※【病気解説一覧】のリンクを記事に最後に貼ってあります。様々な病気や検査について語っておりますので、普段から気になってるものを探していただければ幸いです。



今回はヘリコバクターピロリ菌の話です。

これも病院さんや会社さんの健診の一部に含まれてますよね。

ABC検診とかヘリコバクターピロリ抗体単体でチェックされることが多いでしょうか。採血だけでできますからね。


※出典:日本アイビーエム健康保険組合


ABC検診は上図の通り、一度でもピロリ菌に感染していれば出てくる血中のヘリコバクターピロリ抗体と、胃粘膜の萎縮の有無を見る血中ペプシノゲンを組み合わせて行うリスクチェックです。

B,C,Dの人は胃カメラしましょうってことです。

このように、ヘリコバクターピロリ菌についてはそんなに複雑な話でもありませんので、今回は短めにしようと思います。



それではさっそくFAQ方式で簡潔に参りましょう。


Q.ピロリ菌って何?

A.胃の粘膜に住んでます。自分の周りをアルカリ性にして胃酸から身を守ってる、逞しくも嫌な菌です。形もなんか気持ち悪いです。

※出典:オリンパス。


Q.どうやって感染するの?

A.飲み水や食べ物から感染します。口と口でも感染します。

※免疫力の低い幼少期に感染します。大人は免疫力が上がるんで感染しにくいようです。

※60歳以上で60%と感染率が高いのは、幼少期の上下水道設備がまだ不衛生だったからです。


Q.感染すると症状は出るの?

A.基本的に症状は出ませんが、初期感染では心窩部痛が生じることもあります。

※その場合は鳥肌胃炎を呈します。


※出典:ガストロペディア、医学書院。


ちなみに時間が経つとこうなります。

白いところがピロリ菌感染後粘膜です。


Q.何故ピロリ菌が胃にいるとよくないの?

A.胃潰瘍十二指腸潰瘍、ピロリ菌に関連する胃癌、ピロリ菌に関連する悪性リンパ腫のリスクになるからです。

※もちろんピロリ菌に関連しない胃癌と悪性リンパ腫もあります。


Q.ピロリ菌がいるかどうか調べる方法は?

A.息を吐いて袋に溜める尿素呼気テスト、採血でチェックするヘリコバクターピロリ抗体便中抗原、胃カメラで生検して行うウレアーゼ、胃カメラで生検などがあります。

※1つの方法で分かりづらい場合は複数の方法で判断します。

※ヘリコバクターピロリ抗体のみだと自己負担になることがあります。

※典型的な例では胃カメラで分かることもあります。上記の鳥肌胃炎以外では胃体部の点状発赤が特徴的です。


Q.除菌するといいことあるの?

A.胃潰瘍、十二指腸潰瘍がほぼ再発しなくなります。胃癌の発生を1/3にします。ピロリ菌に関連するリンパ腫は60-80%治癒します。胃過形性ポリープは縮小したり消失したりします。


Q.除菌の方法は?

A.抗生剤2種類と制酸剤1種類を1週間内服します。

※出典:武田メディカルサイト。


Q.除菌の成功率は?

A.90%です。

※以前は7-8割でしたが上図のタケキャブ(制酸剤)登場でかなり成功率がよくなりました。これはタケキャブの胃酸を抑える力が強力だからです。

※つまり胃酸を抑えることで成功率は上昇するんで内服期間中の飲酒や辛いものは避けましょう。特に飲酒は2次除菌で使用されるフラジールとの相性も良くありません。


Q.除菌の副作用は?

A. アレルギー(蕁麻疹・痒くなる・嘔気)、下痢味覚障害(口の中が苦い)です。

※全て抗生剤によるところが大きいです。

アレルギーが出たらすぐに中止して抗アレルギー薬をもらいにいきましょう。
※また出血や腹痛を伴うなどのひどい下痢もすぐに外来を再受診しましょう。アレルギー症状薬剤性腸炎の可能性があります。
※軽い下痢なら様子を見ても良いです。一緒に整腸剤を処方してくれる医者もいます。

Q.除菌に失敗したらどうするの?

A.抗生剤を変えて2次除菌を行います。ここまでが保険適用です。これに失敗したら自己負担の3次除菌もあります。

※2次除菌まではよく行われます。3次除菌を行うかどうかはよく医者と相談しましょう。


Q.再発はするの?

A.残念ながら2-3%すると言われています。


Q.除菌できたらもう胃カメラは受けなくてもいいの?

A.残念ながらピロリとは関係ない胃癌がありますので、結局年1回の胃カメラは受けた方が良いです。


Q.除菌した後から胸焼けがひどいんだけど。

A.たまにそういうことも起きます。ピロリ菌が抑えていた胃酸分泌が元に戻ったからです。そのうち症状はなくなりますが、ひどい場合は制酸剤を処方してもらいましょう。



以上です。

皆さん、お疲れ様です。



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