戸部田誠『芸能界誕生』新潮社 | ある人の野球観戦記

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アマチュア野球観戦を主に取り上げている、雑記文です。

 日本の芸能界はどのようにしてスタートしたのかを、ライターの戸部田誠が数人のインタビューと資料を検証して、現在の芸能プロダクションの成り立ちを邦楽の流行り廃りを軸に、日劇ウエスタンカーニバルの始まりと終わりを始まりと終わりにして著している大作だ。

 戦後の音楽を主体とする芸能は、米軍占領下でのスタートになっていて、ジャズから細分化とともにウエスタン・カーニバルで大いに人気をあげていき、ナベプロが力をもって様々な芸能事務所が誕生している。その中からホリプロや田邊エージェンシー、割と後発だったのがアミューズ等今も活動している芸能事務所のルーツや裏話が語られていて興味深い。

 調べて書いたという文章ではなく、臨場感あふれすらすらと300ページ余りを読ませていくのは、群像劇として読者を魅了したからだろう。