23日午後には、社頭にて上棟祭を行いました。
昔は建築に際して、地鎮祭→上棟祭→竣工祭、と三回の神事を行うことが
一般に多くありましたが、今では地鎮祭のみのところが大半です。
しかしこのたびの施主さまは、棟上げに際して棟札(むなふだ)を御希望になりましたので
お授けするにあたり、岡崎神社の社頭にて、上棟祭を執り行うことに致しました。
棟札は、柱が建ち、棟木を上げる段階まで工事が到達したとき、
建築の記念・記録として、建物内部の、棟木・梁など高い場所に取り付けます。
建物全体が完成してしまうと、室内から見える場所ではなくなりますので、
いつの日か大規模な改築が行われるとか、
遠い将来に建物の御役目が終わって取り壊されるときが来るまで、
棟札を目にすることは、我々にはありません。
ですので、これまでの人生で(!)棟札なるものを一度も見たことがない、
と仰る方も多いことと思います。
様々な形式があり、「こうでなければならない」というものではありませんが、
神社でお授けするものは、以下のようなかたちが多いと思います。
上棟祭の御祭神は、建物の神さまである屋船久久能知神(やふねくくのちのかみ)と
屋船豊受姫神(やふねとようけひめのかみ)、
さらに工事の守神さまである手置帆負神(たおきほおいのかみ)と
彦狭知神(ひこさしりのかみ)、の四柱の神さまを主神としてお祀りいたします。
個人情報に関する箇所を上の写真では消しておりますが、
建物の名称や、施主さま・施工業者さまの御名前を書き入れ、
上棟祭の日にちと、祭主となった神社名を記録します。
多くの建築物で、地中深くには地鎮祭のときの「鎮め物」が埋まっており、
棟木の高いところには「棟札」が掲げられています。
建物に普通に居住されている間には、人目に触れることはありませんが、
考えてみると不思議な、そして厳粛な気持ちになりますね。