放送大学

卒業研究に挑戦しました。

誤字もあります。適切でない表現もあると思います。

評価もA〇ではなく、A評価の論文です。

 

ブログにて卒業研究を公表するかしないか迷いましたが、これから卒業研究に挑む方の参考になればと考えました('◇')ゞ

 

 

異性愛者の同性愛者(ゲイ・レズビアン)イメージ

 

 本研究では、異性愛者からLGBTの文字で使用されているL=Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、G=Gay(ゲイ、男性同性愛者)のイメージを明らかにするために調査を行った。
調査回答者は、男性38名、女性53名で、回答者の恋愛対象から、異性愛者、同性愛者、両性愛者の割合を調べた。その結果、LGBTに含まれる同性愛者、両性愛者の割合が全体の約21%であった。
 また、異性愛者から見た同性愛者のイメージは、一般的にどのような形容詞が共有されているか明らかにするため、使用頻度の高い形容詞対から、人格、社会で使用頻度が高いものから順に抜粋し24項目の形容詞対で5段階SD法により分析を行った。その結果、異性愛者は男性同性愛者(ゲイ)、女性同性愛者(レズビアン)に対して、全体的にややポジティブなイメージであった。また、異性愛者の性別(男・女)による男性同性愛者(ゲイ)のイメージの差、異性愛者の性別(男・女)による女性同性愛者(レズビアン)のイメージの差、男性の異性愛者から見た、同性の同性愛者(ゲイ)と異性の同性愛者(レズビアン) のイメージ差、女性の異性愛者から異性の同性愛者(ゲイ)と同性の同性愛者(レズビアン) イメージ差において、どのような形容詞に有意差があるかを明らかにした。

 

 

 

目次

1. 問題
1.1 LGBTについて
1.2 イメージについて
1.3 イメージとステレオタイプ
1.4 内集団と外集団のイメージ
1.5 インターネットと同性愛のイメージ
1.6 同性愛者に関する歴史とイメージ、現在の法体制とイメージ
1.7 目的
2. 方法
2.1 調査概要
2.1.1  調査方法
2.1.2  調査期間
2.1.3  調査回答者
2.2 質問項目
2.3 教示
2.4 分析方法 
3. 結果
3.1 回答者(性別、年齢、恋愛対象)の結果 
3.2 異性愛者より男性の同性愛者(ゲイ)のイメージの結果 
3.3 異性愛者より女性の同性愛者(レズビアン)のイメージの結果
3.4 異性愛者の性別による男性同性愛者(ゲイ)のイメージ差の結果
3.5 異性愛者の性別による女性同性愛者(レズビアン)のイメージ差の結果
3.6 男性の異性愛者より同性の同性愛者(ゲイ)のイメージと異性の同性愛者(レズビアン)のイメージの差の結果
3.7 女性の異性愛者より異性の同性愛者(ゲイ)のイメージと同性の同性愛者(レズビアン)のイメージの差の結果

 

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4. 考察
謝辞
引用文献
付録1-1 REAS・WEB調査概要1
付録1-2 REAS・WEB調査概要2

 

オキクのブログ

卒業研究(後半):異性愛者の同性愛者(ゲイ・レズビアン)イメージ

に記載

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異性愛者からの同性愛者(ゲイ・レズビアン)イメージ


キーワード:LGBT,レズビアン,ゲイ,イメージ

 

1.問題

 

1.1 LGBTについて
 LGBTという言葉がメディアなどにおいて発信され耳にする機会が増えている。今回の研究では、同性愛者のイメージについて考察を行うが、LGBTと同性愛者には関連がある。LGBTとは、L=Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、G=Gay(ゲイ、男性同性愛者)、 B=Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、T=Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)のそれぞれの頭文字をまとめたものである。現代はネット社会であり情報の入手元としてWEB検索を用いる人も多い。私たちは、その検索情報を元に言葉やあるカテゴリーの意味を捉えイメージすることもある。私たちはLGBTという言語を調べた時にどのような文章を目にするだろうか。先ずはいくつかのサイトに記述してあるLGBTについての文章を引用する。LGBTをWEBサイトで検索するとトップにくるのは、「ウィキペディア(フリー百科事典) 」である。「LGBTという言葉は性の多様性と性のアイデンティティからなる文化を強調するものであり、性的少数者と同一視されることも多いが、LGBTの方がより限定的かつ肯定的な概念である」〔https://ja.wikipedia.org/wiki/LGBT〕(最終検索日:2017年9月10日)と記載されている。「人事労務用語辞典」では「日本語ではしばしば、LGBT を含めた性的マイノリティー(性的少数者)全体を指す用語としても使われます」〔https://kotobank.jp/dictionary/jinji/〕(最終検索日:2017年9月10日)と記載されている。法務省のホームページでは「性的指向及び性自認を理由とする偏見や差別をなくしましょう。性的指向及び性自認に関して,いわゆるLGBTなどと呼ばれることがありますが,それらは,一般的に次のことを指しています。 L:女性の同性愛者(Lesbian:レズビアン) G:男性の同性愛者(Gay:ゲイ) B:両性愛者(Bisexual:バイセクシャル) T:こころの性とからだの性との不一致(Transgender:トランスジェンダー)」〔http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00126.html〕(最終検索日:2017年9月10日)と記載されている。
 LGBTの概念は、性的マイノリティを指すとの捉え方、性の多様性を指すとの捉え方、性的マイノリティを総称した表現としての捉え方など若干異なるが、性の多様性や性的マイノリティの総称として使用されている言葉であると解釈できる。性的少数派のLGBTは性的マイノリティと表現され、それに対して性的多数派の異性愛者はマジョリティと表現されている。性的マイノリティと性的マジョリティはカテゴリー化されていると言える。

 

1.2 イメージについて
 イメージとは、心に思い浮かべる像や情景。ある物事についていだく全体的な感じであるが、私たちはカテゴリー化されたものをイメージしている。そのカテゴリー化には分類作業が必要である。「多くの社会心理学者は、人々を分類することは、少ない心的努力で豊富な情報を提供するもので、どれだけやめようと意図したとしても、私たちが、人々を分類することを完全に放棄することはできないと主張している。(Hoeksema,Fredrickson,Loftus&Wagenaar,2012)」私たちは、恋愛対象者を異性愛者と同性愛者にも分類している。同性愛者を男性同性愛者(ゲイ)と女性同性愛者(レズビアン)に分類し、そのカテゴリーも分類されイメージされる。伏見(2003)は書籍、「同性愛入門[ゲイ編]」でゲイの人々を紹介しているが、その中には、大学生の同性愛者、医師の同性愛者、サラリーマンの同性愛者、バー経営の同性愛者、農業を営んでいる同性愛者、イラストレーターの同性愛者、映画監督の同性愛者、漫画家の同性愛者、歯科医師の同性愛者、パフォーマーの同性愛者、など職種も多様であり、それぞれのカテゴリーのイメージは異なると言及する。私たちは、分類したグループやカテゴリーにイメージを持つことにより、少ない心的努力で情報を自身でまとめているが、異性愛者は同性愛者にどのようなイメージを描いているか考察する。

 

1.3 イメージとステレオタイプ
 私たちは、固定的な概念やイメージを共有している場合、ステレオタイプ化されることがある。ステレオタイプとは、所属する社会や集団内に浸透している、型にはまった(固定化された)物事の見方、思考、概念、観念のことである。物事に対する偏った見方の意味である「偏見」とは異なり、ステレオタイプは肯定的なものも否定的なものも含まれる。日本心理学諸学会連合心理学検定局(2016)は「ステレオタイプは、特定のカテゴリー(性、人種、職業など)に属する人々がとる行動への期待(予言)を生み出すことから、人々がその期待に添った行動をとることによって、ステレオタイプが現実のものとなることがある。これは、対人場面における自己成就的予言と考えることができる」と定義している。『心理学辞典』(2014)では、自己成就的予言を、無意識のうちに予期に適合した行動に人を向かわれ、結果として予言された状況をつくってしまうプロセスであると定義でしている。人がカテゴリーに分類している集団に対して固定的なイメージを持つとステレオタイプ化される場合がある。そのステレオタイプ化されたイメージは、自己成就的予言として無意識の内にステレオタイプイメージの行動をとるなどの影響を及ぼしている。このイメージやステレオタイプ、及び、自己成就的予言における行動は、異性愛者からみた同性愛者へのイメージにも関連があると考える。例えば、異性愛者が同性愛者のイメージを共有し、異性愛者からみた同性愛者のイメージが固定されたものがステレオタイプ化され、同性愛者はステレオタイプ化された同性愛者イメージに基づく期待に沿って行動する。このことは、イメージとステレオタイプの循環と考える。異性愛者からの同性愛者のイメージ研究は、イメージの偏りであるステレオタイプを考察する上でも重要と示唆する。

 

1.4 内集団と外集団のイメージ
 特定のカテゴリーはイメージされやすいが、私たちは、カテゴリーに属する人々を内集団と外集団に区別する傾向があり、対人評価に影響を及ぼす。例えば、異性愛者とLGBTの人を、それぞれカテゴリーに属する集団と捉えると、異性愛者が異性愛者を内集団と捉えた場合、異性愛者はLGBTを外集団と捉えてことも考えられる。その場合、異性愛者からみた異性愛者と同性愛者は、それぞれ区別される可能性があり、評価も相違する。内集団と外集団に区別した時にバイアスとして強調効果が生じることがあるが、この強調効果はイメージに対しても助長すると指摘する。内集団の人は外集団の人と接する機会が少なく、内集団の人に比べると予測できないことが多くある為に、ある一面を強調して捉えてしまう為、イメージに偏りが生ずると考える。

 

1.5 インターネットと同性愛のイメージ
 2000年以前の日本ではインターネットの利用者も少数であった。現在の日本ではインターネットの普及により、マイノリティであるとされる、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの方が、SNS、ブログなどで個人的に当事者の声として情報を発している。また、公の場でカミングアウトする人も増加傾向にあり、社会生活、恋愛、LGBT関連のイベント、日常の様子などを伝えている人もいる。このような当事者の声は、マジョリティである異性愛者が持つLGBTのイメージに影響していると考える。また、インターネットの普及は、同性同士の恋愛、同じセクシャリティの友人関係、抑圧していた性の悩み相談、様々な事柄に変化を与えた。それは、世界の同性愛者も同じである。書籍『世界LGBT事情』よりいくつか当事者の声を引用する。Frederic Martel(2016),「インターネットは世界中のゲイに革命をもたらしました。彼らの生活は文字どおり革命的な変化を遂げたんですよ。だって、もう一人ぼっちじゃなくなったんですから」「インターネットのおかげで、ゲイはおそらく歴史上はじめて自らがコントロールできる世界を築くことができた」「インターネットとSNSの絶大な影響力がわかってくる。ゲイの世界はまったく新しい次元に進んでしまったようだ」インターネットは同性愛者同士の架け橋となり、一人ではない、心の声の受信も心の声の発信もできる、アイデンティティ及びポジティブな自己イメージにも多大な変革を及ぼしている。

 

1.6 同性愛者に関する歴史とイメージ、現在の法体制とイメージ
 同性愛者(カテゴリー)のイメージは時代によって変化、流動的である。1952年にアメリカ精神医学会が発行した「精神障害の分類と診断の手引」(DSM)(第1版)において、同性愛は精神障害とみなされ、社会病質人格障害の章で「性的逸脱」とされていた。1974年に発行されたDSMの第3版以降においては、同性愛は精神疾患として治療する必要はないという方針に転換した。病気と捉えられていた同性愛は性の多様性として人々に認知されつつあり、同性愛者に対するイメージも好転していると捉える。
 現在の日本では同性婚は認められていないが、2015年には東京都渋谷区と世田谷区でパートナーシップ宣誓書の受付が開始され話題となった。世界における同性婚の状況は、「同性婚が認められている国や地域・性パートナー法が認められている国や地域」「同性婚は建前上合法だが、同性愛であることを公に表明することを禁じる法により、事実上の弾圧が行われている国や地域」「同性愛が違法となっている国(法が形骸化し、実際には罰せられない)」「同性愛が違法となっている国(逮捕・投獄され、懲役刑に処せられる可能性がある)」「同性愛が違法となっている国(国外追放や終身刑、死刑などの極刑に処せられる可能性がある)」など国により違いがある。法律で同性愛を死刑としている国の人々は、同性愛者に対して法を犯す者と捉えネガティブなイメージをもち、同性愛者の方は自身のセクシャリティーを問題と考え悩み苦しみを抱えていると示唆する。パートナーシップ条例などの同性愛に好機な制度などが整いつつある日本のような国と、同性愛を違法とする国では、同性愛のイメージが違うのは明らかであろう。今日の日本では、LGBTを個性として受け入れる体制が徐々に整いつつある。制度改革もマジョリティの同性愛者の認知に繋がっていると示唆する。同性愛は精神障害とみなされていた時代のネガティブなイメージと現在は異なり、同性愛者へのポジティブなイメージへ変革をもたらしている。

 

1.7 目的
 本研究では、LGBTの文字で使用されているL=Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、G=Gay(ゲイ、男性同性愛者)のイメージ研究が主たる目的である。

 第1の目的として、インターネットを利用した調査回答者行い、性別、年齢、恋愛対象を考察する。また、調査対象者の異性愛者、同性愛者、両性愛者の割合を明らかにする。
 第2の目的として、形容詞対で、異性愛者からみた、男性同性愛者(ゲイ)のイメージと女性同性愛者(レズビアン)のイメージを集計し、それぞれどのようなイメージがあるのかを考察する。私たちは、グループやカテゴリーをイメージすることによって、少ない心的努力で豊富な情報をまとめている。異性愛者からみた男性同性愛者(ゲイ)と女性同性愛者(レズビアン)は、どのようなイメージでグループ、カテゴリー化されているかを本研究で考察する。そのイメージは人々が共有、ステレオタイプ化、固定概念として型にはまったものになると示唆する。また、イメージの共有として、TVメディアとイメージについて考える。
 第3の目的として、異性愛者の性別(男・女)による男性同性愛者(ゲイ)のイメージの差、及び、異性愛者の性別(男・女)による女性同性愛者(レズビアン)のイメージの差を考察する。異性愛者の性別(男・女)による男性同性愛者(ゲイ)のイメージの差は、異性愛者の男性から同性の同性愛者(ゲイ)と異性の同性愛者(レズビアン)のイメージ差である。
 第4の目的として、男性の異性愛者より男性同性愛者(ゲイ)と女性同性愛者(レズビアン)のイメージの差、及び、女性の異性愛者より男性同性愛者(ゲイ)と女性同性愛者(レズビアン)のイメージの差を考察する。

 

2.方法

 

2.1 調査概要


2.1.1 調査方法
 質問紙調査法によりアンケートを行った。回答方法はWeb上で行うアンケート調査システムREAS ver16.01 (リアルタイム評価支援システム:調査票の作成、公開、リアルタイムな集計 閲覧を全てアンケートで可能)で実施した。REAS ver16.01への調査依頼は、著者の個人アカウントのTwitter、著者の個人アカウントのブログにてアンケートページへのリンクを張りアンケート参加者を集い、回答集計を行った。

 

2.1.2 調査期間
 2017年8月1日から2017年8月31日

 

2.1.3 調査回答者
  男性38名  女性53名

 

2.2 質問項目
(1)性別2択(男:女)回答必須
(2)年齢7択(19歳以下・20歳~29歳・30歳~39歳・40歳~49歳・50歳~59歳・60歳~69歳・70歳以上)回答必須
(3)恋愛対象4択(異性:同性:両性:恋愛対象なし)回答必須
(4)男性の同性愛者のイメージ25項目(1項目誤りがあり研究に使用は24択)形容詞対5段階SD法(意味微分法)回答必須

(5)女性の同性愛者のイメージ25項目(1項目誤りがあり研究に使用は24択)形容詞対5段階SD法(意味微分法)回答必須
形容詞対5段階SD法【とても(形容詞)5・やや(形容詞)4・どちらともいえない(形容詞)3・やや(形容詞)2・とても(形容詞)1】の中からの選択回答であった。
 今回の調査で使用する形容詞対は、今までわが国のSD法を使用した研究で, 「人格」、「社会」、「教育」、「芸術」、「言語」、「知覚」、「環境」、「整理」、「その他」どのような心理学の分野で利用され,そこではどのような形容詞対の尺度が用いられているか、それぞれまとめた、井上・小林(1985)が執筆「日本におけるSD法による研究分野とその形容詞対尺度構成の概要」を参考に使用頻度の高い形容詞対から、人格、社会で使用頻度が高いものから順に25項目を抜粋しイメージ調査を行った。
 男性の同性愛者(ゲイ)のイメージ25項目と女性の同性愛者(レズビアン)のイメージ25項目の形容詞対は以下であった。
「明るい―暗い」「やわらかい―かたい」「暖かい―冷たい」「積極的な―消極的な」「強い―弱い」「静かな―うるさい」「陽気な―陰気な」「美しい―醜い」「活発な―不活発な」「好きな―嫌いな」「良い―悪い」「親切な―不適切な」「楽しい―苦しい」「派手な―地味な」「頼もしい―頼りない」「まじめな―ふまじめな」「おしゃべりな―無口な」「素直な―強情な」「責任感のある―無責任な」「慎重な―軽率な」「意欲的な―無気力な」「かわいらしい―にくらしい」「勇敢な―臆病な」「思いやりのある―わがままな」「社交的な―非社交的な」

 

2.3 教示
 Web上で行うアンケート調査システムREAS ver16.01 (リアルタイム評価支援システム)には、表題、自己紹介、研究目的、質問回答方法を記述した。

 

2.4 分析方法
 まず、回答者の性別、年齢、恋愛対象を集計した。
 つぎに回答者から異性愛者のみ抜粋して、各形容詞対の評定値について平均と標準偏差を算出した。また、その平均値について、必要に応じて対応のないt検定を、対応のあるt検定を行った。統計的分析には、フリーの統計分析プログラムHAD ver16.01 を使用した。

 

3.結果

 

3.1 回答者(性別、年齢、恋愛対象)の結果
 回答者数91名中、有効回答者数は91名(男性38名、女性53名)であった。回答者の年齢は、19歳以下1名、20歳~29歳23名、30歳~39歳26名、40歳~49歳24名、50歳~59歳14名、60歳~69歳3名、70歳以上0名であった。回答者の恋愛対象は、異性愛が72名(男性30名・女性42名)、同性愛者が6名(男性5名・女性1名)、両性愛者が13名(男性3名・女性10名)、恋愛対象なしが0名であった。回答者の恋愛対象を割合にすると、異性愛者は約79%であり、LGBTに含まれる同性愛者と両性愛者を合わせると約21%であった。

 

3.2 異性愛者より男性の同性愛者(ゲイ)のイメージの結果
 異性愛者からの男性同性愛者(ゲイ)に対するイメージを明らかにするため、各形容詞の評定値について平均値と標準偏差を算出し、表1に示した。

 

形容詞対は、いずれもポジティブなイメージであるほど、評定値が高くなるようになっている。そこで評定平均値が高い形容詞対、すなわちポジティブな評定がされている形容詞対の上位3項目を挙げると「明るい⇔暗い」(3.736)、「楽しい⇔苦しい」(3.722)、「思いやりのある⇔わがままな」(3.708)であり、いずれも中点の3点を大きく上回っていた。
 一方、中点を下回る形容詞対は、「静かな⇔うるさい」(2.819)の1項目のみであり、その他、24項目中23の形容詞対の平均値は中点以上だった。すなわち異性愛者は男性の同性愛者(ゲイ)を全般的にポジティブなイメージで捉えていることが明らかになった。

3.3 異性愛者より女性の同性愛者(レズビアン)のイメージの結果
異性愛者の女性の同性愛者(レズビアン)に対するイメージを明らかにするため、各形容詞の評定値について平均値と標準偏差を算出し、表2に示した。

 

形容詞対は、いずれもポジティブなイメージであるほど、評定値が高くなるようになっている。そこで評定平均値が高い形容詞対、すなわちポジティブな評定がされている形容詞対の上位3項目を挙げると、「美しい⇔醜い」(3.625) 、「良い⇔悪い」(3.482) 、「慎重な⇔軽率な」(3.458)であり、いずれも中点の3点を大きく上回っていた。
一方、中点を下回る形容詞対は、「派手な⇔地味な」(2.847)、「おしゃべりな⇔無口な」(2.931)、「陽気な⇔陰気な」(2.986)の3項目のみであり、その他、24項目中21の形容詞対の平均値は中点以上だった。すなわち異性愛者は女性の同性愛者(レズビアン)を全般的にポジティブなイメージで捉えていることが明らかになった。

 

3.4 異性愛者の性別による男性同性愛者(ゲイ)のイメージ差の結果
 異性愛者の性別によって男性同性愛者(ゲイ)のイメージに差があるかを検証するため、各形容詞対に対する、男性の異性愛者による男性同性愛者(ゲイ)の評定値と、女性の異性愛者による男性同性愛者(ゲイ)の評定値の差を、t検定を使って検証した(表3)。
その結果、有意差が見られた形容詞対は24項目中4項目で「やわらかい⇔かたい」(t=-2.041,df=62.934,p<.05)、「美しい⇔醜い」(t=-2.205,df=52.927,p<.05)、「好きな⇔嫌いな」(t=-2.767,df=54.506,p<.05)、「楽しい⇔苦しい」(t=-2.448,df=51.965,p<.05)であった。
形容詞対は、いずれもポジティブなイメージであるほど、評定値が高くなるようになっている。有意差の見られた形容詞対の4項目は、いずれも中点の3点を大きく上回っていた。

 有意差の見られた形容詞対の4項目は、すべて異性愛者の女性の方が異性愛者の男性よりも、男性同性愛者(ゲイ)へポジティブなイメージをもっていることを示していた。

3.5 異性愛者の性別による女性同性愛者(レズビアン)のイメージ差の結果
 異性愛者の性別によって女性同性愛者(レズビアン)のイメージに差があるかを検証するため、各形容詞対に対する、男性の異性愛者による女性同性愛者(レズビアン)の評定値と、女性の異性愛者による女性同性愛者(レズビアン)の評定値の差を、t検定を使って検証した(表4)。

その結果、有意差が見られた形容詞対は24項目中1項目で「社交的な⇔非社交的な」(t=-2.091,df=67.915,p<.05)であった。
 形容詞対は、いずれもポジティブなイメージであるほど、評定値が高くなるようになっている。有意差の見られた形容詞対の1項目で、異性愛者の男性からみた女性同性愛者(レズビアン)の形容詞対の平均値は、「社交的な⇔非社交的な」(2.900)で、中点3以下であるのに対して、異性愛者の女性からみた女性同性愛者(レズビアン)の形容詞対の平均値は「社交的な⇔非社交的な」(3.310)で、中点3以上を示した。

 

3.6 男性の異性愛者より同性の同性愛者(ゲイ)のイメージと異性の同性愛者(レズビアン)のイメージの差の結果
 次に、男性の異性愛者が同性の同性愛者(ゲイ)と異性の同性愛者(レズビアン)に対して抱くイメージに違いがあるかを検証するため、各々の対象に対する各形容詞における評定値に対し、対応のあるt検定を行った(表5)。

 その結果、有意差が見られた形容詞対は24項目中10項目であり、具体的には、「明るい⇔暗い」(t=3.515,df=29,p<.05)、「積極的な⇔消極的な」(t=2.289,df=29,p<.05)、「静かな⇔うるさい」(t=-2.894,df=29,p<.05)、「陽気な⇔陰気な」(t=3.525,df=29,p<.05)、「美しい⇔醜い」(t=-3.958,df=29,p<.05)、「楽しい⇔苦しい」(t=2.068,df=29,p<.05)、「派手な⇔地味な」(t=3.971,df=29,p<.05)、「頼もしい⇔頼りない」(t=2.340,df=29,p<.05)、「おしゃべりな⇔無口な」(t=2.715,df=29,p<.05)、「社交的な⇔非社交的な」(t=2.898,df=29,p<.05)であった。
 有意差の見られた形容詞対の10項目の内、男性の異性愛者が異性の同性愛者(レズビアン)よりも同性の同性愛者(ゲイ)に対しポジティブなイメージを持っていたのは8項目(明るい、積極的な、陽気な、楽しい、派手な、頼もしい、おしゃべりな、社交的な) であった。反対に男性の異性愛者が同性の同性愛者(ゲイ)よりも異性の同性愛者(レズビアン)に対してをポジティブなイメージを持っていたのは2項目(静かな、美しい) であった。

 

3.7 女性の異性愛者より異性の同性愛者(ゲイ)のイメージと同性の同性愛者(レズビアン)のイメージの差の結果
 女性の異性愛者が同性の同性愛者(レズビアン)と異性の同性愛者(ゲイ)に対して抱くイメージに違いがあるかを検証するため、各々の対象に対する各形容詞における評定値に対し、対応のあるt検定を行った(表6)。
 その結果、有意差が見られた形容詞対は24項目中18項目であり、具体的には、「明るい⇔暗い」(t=3.689,df=41,p<.05)、「やわらかい⇔かたい」(t=3.117,df=41,p<.05)、「暖かい⇔冷たい」(t=2.817,df=41,p<.05)、「積極的な⇔消極的な」(t=2.979,df=41,p<.05)、「静かな⇔うるさい」(t=-2.500,df=41,p<.05)、「陽気な⇔陰気な」(t=5.453,df=41,p<.05)、「活発な⇔不活発な」(t=3.490,df=41,p<.05)、「好きな⇔うるさい」(t=3.767,df=41,p<.05)、「良い⇔悪い」(t=2.077,df=41,p<.05)、「楽しい⇔苦しい」(t=4.961,df=41,p<.05)、「派手な⇔地味な」(t=4.348,df=41,p<.05)、「頼もしい⇔頼りない」(t=1.000,df=41,p<.05)、「おしゃべりな⇔無口な」(t=4.974,df=41,p<.05)、「素直な⇔強情な」(t=2.993,df=41,p<.05)、「慎重な⇔軽率な」(t=-2.172,df=41,p<.05)、「意欲的な⇔無気力な」(t=2.473,df=41,p<.05)、「思いやりのある⇔わがままな」(t=2.635,df=41,p<.05)、「社交的な⇔非社交的な」(t=3.110,df=41,p<.05)であった。

 有意差の見られた形容詞対の18項目の内、女性の異性愛者が同性の同性愛者(レズビアン)よりも異性の同性愛者(ゲイ)に対しポジティブなイメージを持っていたのは16項目(明るい、やわらかい、暖かい、積極的な、陽気な、活発な、好きな、良い、楽しい、派手な、頼もしい、おしゃべりな、素直な、意欲的な、思いやりのある、社交的な) であった。反対に、女性の異性愛者が異性の同性愛者(ゲイ)よりも同性の同性愛者(レズビアン)に対してポジティブなイメージを持っていたのは2項目(静かな、慎重な) であった。

 


 

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卒業研究(後半):異性愛者の同性愛者(ゲイ・レズビアン)イメージ

へ続く

 

 

 

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