アスリートの書いた本はたくさんありますがあまり読んだことはない、というか初めてでした。

40代になっても現役であり続ける、スキージャンパー葛西紀明氏の書いた「40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方」。長いタイトルです(笑)。

 

常々一流アスリートたちの頭のよさ、パフォーマンスを上げるための無駄なく効率的なトレーニングに感嘆することもしばしばあり、ふと目に入った"長年リアルに蓄積してきた企業秘密を全公開"といった謳い文句に興味を惹かれました。

その時「疲れ」て「折れそうな心」だったんだろうと思われますが。

 

うちは本を買うのは原則禁止なので、本の虫のパートナーは特に図書館を頻繁に利用しています。今回は新刊なので在庫がなく、買っていただけました。

 

書籍購入を控える理由は、移動が簡単ではなくなるためです。東京から沖縄に移動してくる時には大きめの段ボールで30箱以上の本(CD、DVD含む)を処分しました。その前に私がNYから戻るためにパッキングした時も、膨大な量の本の前に立ち尽くしたのを憶えています。

 

利用していませんが、電子図書の普及で身軽な世の中になってきてもいますね。私は紙の本には愛着あり、本屋に長時間居るのも好きです。パートナーにとっては、そこは用事が済んだらさっさと立ち去る場所のようですが。

 

 

 

 

さて本題に戻しますと、葛西氏の著書は40歳を過ぎたビジネスパーソンたちに向けられたもので、加齢によって避けられない様々な心身の変化の過程に対応し、仕事のパフォーマンスも上げていくための、減量を含む多岐にわたる指南書となっています。

スキージャンプはボクシングのように、常に減量とともにある競技なのですね。

 

奇しくも最近のエントリで筋肉を硬くしてしまっている場合の問題点について書きましたが(こちら)、葛西氏の著書にも、筋トレよりも先に柔軟性を向上させることの重要性が書かれていました。

まずは柔らかくしてから質の良いしなやかな筋肉をつけるのが大事であり、筋肉が硬いまま運動をするといろんなタイプの怪我を誘発することにもなってしまいます。

 

そして体の老化は筋力の衰えばかりではなく、柔軟性が失われることによって進む。例えば立ったままズボンを履こうとしてふらつき倒れてしまうのは、足がしっかり上げられない筋力の衰えと、ズボンの穴に足を入れられない柔軟性の低下、ということです。

 

特に伸ばすべきは三つの筋肉、太ももの前面の前頭四頭筋、ハムストリングス、そして内転筋。小さな段差でもつまずいたり足がもつれてしまうのは、思っている以上に足が上がっていない、この三つの筋肉が固まってしまっています。

 

「疲れない体」を作るには、基本的に体幹を鍛えること。良い姿勢を保って体の歪みを解消します。その他にランニングやサウナで発汗を促し代謝を上げる、質の良い睡眠をとるなど、日常生活を見直すための段階的な方法が丁寧に提示されています。

 

減量に関しての章では食べる量よりも食べ方に意識を向けることが書かれ、青魚や大豆製品など代謝を上げる食材の紹介や、葛西氏自身のダイエット中・凌ぎお助けティップスも惜しみなく公開されています。

飲酒も絶対禁止ではなく、呑む場合にお酒の糖質を分解するものを同時に摂取する、例えばビタミンBを含んだ豚肉のおつまみを食べるようになどのアドバイスもあります。

 

運動を継続するにも、減量中もストレスマネージメントが重要で、「折れない心」を育てるにはまずは脳を休めること、笑顔でいること、ワクワク感を保つことが書かれています。ソチオリンピックで葛西氏が達成した、アスリートたちの言う"ゾーンに入る"ためのイメージトレーニングの段階を追った練習も面白いです。

 

読み終わっての感想は、ヨーガを日常にしていると良さそうだ、ということでした。

 

体幹の強化、片足立ちなどのバランス力はハタヨーガの修練で得られますし、下脚の柔軟性は陰ヨガしていると問題なさそうです。ランニングは好きじゃないのでやらないと思いますが、汗をかくならパワーヨガができるし。

 

日々の瞑想で脳を休め、ティクナット・ハン師のいう微笑みの呼吸を実践して心を穏やかに。サウナはぜひたまに行ってみたいですね。最強の呼吸を生みだしたサウナでのエピソードも納得しました。

 

ところでイメージニングはヨーガでも仏教でも用いられる瞑想のテクニックです。

葛西氏の著書にあるように、なるべく鮮明に、例えば蓮の花を思い描く場合は花弁が何枚か、色は何色で中央には種があって、などと作りこんでいきます。そこで以前イシュタの先生から聞いたご友人の話を思い出しました。

 

彼女はヨーガ講師で、とてもまじめな修練者でもあるそうです。ある時チャクラワークをしていてサハスラーラ、第七チャクラを活性化しようとその象徴である百枚の花弁の蓮の花のイメージニングを行ったそうです。

私などはいったいどうやって"100枚の花弁"の描写が可能なのだろうかと思うのですが、彼女はマーラを触りながら一枚一枚の花弁を生み出し、全体像もしっかり作り上げたそうです。

 

壮麗な蓮の花だろうな、と全体像をぼんやり浮かべてみながら思ったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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