※【病気解説一覧】のリンクを記事に最後に貼ってあります。様々な病気や検査について語っておりますので、普段から気になってるものを探していただければ幸いです。



皆さん、炎症って聞いたことありますよね。


医者がパソコンを見せながら採血結果を説明する時。


「まあ炎症はありませんから、今すぐ入院とか、そういう緊急性がある状態ではないですね」


とかなんとか言うヤツです。


そもそも炎症ってなんでしょう。


【炎症とは何か】

※出典:第一三共ヘルスケア


・細菌やウイルスの感染・物理的損傷・やけど・化学的刺激・自己免疫性疾患に対して、免疫細胞(白血球を含む)を呼び寄せ、サイトカインを分泌し、組織の修復再生を促す防御反応......です。


・ま、簡単に言うと戦争ですよ戦争。敵が攻めてきたから兵隊を出すっていう。


【炎症には急性と慢性がある】

・そんでもって炎症には急性慢性があります。

①急性の炎症

・主に感染でしょうね。上気道炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎、細菌性腸炎、胆嚢炎、虫垂炎、憩室炎、膀胱炎、腎盂腎炎、蜂窩織炎などなど。

・病名の最後に「炎」ってついてるんで分かりやすいですね。

・逆に言えば採血で全く炎症がなければ上記全ての急性炎症が否定されると言ってもいいでしょう。少なくとも採血をとった時点では「ない」と言える訳です。

②慢性炎症

・リウマチなどの膠原病、消化器疾患で言えば潰瘍性大腸炎やクローン病、いわゆる自己免疫性疾患です。或いは糖尿病もそうです。

・ただし、急性の炎症と違って採血で炎症を表す全ての項目が正常でもこれら慢性炎症が否定されることはありません。それくらい慢性炎症は軽微です。

・特に癌や糖尿病で、採血で炎症が認められるケースは稀です。

・一方、リウマチなどの膠原病や潰瘍性大腸炎やクローン病では採血で炎症が認められるケースはあります。


いやぁ幅広いですよねぇ。


でも、採血でその炎症の強さを見る項目はそんなに多くありません。


白血球(WBC)白血球像血小板CRP

せいぜいこんなもんです。ああ、アルブミンもみますかね。


では1つ1つ説明させていただきます。


【白血球(WBC)】

、その瞬間に戦場に出てる兵士の数です。

好中球リンパ球、好酸球、好塩基球、単球などの種類があります。白血球が上がってる時はこれらのいずれかが上がってる訳です。

・正常:4000-8000。

・軽度上昇:8000-10000。

・中等度上昇:10000-15000。

・高度上昇:15000以上。

白血球が上がってるのにCRPが正常の場合は、今炎症が起きたばかりの状態を表します。


【白血球像】

※出典:大阪大学医学部附属病院


①好中球(Neut)

主に細菌と戦う兵隊さんです。

・正常:60%前後。

・軽度-中等度上昇:70-80%。

・高度上昇:80%以上。

好中球が上昇すれば必ずリンパ球が減少します。

白血球が正常でも好中球が上昇している時は、やっぱり炎症が始まったばかりで、これからもっと炎症がひどくなるかもしれないと注意が必要でしょう。CRPが正常なら特にね。


②リンパ球(Lymph)

ウイルスと戦う兵隊さんです。

・正常:18-50%。

リンパ球が上昇すれば必ず好中球が減少します。

・またリンパ球が正常でも異型リンパ球が出現した時は間違いなくウイルス感染です。


③好酸球(Eosino)

アレルギーで上昇します。

・正常:7%以下。

・軽度上昇:7-10%。

・中等度上昇:10-20%。

・高度上昇:20%以上。

・高い時はアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、好酸球性胃腸炎などを疑いましょう。


【CRP(C反応性蛋白)】

・戦場に倒れてる兵隊の死骸です。遅れて上がってくるため1-2日前の炎症を表します。

・正常:0.3以下。

・軽度上昇:0.4-5。

・中等度上昇:5-10。

・高度上昇:10以上。

・風邪で1-2、酷い肺炎で10以上。

CRPが上昇しているのに白血球や好中球が正常の場合は、1-2日前は炎症があったけれども既に戦争は終わっている=炎症はなくなってる状態を表します。


【血小板】

・血を止める成分ですが、慢性炎症の時に上昇します。30万以上あったらおかしいと思って下さい。

・背景に膠原病や潰瘍性大腸炎やクローン病等がないかチェックしましょう。


【アルブミン】

身体の栄養状態を表します。

慢性炎症で消費されます。

・正常:4以上。

・軽度低下:3.5-4。

・中等度低下:3-3.5。

・著明低下:3以下。

・下がっていたら癌や膠原病や潰瘍性大腸炎やクローン病等の存在を疑いましょう。


それでは具体的な症例で考えてみましょう。


【症例①】

・白血球18000(著明上昇)

・好中球92%(著明上昇)

・リンパ球10%(低下)

・CRP0.7(ごくごく軽度上昇)

●まだ始まったばかりの細菌感染です。これからどんどん酷くなることが示唆されます。


【症例②】

・白血球6300(正常)

・好中球65%(正常)

・リンパ球30%(正常)

・CRP3.2(軽度上昇)

●もう治っている炎症です。安心出来る状況です。


【症例③】

・白血球12000(上昇)

・好中球35%(低下)

・リンパ球70%(上昇)

・CRP6.5(中等度上昇)

●ウイルス感染です。現在がピークかもしれません。


【症例④】

・白血球9500(軽度上昇)

・好中球72%(軽度上昇)

・リンパ球25%(ごく軽度低下)

・CRP4.8(軽度から中等度上昇)

・血小板46万(上昇)

●慢性炎症です。軽い炎症が少なくとも1ヶ月以上前からあった筈です。


【症例⑤】

・白血球5900(正常)

・好中球58%(正常)

・リンパ球54%(ごく軽度上昇)

・CRP3.5(軽度上昇)

・異型リンパ球出現。

●ほぼ治ってますがウイルス感染だった可能性が非常に高いです。典型的にはEVウイルスの除外が必要ですが他のウイルス感染でも普通にあり得ます。


【症例⑥】

・白血球4000(正常)

・好中球61%(正常)

・リンパ球30%(正常)

・CRP0.1(正常)

●現時点で炎症は認められません。上気道炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎、細菌性腸炎、胆嚢炎、虫垂炎、憩室炎、膀胱炎、腎盂腎炎、蜂窩織炎など、そしてその他の全ての急性炎症を起こす疾患が否定的となります。慢性炎症の否定にはなりません。



どうでしょうか。今回は以上です。少しでも医者からもらった採血結果を見ていただけると幸いです。


それではみなさん、お疲れ様です。



他の病気解説一覧はこちら。


いつでもCTその日に説明。発熱外来。同日胃カメラ大腸カメラ。生活習慣病外来。各種ワクチン各種健診。あなたのニーズにお応えします。