるというよりは、ちょっと親目線で「市川、頑張れ!」って感じで読んでいます。)

 

その他にも、このマンガの特徴を挙げるとこんな感じ。

 

1.市川と山田が惹かれ合う過程がじっくりと描かれ、その描写に説得力がある。(よくある「なぜこんなに陰キャな主人公にヒロインは惹かれているのか」という疑問がない。)

 

2.少年誌のラブコメでは珍しく、主人公、市川の「性的な部分」もしっかり描かれている。(物語中では基本的にコメディとして描かれていますが、よく読むと作者はかなり誠実に中学生男子の性的欲求と向き合っていると思います。)

 

3.2人の「すれ違い」が、それぞれの心情(コンプレックス)に基づくもので、「告白しようとしたら電話が鳴った」「ボールが飛んできた」「相手が寝ていた」などのご都合展開がほとんどない。

4.コメディとしてもめちゃめちゃ面白い。さらに日常のシチュエーションも他のラブコメと比べて独自性に富んでおり、「どこかで見たことあるエピソード」というのが少ない。

5.ほぼすべて「市川視点」で描かれており、ヒロインやその他の登場人物の心情がモノローグで描かれることがない。それゆえ、主人公以外の行動・発言・表情・心情は読者が読み解かなければならない。(考察が捗るってわけです。)

 

6.主人公2人以外のキャラクターも魅力的。通常このタイプのラブコメでは、主人公以外のドラマもよく描かれるが、「僕ヤバ」ではあくまで「主人公2人の物語」が中心で、他の登場人物の掘り下げはあまり行われない。それなのにしっかり魅力のあるキャラクターを描けるのは、「作者が天才」としか言いようがない。

7.ちょっとしたセリフやアイテムが伏線になっていることが多く、それもかなりさりげなく描かれていることもあるので、何度も読んで「初めて気づいた!」という発見がある。

 

まあ他にもありますがこんな感じですね。

 

アニメの方は、また原作とは違う魅力があると思っています。

一言で言えば、「コメディ少なめ、ラブ多め」ですかね。2人の距離が近づいていく描写を、非常にエモーショナルな演出で描いているという感じです。

 

作画はかなりいいと思いますが、原作とは絵柄も違うし、エピソードの順序も変えているところもあって、そういうところがちょっと…と感じている原作ファンもいるかも。でも、OKKAは両方好きですね。

(まあどちらかと言えば原作の方が好きですが。)

アニメもめっちゃ楽しみです!

 

 

ということで、お気に入り度は、原作98点、アニメ90点でした!