少し古いロードバイクの再生の例 | ヒト・モノ・アソビ... 人生を楽しく快適にしてくれる素敵なものたち

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物欲に委ねて、新しい機材を求めて増車していった結果、あるいは「必要」だと思って(当時は)手に入れていった結果、手元には「今は乗らなくなってしまた」バイクがただ置いてある、なんてことはないでしょうか。特に古典的な価値のある古いバイクでもなくても、取得時の購入価格を考えるとまあ簡単には処分できない、という状態でしょうか。何か不具合や不満があって「いつかその内に」ととほんど乗らなくなって年月が経ってしまっていたりすると、「いつか」はあっという間に過ぎ去り、なぜ先伸ばしにしてしまっていたかの理由も忘れてしまって何から手を付けたらよいのかも不明になり、という悪循環でますます放置年数が上積みになりかねません。そうなると取得した当時の金額が幾らであったにせよ少しでも金額が付く内に処分したほうがよいかも、というのが一般論でしょうか。いや、家族からはそう言われたりするものです。
それでも、手放してしまってしまおうと思えない「何か」の思い入れがあるのであれば、「いつか」というのは「できる限り早く」行動したほうが良いはずです。素材や規格の変化、商品の供給を考えれば、どうにもなら使えるない状態になってしまうまで粘って何もしない理由はなく、それが可能なうちに「乗れる」「使える」状態にした方が「安上がり」ですし、「手遅れ」も回避できるはずですから。

店主のこのロードバイクは、競技に使うことは無いけどより広い用途に使えるベーシックなロードバイクとして、2004年頃に組み上げたもので、日常からロングライドイベントやツーリングに広範囲に稼働していたものです。どうせならと長く使うつもりで憧れのライトスピードのラインナップの中でも最も保守的なモデルを選んで、やはり普遍的な(と当時は考えた)カンパニョーロを中心に組んだものでした。それが後年になり、ディスクロードの出現でさらに広範囲の領域をカバーするロードバイクが出来上がってしまうと実質的な出番が減り、いえ出番がなくなってしまいました。無線電動変速eTAPで太めのタイヤを装着したディスクロードで不満を感じることが無く、これを節目に徹底的に整備しようとバラしたまま「いつか」という状態で放置されてしまっていたのでした。しかし、乗らなくなったからとはいえ自身の好みや想いを持って組み上げたバイクですから手放してしまうことなど到底頭になく、上述のように「乗れない状態でただ手元に置いてあるだけ」という全く非生産的な状態になっていました。身体は一つしか、これは変えようがありませんが「乗りたくなるようなバイクが出来上がったら乗るんじゃないか?」そんな思いがあって重い?腰を上げるに至りました。実は「あまり乗らなくなった」にはディスクロードの出現以外にも理由があったのです。その一つは別のスチールロードを「Wレバー仕様」にしてみたところ思った以上に楽しく走れることが判り、どうしてもWレバー化したいという気持ちになったこと。ホイールは完組を使う気はさらさらないまでも(フロント用に)気に入ったハブが無くホイールに満足していなかったこと。フレームのカラーリングはチタン素地の上にデカールが貼ってあるものでしたが、経年でデカールがみすぼらしくヒビ割れて外観的人前で使いたくない状態だったことに加え、自店でのライトスピードの取り扱いを終了してしまったために販売に影響しないブランドを乗ることも控えるような気持ちがあったこと、です。フロントハブはDT SWISS製のハブは大径のベアリングを採用していて耐久性、御云うシンプルな転がり生が良さそうでしたが黒しかありません。そこで表面の塗装?を全て剥がしてポリッシュ仕上げにすることで機能と外観を満たすものになりました。フレームの外観は、幸いなことに純正デカールの持ち合わせがあったため、フレームを塗装して再仕上することにしました。取り扱いが無いことについては現時点ではそうであっても当時自身が憧れて、そしてお勧めしていたことは事実ですからそれを否定するようなことは却って裏切り行為ではないかと考え、そして「乗りたいものを乗る」というシンプルな衝動に素直に行動することにしました。そして残る「Wレバー化」ですが、カンパニョーロを10速のダブルレバーで操作するための部材は密かに?したためていたものの、一番の問題はフレームダウンチューブに「Wレバー用の台座」が必要なことです。ここは諦めるしかないか、とあれこれ思いながら懇意にしているビルダー氏に無理を承知でお願いを乞うてみたところ「部品があったらできるで」との回答。何とかカントカしてチタン製のシフト台座を入手して指定の位置に取り付けていただいたという次第。元にフレームにあったシフトアウター受けは切除。できあがったフレームを少し磨いて塗装。2001年のカタログモデルの「パールホワイト」への憧れもあり、アイボリー以上純白未満、の「牛乳色」をて調色して腕の良い方に塗って仕上げていただきました。それとWレバー化に伴ってノーマルブレーキレバーが必要でしたが、カンパニョーロの場合はこれがカンタンで通常のエルゴレバーから変速機構を取り除くだけでこれが実現できますのでアルミレバーの「VELOCE」を準備して解決。

準備が揃ってしまえば「なぜこれが何年も実行されずに放ってあったのか」というほどで、ホイールを組んで、各パーツを分解整備してフレームに組みつけていけば完成。あっけなく出来上がってしまいました。

あっけなく、とはいえフレームにしても構成部品にしても「理想」を全てつぎ込んだ仕様といってよく、すでに最新=最上ではないアタマにとっては「これこそ」というロードバイクの完成です。2001年のカタログで見て憧れたものの実物が、さらに願っていたWレバー仕様で、そして思っていた通りの「牛乳色」で現実の形になってできあがった、というわけです。「棄てられない想い」を諦めずに良かったです。


今回は店主の「私物バイク」のケースについてにお話でしたが、同様に「いつかは」というようなケースを抱えてる方もいるのではないでしょうか。乗って使うのが一番でなのはもちろんです。もう乗ることはないのであれば、見合わない金額だとしても手放してしまう方法もあるでしょう。しかし、「乗らずにいつまでもおいているだけ」の状態は全く何も産まない一番の「もったいない」ことだと思います。それでも「いつか」復帰できればよいですが、時間とともにかかる費用も含めて困難さが増し、最悪どうにもならない時がくることだってあります。その状態で売って手放そうにもさらに金銭的な価値は無くなっている事でしょう。「想い」があるのであればぜひ行動に移すことを強くお勧めします!「レストア」というとオリジナルの状態にまで完璧に復元すべきのような、お金もかかりそうな敷居の高さを感じますが、最小限の「動く」状態から、ご自身の納得いくレベルまでの好きなところまでを手を入れる、でも構わないはずです。「ここは自分でやりたいから、ココだけお願いしますね」という部分的なご依頼でも歓迎です。部品の手配が困難なケースや代替え案が必要なケースまで何なりとお気軽にお問合せいただければ可能な限りの協力はさせていただきたいと思います。


frame: Litespeed Classic 
fork: Time millenium stiff +  →Easton EC90へ変更済み
ftont hub: DT SWISS 350
rear hub: Campagnolo RECORD 
sporkes: DT SWISS Competition
rims: Mavic CXP33
crank: Stronglite 130PCD 165mm 
chainrings: Stronglite 52x38T
cassete sprockets: Campagnolo CHORUS 13-26T 10S
front derailleur: Campagnolo CENTAUR
rear derailleur: Campagnolo CENTAUR
chain: Campagnolo REDORD
front brake: Campagnolo CHORUS
rear brake: Campagnolo CHORUS
brake levers: Campagnolo VELOCE
handlle bar: ITM the bar 410mm 
handlle stem: ITM millenium 100mm 
head bearing: Tange Technoglide stainless→CANECREEK 110 SILへ変更
seat post: Campagnolo CHORUS(Titanium)
saddle: SellaItalia Flite TLD
tire: cntinental Classic 700x25C
pedals: Time ATAC