※【病気解説一覧】のリンクを記事に最後に貼ってあります。様々な病気や検査について語っておりますので、普段から気になってるものを探していただければ幸いです。



当院は発熱外来をやってます。


その関係で、熱、咽頭痛、咳、痰などがある方にはインターホンで来院を知らせてもらい、外で待機してもらっています。


昔は誰でも院内に入ってきてもらってたんですが、ご存知の通り2020年から状況が一変しました。


インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の可能性がある患者さんと、それ以外の患者さんが同じ空間に一緒って訳にはいかないんで、やむを得ずそういう対応をさせていただいてるんです。


確かに、インフルエンザやコロナのワクチンを打ちにきた患者さんがインフルエンザやコロナに感染してたなんて、笑えない話が普通にあるのが今の時代なんですよねー。



さて。では何故今更「風邪」の話をするかというと、皆さん判断に迷うと思うんですよね。つまり、「どんな症状なら病院やクリニックに行くべきなのか」を。


普通の風邪なら、市販薬のんで、温かい格好にして、お粥とか食べて、十分な水分摂取しながら過ごしますでしょ。


風邪と「インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症」の線引きは何処かを判断するには、普通の風邪症状を知っておくべきだと思う訳です。



それでは参りましょう。


風邪の原因は?】

・80-90%がウイルスによる呼吸器感染症です。残り10-20%は細菌です。

・ライノウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、RSウイルス、コロナウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどが原因です。特にライノウイルスが多い(30-50%)です。

※ここでのコロナウイルスと新型コロナウイルスは親戚みたいな関係ですが、厳密には違うウイルスです。

※出典:コーワ

・ただどのウイルスが原因かを調べることに意味はありません。ウイルスの種類は200以上ありますし、どのウイルスが原因でも症状と治療は基本的に同じだからです。

例外は新型コロナウイルスとインフルエンザです。この2つは重症化しますし、それを抑える薬があるからです。


【風邪はどうやってうつる?】

・鼻水の中のウイルスを自分の手で触って、それを誰かにつけてうつります。もちろんクシャミや咳で飛散したウイルスを誰かにくっつけることでも。

・ひきはじめの感染力が強いです。

・最初に鼻や咽頭(のど)に感染します。続いて気管支に感染します。


【風邪の症状は?】

・感染後1-3日で症状が現れます。

最初に鼻と咽喉に感染するんで、鼻水、のどの痛み、いがらっぽさが現れます。これを上気道炎と言います。

・その後下に降りていくんで咳、痰が出ます。これを気管支炎と言います。

・ちなみに熱は微熱程度で38℃を超えることは稀です。

のど症状や鼻水は7日程度ですが、咳と痰は2-3週間続くことがあります。先に感染した方が治りやすいのと、気管支は炎症でただれるとしばらく過敏になるからです。

※第一三共ヘルスケア


混合感染】

・これがけっこう多いんですよ。

・上記の通りにウイルスが鼻や咽喉や気管支の粘膜に感染して炎症を起こすと、線毛が剥がれ落ちてしまい、今度は細菌に感染してしまいます。

・すると鼻水や痰の色が黄色とか緑になったりします。これこそ細菌感染が併発してきた証拠です。ただこの時期まで来たら治りかけてることも多いです。体が戦ってウイルスや細菌をやっつけてくれたからです。皆さん、経験ありません?


【薬】

細菌感染の証拠、黄色や緑の鼻水、痰があれば抗生剤です。具体的にはフロモックス、ジスロマック、クラビット、アベロックスとかが使われるでしょうか。

・まあ、放っといても治ることが多いんですけど、肺気腫とか喘息とか癌がある人とかは内服しておいた方がいいですよね。理由は下の【風邪をこじらせるとは?】の通りです。

・ご存知の通りウイルスに抗生剤は効きませんので細菌感染の根拠がなければ処方しません。

・他は全部症状を抑える薬であって治す薬ではありません。

・のどの痛みや微熱にはカロナール(アセトアミノフェン)ですね。これはまあ効く印象があります。

・咳止めとしてメジコン、コルドリン、アスベリン、麦門冬、フスコデ......たくさんありますが、効くか効かないかはあなた次第.......。

・痰切りのムコソルバン、ムコダインは鼻水もサラサラにするとされてますが......効くか効かないかはあなた次第......。

・また炎症は治ってても咳とか痰が続く時は、気管支が過敏になっているんで、喘息に使う吸入薬を使ってもいいかもしれません。アドエア250とかですね。これも効果は微妙ですけれども。


【風邪をこじらせるとは?】

・肺気腫とか喘息とか癌の人とか、免疫力が落ちてる人は要注意です。

中耳炎副鼻腔炎を併発することもありますし、何より混合感染から肺炎になっちゃうことがあるんですね。

・そういう訳で、高齢者とか癌の人とか肺気腫の人とか喘息の人には、あんまりよくないんですが、細菌感染の根拠がなくとも抗生剤を処方することもあります。


【受診した方が良い風邪症状】

以上より、以下の症状の時はクリニックを受診しましょう。

38℃以上の発熱。新型コロナやインフルエンザや扁桃炎の可能性があります。

緑の鼻水と痰。細菌感染の可能性があります。抗生剤は薬局では売ってません

呼吸が苦しい方。肺炎になってたり、感染をきっかけに喘息が悪くなってる可能性があります。酸素飽和度を測ったりレントゲンやCTをとりましょう。

・とにかく症状が2週間以上長引く場合。マイコプラズマや百日咳など、他の感染症を考えなくてはなりません。



今回は以上です。

それでは皆さん、お疲れ様です。



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「いつでもCTその日に説明」「発熱外来」「同じ日に胃カメラ大腸カメラ」「予約なしでもインフルエンザワクチンコロナワクチン」など、ニーズに応えられるよう出来ることはなんでもやってます。