こんにちは、幼児教育コンサルタントの城間です。
まず教育という言葉の語義から考えると教育を意味する英語Educationという単語は「外へ引き出す」という意味と植物や動物を(外から滋養を与えて)「育て、大きくする」という意味を含んでいます。
この語源から、教育というのは教育する側の意のままに、外部から自在に作りあげ作りかえるような作用ではないということがわかります。
このことを逆に、教育を受ける側から考えてみると人間は教育を受けなくても、様々な欲求やある種の素質をもち、環境との相互作用を通して発達していくという側面をもっています。
したがって、教育とはそれぞれの人間のこの発達のなかで考える必要があると考えられる。
適切な時期に、適切な素質を「引き出し」「育てる」ことを意識することによって、その時々の適切な教育的関わりを考えることが出来るようになるはずである。
人間の発達を大きく左右するのは、周囲の環境や生後の教育であるとする環境説(ロックの白紙説)、
遺伝子的な素質であるとする生得説(ルソーの性善説と消極的教育)、
環境と遺伝的な素質の両方が作用する輻輳説(シュテルン)がある。
そこで教育という営みの基本的な理解とは、
①自発性の原理…子どもの好奇心や意欲を引き出し、自己活動を導く。
②経験の原理…言語ではなく、生活や経験を通して指導すること。
③感性的理解の原理…直接的体験や直感による理解のことで、子ども自らに行動させる、
子どもの経験に結びつける。
④社会化の原理…教育は本来、人間の社会化の過程であり、健全な人間関係を作りだすような援助や指導が必要である。
⑤個別化の原理…学習者の個人差に応じた個別的指導(ドルトン・プランやティーム・ティーチング等)。
以上の学習指導の原理を教師や保護者が理解すれば、学校(義務教育のみ)だけで十分であろう。それ以降の学習は、生涯学習として捉えていくべきではないかと考える。
生涯学習が普及・発展し、全生涯を通じて継続的によりよい学習が行われるためには、再度、学校教育が見直され、人間の学習をライフステージという視点でとらえ、
義務教育がその後の生涯学習の基盤となり生涯学習への欲求や能力を引き出すことが出来れば、生涯学習をさらに豊かなものにすることができると考えます。
こういった意味で今まで以上に学校教育と生涯学習の連携が重要視される時代に入ったと言えるのではないでしょうか。
また、1996年の中央教育審議会の答申「21世紀を展望したわが国の教育のあり方について」では、「自ら学び、自ら考える教育への転換」と「生きる力」の育成が提言されてます。
2002年から新しく始まった教育課程では「総合的学習の時間」が設けられており、今まで以上の学校教育と生涯学習の協力・連携、いわゆる学社融合が望まれています。