※【病気解説一覧】のリンクを記事に最後に貼ってあります。様々な病気や検査について語っておりますので、普段から気になってるものを探していただければ幸いです。


池袋メトロポリタンホテル近く、『イタリアンバルUOKIN』さんのパエリアです。



先日。当院にいらっしゃった進行癌の方々をピックアップした表がありまして、そこからカルテを見てたんですが、改めて思うことがありました。


手術が出来ないくらいに進んでしまってる癌なのに、本人にはその自覚が全くないことが多い


ということです。だからこそ検査が必要なんだなって改めて実感させられるんです。


もちろん早期癌の症状には誰も気付けません。これは当然です。だから検診やドックがあるんですよね。


でもね、何もこれは早期癌に限ったことではなく、進行癌も同じって話なんですよ。


たまたま検診やドックで見つかったり、癌とは違う症状で検査を行った時に見つかる。これって進行癌でも本当によくある話なんです。


ただでさえ症状が出た時には癌は手遅れのことが多いのに、そもそも症状が出ない、或いは本人が気付いてないなんてこともザラって訳です。


進行癌の症状と言えば次のような感じでしょうか。


・急に痩せてきた。

・痩せてるのにお腹が出ている(腹水ですね)。

・食欲がない。

・ずっと便秘してる。

・お尻から出血した。

・ふらふらするくらいの貧血がある。

・ものすごくだるい。

・ずっと痛い。

・ずっと長引く咳をしている。

※出典:がんメディ


確かにこれらの症状でいらっしゃって、実際に検査を組んで癌が見つけることはあります。


しかし少しずつ進むのが癌です。周りの人から見れば明らかにおかしい見た目なのに、本人は気付いてないってこともしばしば起きてしまうんですよね。


ちょっとあり得ないと思われるかもしれませんが、その理由を解説及び考察してみようと思います。


急に痩せてきてるのは食べてないからだと思っている。

・何言ってるの?って思いますでしょ。でもこれマジなんです。

癌は本当に少しずつ細胞分裂してその都度身体から少しずつ栄養を奪います

・するとどうなるでしょう。「なんか最近食欲がないなぁ」「体重が減ってきたなぁ」「ああ、年をとると食欲がなくなるんだ」とまあこんな感じに解釈してしまうんです。

・痩せてくるのも食欲がなくなるのも原因は共に癌性悪液質であり、徐々にゆっくり現れるもんですから「食欲がなくなったから体重が減ったんだ」と勘違いしてしまうんですよね。


痩せてるのにお腹が出てるのは年をとったせいだと思っている。

・年をとるとお腹だけが出る、そんな太り方をしますよね。あれだと思ってるんですよ。

・周りから見れば「いやいやいやいや!」なんですが、なんせ徐々に現れるもんですから。本人はそう思ってしまう訳なんです。


③④食欲がないのも便秘になったのも年のせいだと思っている。

・②と同じです。歳をとると食べるものも変わるし、お腹の動きも悪くなる。

癌のせいだなんて考えもしない訳です。


お尻から出血したのは痔のせいだと思ってる。

・確かにその可能性もあります。

・しかし直腸癌、大腸癌から出血することもありますんでね。一度でも出血したら大腸内視鏡を必ず受けましょう。


そもそも貧血に気付かない

・これねー本当に多いんですよ。特に右側の大腸癌ですねー。

・「小腸に近く便がやわらかいから腸閉塞にはならないし便も細くならない」「でも少しずつ出血する」「少しずつだから便に色はつきにくい」「少しずつ貧血が進むんで変化にも気付きにくい」。まあこんな感じでしょう。

・「お前真っ白だけど大丈夫か? 病院行けよ」と言われて受診することがしばしばです。

※出典:国立がん研究センター中央病院


だるいのはストレスのせいだと思っている

・さすがにストレスではそこまで怠くなることはありません。でも本人がそう思っちゃってるんでしょうがないですよねー。

・他に鬱でもだるくなりますよね。だるい時、体重が減った時は、糖尿病・甲状腺疾患・癌・うつ病ではないか常に考えるべきですね。


痛いのは腰を痛めたからだと思っている。

・重いものを持った時に筋を痛めて、それが長引いてるって考えるんですねー。

・スポーツで椎間板ヘルニアをやったことのある人がその再発と思ってたこともありましたよ。膵癌でしたけどね......。


咳が長引くのは風邪をこじらせたからだと思っている。

・肺癌が心配だからすぐ来る人もいれば、その真逆もいらっしゃるんですよねー。

・他にも百日咳、非結核性抗酸菌症なんてのもあります。まあ一度肺のCTをとってみて下さい。癌があるかないかくらいならすぐに分かります。



さて。一方で非常によく聞く台詞もあります。


「なんか変だなと思っていた」


これです。これを聞いてこっちも『ん? これはまさか......』と思うんです。


そして「じゃあすぐに出来る超音波とかCTやってみますか」と提案する訳です。


すると、超音波を当てた瞬間、或いはCTを撮影してる瞬間。


「あ......なんか見えたぞ」


肝転移だったり、腹水だったり、閉塞性黄疸だったりするんですよね。


多くは語れませんが、先日もあったんですよ。


その方は「ここ数ヶ月の便秘」でやって来ました。


検査をすすめましたが希望されず「下剤だけ欲しい」とのことでした。


仕方なく嘔吐や嘔気がないことを確認して酸化マグネシウムと大建中湯を処方しました。


しかし数日も経たないうちに「もっといい薬はないか」と再来されました。


「お腹の状態も知りたいし、やっぱりCTを撮らせて欲しい」と伝えると渋々了承されました。


結果、腹部CTでは胃壁肥厚・大動脈周囲リンパ節腫脹・腹水・両側水腎症、直腸壁肥厚が明らかでした。


胃カメラを行うまでもなく、ほぼ間違いなく胃癌・リンパ節転移・腹膜播種(Schnitzler含む)です。いわゆる進行癌でstageⅣ。積極的治療としては手術は難しく抗癌剤になります。


早速説明し、速やかに診断と加療を行ってもらえる病院に紹介しました。



どうでしょうか。

やっぱり恐ろしい部分がありますよね。

是非皆さん、同じように症状があれば検査を受けてみて下さいね。

それではお疲れ様です。



他の病気解説一覧はこちら。


「来た日にCT来た日に説明」「発熱外来」「同じ日に胃カメラ大腸カメラ」「各種ワクチン」「各種健診」など、ニーズに応えられるよう出来ることはなんでもやってます。