※【病気解説一覧】のリンクを記事に最後に貼ってあります。様々な病気や検査について語っておりますので、普段から気になってるものを探していただければ幸いです。


1月に入って処方することが増えましたねー。

「鼻水とくしゃみが始まりました。今年も下さい」

「そろそろ花粉症が来そうです。内服だけもらっといていいですか?」

「フルセット欲しいです。内服と点眼と点鼻、全部下さい」

花粉症が始まったんですねー。

正直、効かない人には効かないんですが、一般的に使われる薬を中心に解説して参ります。

【花粉症とは】

※出典:カンゴルー


・そもそも花粉症は花粉に対するアレルギーです。
一定以上の蓄積を超えると発病するってのは正しいんです。鼻の粘膜、目の粘膜に花粉がくっつき続けることはや数年。抗体が少しずつ溜まり、ある日突然くしゃみ鼻水がとまらなくなってしまうんですねぇ。
・風邪との鑑別が難しいこともよくあります。風邪は1-2週間で症状が治まるんで、それ以上続く場合はアレルギー=花粉症を考えます。また鼻水や喀痰が黄色いのは細菌感染なのでアレルギー=花粉症ではないでしょう。

続いて原因と時期について触れましょう。
もうね、これ見るといやになっちゃいますよ。

【花粉症の原因と時期】
・1-4月:ハンノキ。

※出典:北信州の道草図鑑


・2-4月:スギ。
・3-4月:ヒノキ。

※出典:ざっそう屋


・8-9月:ブタクサ。

※出典:和歌山田舎日記


・9-10月:ヨモギ、カナムグラ。写真は後者。

※出典:日光植物園


みんな何処かで見たような植物ばかり。いつでも何処でも花粉症になるって話ですね。ヤダヤダ。

【花粉症の診断】

※出典:アレルギーポータル


・正確に診断したいなら、他のアレルギーと同じく採血抗体をみます。植物によってどの季節に気をつければいいのかは異なるので有意義ではあるでしょう。
・でも結局治療は同じなんで、症状と季節で診断して処方しちゃいますよね。

【内服薬】
①第二世代抗ヒスタミン薬
・第一世代は眠気が強いんでやめときましょう。
・次の通りたくさんありますが、まあそんなに強さは変わりません。自分に合うものを見つけましょう。
・アレジオン(エピナスチン)20mg分1就寝前
・ジルテック(セチリジン)20mg分1就寝前
・ザイザル(レボセチリジン)10mg分1就寝前
・クラリチン(ロラタジン)10mg分1就寝前
・デザレックス(デスロラタジン)5mg分1就寝前
・ルパフィン(ルパタジン)20mg分1就寝前
・エバステル(エバスチン)10mg分1就寝前
・ビラノア(ビラスチン)20mg分1空腹時
・タリオン(ベポタスチン)20mg分2朝夕
・アレグラ(フェキソフェナジン)120mg分2朝夕
・アレロック(オロパタジン)10mg分2朝夕

いっぱいあり過ぎて困っちゃいますよね。色々試すうちにシーズンが終わっちゃいそうですが、効かないなぁと思ったら変えてもらいましょう。たまに相性バッチリの薬に出会える患者さんもいますよ。

あと、確かに症状が本格的になる前にアレルギー剤を内服するのは意義があります。免疫が暴走する前の早めの対処は有効です。

②第二世代抗ヒスタミン薬・血管収縮薬配合剤
・上記のアレグラ(フェキソフェナジン)に血管収縮薬をくっつけたものです。鼻水が酷すぎる場合に使います。これと他の第二世代抗ヒスタミン薬は併用しません。
・例:ディレグラ4錠分2朝夕空腹時

③抗ロイコトリエン薬
・抗ヒスタミン薬よりは弱いですが違う機序なので併用可能です。次のいずれかを使います。
・オノン(プランルカスト)4cp分2朝夕
・シングレア(モンテルカスト)10mg分1就寝前
・キプレス(モンテルカスト)10mg分1就寝前

④ステロイド
・内服のステロイドはクリニックで出来る花粉症治療の最終兵器です。ただ使用は慎重に判断されなくてはなりません。
・理由は副作用と効果を天秤にかけるとリスクの方が上回るからです。顔が丸くなる骨粗鬆症十二指腸潰瘍副腎不全糖尿病になりやくなる、感染しやすくなるなどの副作用です。
気管支喘息とか蕁麻疹はそのままだと命に関わるので内服ステロイドを使用します。喘息は窒息、蕁麻疹はアナフィラキシーショックですね。副作用が出ても命を落とすよりはマシってことです。使う場合もなるべく短期間で減らして中止します。花粉症は確かに辛いですが命を落とす疾患ではないんです...。
・そんな訳で、花粉症に対する内服ステロイドは上記の治療法が全く効かない患者さんのみに、慎重に投与することになります。
・例:セレスタミン3錠分3毎食後

【ステロイド注射(ケナコルト等)】
・一時期流行りましたよねぇ。でもこれは内服のステロイド以上に慎重に使用を判断しなくてはなりません。そもそも花粉症のガイドラインではオススメされてないんです。※内服ステロイドは治療法として掲載されてます。
・内服ステロイドと違って打ってしまったら後戻り出来ませんからねぇ。例えばケナコルト40mg筋注は「2-3週間プレドニン15-20mg内服」と同等の効果であり、副作用が出たから中止という訳にいかないのが問題なんです。1回の注射で長く効くんだから当然ですよね。
「副作用の覚悟は出来ている。重篤な副作用が起きても誰のせいにもせず全て自分で責任を負う。花粉症で生きていくのが辛いんだからさっさと打ってくれ」と仰る方には、同意を得た上で投与することも選択肢となります。ただ糖尿病の方は残念ながら無理でしょうねぇ。あと打った後皮膚が陥没することもあるんでそこも要注意です。
・例:ケナコルト40mg筋注。

【点鼻と点眼】
・点眼点鼻はステロイドOKです。局所投与なんで副作用が軽微だからです。上記の第二世代抗ヒスタミン薬等と併用して使います。
・ただ点眼ステロイドの長期使用は控えた方がいいです。目は感染するとマジで失明しちゃうんで...。
・例:フルナーゼ点鼻薬、アレジオン点眼液、フルオロメトロン点眼液(頓服)。

【アレルゲン免疫療法】
・ちょっとずつスギ花粉に慣らしていく方法です。ダニのアレルゲン免疫療法もあります。
皮下免疫療法と舌下免疫療法があります。ちょっとずつ注射するか、ちょっとずつ錠剤を舌の下に置いておくかです。
・当たり前ですがアナフィラキシーショックのリスクがあるんで専門医じゃないと出来ません。クリニックじゃ無理です。

【生物学的製剤】
重症の方に使います。
・慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病等の自己免疫性疾患に対する生物学的製剤と同じです。
・だから値段も高いし副作用も起きると大変でアナフィラキシーショックが怖いですね。それでもステロイドの長期投与よりはマシですな。
・やっぱり専門医じゃないと出来ません。クリニックじゃ無理です。
・例:ゾレア75-600mg皮下注射。


今回は以上です。是非参考にして下さい。
それでは皆さん、お疲れ様です。

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