
勝った瞬間が一番好き
かつての天才少女はそう答える
森田あゆみ 29歳
日本トップジュニアから全日本優勝
15歳で世界スーパージュニア選手権
シングルス準優勝 ダブルス優勝
しなやかに
全身のパワーを使って放つストローク
威力はワールドクラス
世界を相手に強打で勝負できる
日本女子が登場したと注目を集めた
17歳でウィンブルドン予選突破
18歳で世界ランキング100位入り
2011年には
ランキング40位までかけ上がった
すべてが順調なサクセスストーリーだと
誰もが思っていた
しかし10年におよぶ
激戦のプロキャリアは
彼女の身体に影を落としていた
2014年腰の痛みが悪化
戦線を離れリハビリ専念を決意
一度はカムバックするも
痛めていた右手も悪化し手術
再びテニス界より姿を消す
かつての腰痛も悪化
患部に金属プレートを入れる
ラケットを再び握るまでに
4年と言う歳月が過ぎる
その間もなじまないプレートの除去手術
薬指の脱臼、リハビリ
数え切れないほどの
苦しみ、焦り、不安との戦い
「それでもテニスが・・
だからまあ好きなんです」
何が彼女をそこまで突き動かすのか
「テニスで勝った瞬間が一番好き」
それが答え
それ以上のものはない
「勝った時の喜びがあれば
それまでのつらいことも全て忘れられる」
2019年9月
あゆみは帰ってきた
ITF の下部大会でベスト4進出
一度消失したランキングは今800位台
「可能な限り試合に出たい。
来年中にはグランドスラムの予選に
出ることが目標」
あゆみのゴールは
あゆみの笑顔の中にある
きっと最高の笑顔だろう