あお | くま店長のレモンクッキーのかけら


くま店長のレモンクッキーのかけら

くま店長のレモンクッキーのかけら
「ガガガガ・・キィ・・ゴゴゴ・・」


すきまから さしこむ光の量が徐々に増えていく

まぶしいっ  

シャッターの開いたお店の窓にはきれいな青空

まだ ねむたい目を丸い手でこすりながらぼくの席までゆらゆら歩く・・

するとシェフがぼくのかたをポンポンとやさしくたたく

「今日も頼んだよ」

言葉なき男同士の会話


工場には 色とりどりの紙がはためいている

今日もバースデーケーキの注文がたくさんはいっているなぁ

ぼくも笑顔の体操はじめなくっちゃっっ


うちのシェフたちはマジパン嫌い(笑)

だから ケーキの味をそこねずに かわいいケーキを作りたくって

生クリームで動物をしぼることを発案したんだ~~


しかも 「特別な時のケーキだからこそ」 と作りおきはしない!

当日来た人にも 時間をもらって出来たてを作るんだ~

いわゆるがんこな職人ってやつだねっ

でもぼくはそんなシェフたちを嫌いじゃないんだーー

ふだんは恥ずかしくって言わないけどね~

くふふっ


朝一番の予約のケーキがはこばれてきたー

「今日も一日がんばるぞー」

恥ずかしさで染まるまるい耳をかくすように1匹言を言い

たふたふと 小走りした