すべてのはじまりは ぼくのささいな一言だった
「あのアイス・・また食べたいなぁ・・」
1月のある日 ぼくは少し大きな一匹言をぽつり
スーシェフはぼくを見てかるく首をかしげた
去年の夏・・アイスを食べたがったぼくに一度だけ
スーシェフが作ってくれたアイスクリームをずっと忘れられずにいたのだった
しばらく遠くを見つめているスーシェフ
ぼくの願いは届いたのかな・・・
翌日 スーシェフは動いた
あま~い とちおとめいちごと
ちょっと酸っぱい フランボワーズのちっちゃなピンク色のムースは
バニラのやさしい甘さの白いムースにかくれんぼ
四角いタルトとヨーグルトソースで仕上げをしたら
「いちごのシブースト」
アイスクリームのイメージの新作ケーキの完成!
ぼくは席にお行儀よく座り フォークを片手に持つ
「いちごのシブースト」 ののったお皿は
スーシェフの笑顔とともにテーブルに近づいてくる・・・