2、3回出たところで、
店長に聞かれた。
「牡蛎、好き?」
「はい!大好きです!酢牡蛎とか」
いや、まさか、歓迎会?
それとも、牡蛎養殖屋さんで安く食べれるとか?
めでたいぞ、ワタシー(笑)
「あ、ここでバイトしてる限り、絶対食べないでね。生なんてもってのほかだから」
そう
その前の年は、ノロウイルスが猛威を振るったんでした。
そんな悲しい思い出(笑)のバイトをやめて、3年くらいになるのかな?
ええかげん、食べてもいいでしょう(笑)
スーパーで、夕方、捨て値で売られてる「生食用」を買うてみた。
死んだ父は、呑んべぇで、母は、ご飯前に、つまみを作る。
子どもたちは、小腹がすいてるので、「お父さんのひざ」を取り合いながら、
おつまみを、横からつまむ(笑)
だからか、私は、
牡蛎は、酢にして食べることしか知らなかった。
少し大きくなって、土手鍋を知って、だいぶ大きくなってから、カキフライを食べた。
……生がいい…。
父のおつまみの牡蛎は、母の作る酢の物。
子どもたちは、
貝柱だけをたべて、逃げていく。
そんな子どもたちを見て、
怒りもせず、ニコニコと、
貝柱のない酢牡蛎を口に、
チビリチビリと酒を呑む。
辛口の酒が好きなのは、きっと、そんな父の影響だったろう。
ま、最近はお酒は飲まないのだけど、
今夜、酢牡蛎を作ろう。
死んだ母はほんとに料理上手で。
お母さんみたいに、上手に作れるかな…酢の物はどうも、うまく行かない。
冬は、美味しくて
優しい思い出が、たくさんあるよ。