2023年 ミステリベスト3!(&今年一番ハマったシリーズ) | 酒とミステリの日々 時々ラーメン

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ども、OKKAです。

 

今年も残すところあと2日!

 

というわけで、「2023年 ミステリベスト3」です!

 

今年読んだ本は81冊。

でもミステリはその内41冊なんですよね…。年々減ってる気がする…。

 

気を取り直して、行ってみよう!

 

まずは第3位!

 

「世界でいちばん透きとおった物語」(杉井光著 新潮文庫)です!

 

 

帯の惹句には「電子書籍化絶対不可能! 紙の本でしか体験できない感動がそこにはある!」とあって、わかってみればこれがけっこうなネタバレになってるんですが、それでもOKKAは物語の上でそれが明かされるまで気づきませんでした…。

分かった時は「マジか…!」って思わず言っちゃうくらい衝撃でしたね。

それにしても、よくこんなこと思いついて、しかも実現させたなあ…。

また、この仕掛けと、物語の内容とがしっかりリンクしているのもいいですね。

まあ、物語自体の「面白さ」で言うと、決してベストではないのですが、そんなことどうでもいいだろ!って思わせてくれるくらいの仕掛けでした。

こういうのができるのも「ミステリ」のいいところですね!

 

第2位!

 

「テスカポリトカ」(佐藤究著 KADOKAWA)です!

 

 

昨年度の直木賞を受賞したこの作品。

かなり分厚いんですが、読んでいてページをめくる手が止まりませんでした。

 

メキシコの麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会います。
二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かったのですが、その日本でバルミロは天涯孤独の少年・土方コシモと出会い、そこから物語が怒涛の展開を見せていく…。

 

というストーリーなのですが、まあ出てくる登場人物はほぼ全員イカれてるし、めっちゃ暴力的だし、拷問などのエグイ&痛いシーンもたくさんあるし、人もいっぱい死ぬしで、決して明るい話ではないんだけど、ものすごいエネルギーに満ち溢れた作品でした。

 

そして、第1位!

 

「卒業生には向かない真実」(ホリー・ジャクソン著 創元推理文庫)です!

 

 

「自由研究には向かない殺人」「優等生は探偵に向かない」に続く、三部作の完結編です。

 

アマゾンの紹介文や文庫本の帯に「ミステリ史上最も衝撃的」とありましたが、確かにOKKAの読書史上でもかなり上位に入る衝撃度でした。

それも、「予測不能なトリック」とか「どんでん返し」とか「予想外の犯人」とかではなく、ストーリーの展開そのものが「衝撃!」でした。

 

まあ正直、好みの終わり方ではなく、「もうちょっとなんとかならんかったのか…」と思ったのも事実ですし、実際にアマゾンのレビューでも賛否両論あるのですが、おそらくずっと記憶に残り続ける本なので、1位としました。

 

来年には主人公ピップの、3部作の前日譚「受験生は謎解きに向かない」が発売されるということで、楽しみですね!

 

 

 

 

さて、今年はあまりミステリを読めなかったと言いましたが、じゃあ何を読んでいたかというと、これです!

 

「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~」(香月美夜著 TOブックス)です!

 

 

このシリーズ、全部で5部あって、第1部が3冊、第2部が4冊、第3部が5冊、第4部が9冊、第5部が12冊、さらに短編集が3冊あります。

計34冊の大ボリュームのファンタジー小説です!

 

「本が好きで、司書資格を取り、大学図書館への就職が決まっていたのに、大学卒業直後に死んでしまった麗乃。転生したのは、識字率が低くて本が少ない世界の兵士の娘。いくら読みたくても周りに本なんてあるはずない。本がないならどうする? 作ってしまえばいいじゃない。目指すは図書館司書! 本に囲まれて生きるため、本を作るところから始めよう。」という、「小説家になろう」発のいわゆる転生ものなんですが、数多の転生ものとは一線を画しています。(あくまで個人的な感想です。)

 

個人的には、小野不由美の「十二国記」に匹敵する、和製ファンタジーの傑作だと思っています。

 

本作の舞台である、神々によって作られた「ユルゲンシュミット」。

ここは魔力によって成り立っている土地であり、それをベースにして国家のあり方や、文化、政治、経済、宗教などが綿密に考えられ描かれています。

 

この設定だけでもすごいんですが、登場する魔法や魔獣なども、既存のものは一切使わず、全部作者のオリジナルであるというのもまたすごい。(ですから、ゴブリンやエルフ、ドラゴンなんかも出てきません。)

 

そこに「魔力だけはあるけど、虚弱ですぐに倒れる主人公」マインが、本を作るために様々な人と関わり、成長していくというストーリーがまたいいんですよね。

(ただ、初期のマインは「本のことしか頭にない傍若無人なワガママ娘」で、めっちゃ性格が悪く見えるので、そこは注意なのですが。)

 

出てくるキャラクターも魅力的だし、マインが成長していく中で、前世では大切に出来なかった「家族の絆」に気づいていく…というのも素敵。

 

その物語を、本編31巻という大ボリュームで描いて、途中中だるみもせず、ほとんどの伏線を回収して完結させた筆者の筆力には唸るしかありません。

 

OKKAはアニメから入って、昨年から読みだしたのですが、今年になってどっぷりハマったという感じなんですね。

一応、書籍の方は12月に最終巻が出たのですが、まだまだ続編もあったり、コミカライズやアニメも続くという事なので、楽しみですね~。

 

ちなみに「本好きの下剋上」のお気に入り度は95点でした!

 

明日は「ウイスキーベスト3」をお送りします!