※【病気解説一覧】のリンクを記事に最後に貼ってあります。様々な病気や検査について語っておりますので、普段から気になってるものを探していただければ幸いです。
前回のバリウム検査はマニアックな記事でした。すみません。
今回はメジャーな胃カメラについてです。実際の画像も掲載致しますのでご参考頂けたら幸いです。
2014年の胃がん検診ガイドライン改訂に伴い、胃カメラによる胃がん検診が開始されました。
バリウム検査か胃カメラかを選択する自治体が多いように思いますが、多摩市では遂にバリウムが中止されています。これに追従する自治体も増えてくるでしょう。やはり残念ながらバリウム検査はオワコンなのです......。
では『胃カメラざっくり解説』に参りましょう。
【胃カメラは年1回】
・ちなみに胃がん検診は50歳から2年に1回です。一般的にも2-3年1回とされています。しかしこれには根拠がないんです。
・手術の出来ない進行胃癌を多く見てきた自分としては、胃癌のリスクが高い方は年1回胃カメラをおすすめします。いや......本当の意味でリスクは分かりませんので、皆さん全員におすすめします。
・だって、年1回やっててもスキルス胃癌など発育の速い癌は進行した状態で見つかりますんで、2年に1回なんかじゃ間違いなく手遅れになるケースが出てきますから。
【経鼻or経口?】
・次に鼻か口かなんですが、まあ全体的には鼻でしょう。鼻なら嘔吐反射が少なく、検査中に会話も出来ますからね。
※出典:早期胃癌検診協会
・ただ注意すべき点があります。
・内視鏡は現在オリンパスとフジフィルムが製造してますが、クリニックでは比較的安価なフジフィルム製を採用しているところが多いんです。
・フジフィルム製の経鼻内視鏡はオリンパス製よりやや太いんです。つまり鼻を通りにくい。これによりどうしても鼻血が出やすくなります。
※フジフィルム先端外径5.8mm、オリンパス先端外径4.9-5.4mm。
・そのため明らかに通りにくいと判断した場合は口からの挿入に切り替えることがあるんです。
※出典:早期胃癌検診協会
・また鼻を通る違和感が強く、口からの方がいいという方もおられます。
・まずは鼻からを試して、問題なければ次も鼻。どうしてもダメだったなら次は口にするのが良いと思います。
【胃カメラを受ける注意点】
①まず大前提は夜9時以降食べない
・要は胃の中が空っぽならいいんです。
・稀にそれでも様々な理由で胃の中に食べ物が残ってしまう方がいます。その場合は前日に水分だけにしても良いでしょう。糖尿病の薬はお休みしましょう。
・同様に当日も朝だけは糖尿病の薬は飲まないようにしましょう。低血糖で倒れちゃうかもしれないからです。
②定期薬は6時内服に内服
・ただこれはぶっちゃけどうでもいいです。
・いちいちうるさい医者がいますが、うちらが洗ってどかしゃいいだけです。
③抗凝固薬、血サラサラの薬はとめなくていい
※すっごく気にする医者もいますんでその点はごめんなさい。自分はそう思ってます。
・治療の時は工夫が必要ですが、たかだか生検で血が止まらなくなることはほとんどありません。
・それよりも血サラサラをやめて、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上昇する方が嫌です。
・もちろん毛細血管拡張や血が止まりにくい腫瘍もありますが、それはその場で内視鏡医が判断します。
・そのかわり飲んでる薬は必ず検査の予約時に伝えて下さいね。判断が出来なくなっちゃいます。
・仮に血が止まらなくて黒いウンコが続いたら受診して下さいね。
【鎮静剤】
・今はほとんどがドルミカム(ミダゾラム)でしょう。体重によって投与量を決めます。効き過ぎたら保険適応外ではありますがフルマゼニルという拮抗薬もあります。
・より強力なディプリバン(プロポフォール)を使う所もあります。ただし呼吸が止まったり血圧が下がるリスクがあるので注意が必要です。しかも拮抗薬がありませんので尚更です。
・新しい薬にレミマゾラムもあります。こちらはフルマゼニルという拮抗薬が保険診療で使えます。
・どの鎮静剤を使おうとも、その日の乗り物の運転はダメです。
【検診でよく記載される病名】
・それでは当院の写真を絡めて病気を紹介致します。※食道癌、早期胃癌、胃癌、悪性リンパ腫、GISTなどはまた別の記事で、それぞれ詳しく説明したいと思います。
①食道裂孔ヘルニア
・食道と胃のつなぎ目の部分が緩くなってる感じです。
・胃酸が逆流しやすく、逆流性食道炎の原因になったりします。
・症状が全くない場合はどうでも良いのですが、胸焼け等がある場合は胃酸を抑える薬を飲んでも良いでしょう。
上から見ても下から見てもぱっくり開いてて逆流しそうですよねー。
②逆流性食道炎
・gradeM、A、B、C、Dの順に酷い感じです。
・誰にでも少なからずMくらいはあるんですが、Aなら胃酸を抑える薬は飲んだ方が良いでしょう。
・みぞおちの痛みだったり胸焼けがあった場合も同様です。
いわゆるgradeMの状態です。
これは酷い。gradeDです。
③バレット食道
・食道と胃のつなぎ目の部分で、胃粘膜が食道側にせり出しているやつです。
・この部分に食道癌(腺癌)ができる可能性がありますので、年に1回胃カメラを受けましょう。
・日本人の食道癌は扁平上皮癌が多いんですけども、欧米の場合は食道腺癌が多いです。
境界線が楕円ではなくギザギザしてますよね。外側に飛び出してる部分がバレット食道です。
④食道静脈瘤
・単発の場合はほぼ心配なしです。これは孤発性静脈瘤といいます。
・多発している場合は、肝硬変が背景にあるかもしれませんから色々検査を受けましょう。
・あまりにひどい場合は、結紮したりアロンアルファみたいなやつで固める処置が必要になってきます。同時に肝臓の治療もね。
中央よりやや上部の赤黒いところが破裂寸前の静脈瘤です。静脈瘤そのものは少なくとも3条認められます。
⑤食道カンジダ症
・ステロイドを飲んでいたり、免疫が低下してる方の場合に白いつぶつぶが食道全体に見られることがあります。
・症状がなければほっといて良いですが、症状がある場合は、抗真菌薬を飲んでもいいかもしれません。
⑥食道乳頭腫・食道顆粒細胞腫
・ほとんど心配ありませんが、年に1回胃カメラで様子を見ましょう。
※出典:ガストロペディア
これは乳頭腫です。様子をみていいヤツです。
⑦胃底腺ポリープ
・ほとんど癌にならないポリープです。
・ピロリ感染してない粘膜に発生します。
・ただ同じ場所にラズベリー型胃癌っていうのが発生することがありまして、これについては注意が必要です。その場合は生検されるでしょう。
・念のため年1回胃カメラが無難です。
ピロリ感染してない粘膜に出来ますー。
⑧過形成ポリープ
・ピロリ菌感染が原因のポリープです。
・ピロリの除菌で8割くらいは小さくなったり消失します。
・大きくなったりして出血したり、あるいは十二指腸の近くにできて十二指腸側にはまり込んだりしてる場合があります。除菌でも小さくならなければ切除した方が良いでしょう。
・1cm以上は癌発生率が2%なので、年1回胃カメラで様子を見ましょう。
※出典:日本消化器内視鏡学会
⑨胃粘膜下腫瘍
・ほとんどが良性腫瘍ですが中には悪性のものもあります。
・2cm以上の大きさなら超音波内視鏡で、中身の精査が必要でしょう。
・2cm以下でまるっこい綺麗な病変なら、年1回胃カメラで様子を見ましょう。
凹みもなくてゴツゴツもしてない綺麗な隆起です。
これはGIST。大きいし凹みもあるし、手術が必要な粘膜下腫瘍です。
⑩迷入膵
・胃の奥にできる隆起です。特に心配はありません。
・ただ粘膜下腫瘍と同じで、違う病気もあるかもしれませんので、年に1回胃カメラをやりましょう。
11.胃びらん
・凹んでる小さな病変です。
・胃の奥にできて複数あるやつは、タコイボびらんと言って特に心配ありません。
・逆に1個だけのびらんには少し注意が必要です。早期胃癌の可能性があるんです。怪しい場合は生検されるでしょう。
周りが少し赤い小さな凹みですー。
ただこういうのに注意が必要なんですー。
12.萎縮性胃炎
・大多数がピロリ感染によるものです。その場合は除菌しましょう。活動性感染かそうでないかは見た目である程度わかります。
・それ以外の萎縮にビタミンB12が吸収できなくなるものもありますので、貧血があったらビタミンB12や葉酸を測りましょう。
これはピロリ感染による萎縮です。境目がはっきりしてますよね。白いところが萎縮性ですよー。
13.表層性胃炎
・ほんとに表面の炎症です。赤い筋が入ったり、ヘマチンという少量出血が茶色く変化した物質が付着してたりしますが、ほとんど心配いりません。
・みぞおちの痛みなどがある場合は、制剤を飲んでもいいと思います。
14.幽門輪開大
・十二指腸の潰瘍を何度も繰り返す人にありがちです。
・ピロリ菌感染がある場合は除菌した方が良いでしょう。
本来閉じてる穴が開きっぱなしですー。
十二指腸入口にこういう瘢痕が出来てることが多いですねー。
15.胃潰瘍及び十二指腸潰瘍
・こちらをどうぞ。
16.胃血管拡張症
・原因は不明ですが、読んで字の如く、狭い範囲で毛細血管が拡張した病変です。
・何も起こさなければ経過観察ですが、出血したら焼灼します。
下図が出血してる状態です。
17.マロリーワイス症候群
・嘔吐を繰り返しているうちに、食道と胃のつなぎ目が裂けてしま病気です。
・こんなにも血が出るんだと知っていただきたく、出血中の画像を掲載致します。
・以下は閲覧注意でお願い致します。
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今回は以上です。それでは皆様お疲れ様です。
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