※【病気解説一覧】のリンクを記事に最後に貼ってあります。様々な病気や検査について語っておりますので、普段から気になってるものを探していただければ幸いです。
皆さん、胆道感染って聞き馴染みあります?
要は胆嚢炎と胆管炎のことなんですが、普通に暮らしてたらあんまり聞かないし興味ないですよね。
でも胆石ってのは聞いたことあるんじゃないでしょうか。
「なんか痛くて手術するかもしれないヤツ」
そんな感じです。
一体こいつは何が悪くて何をしでかすのか。
今回は胆石関連の腹部救急疾患について解説させていただきたいです。結構頻度は高いですからね。
まずはこちらをご覧下さい。
※出典:昭和医科大学
肝臓は胆汁という消化液を作ってまして、それを流す管を胆管と言います。上図だと黄色っぽい白い管ですね。
胆管が十二指腸へ向かう途中にあるのが胆嚢です。ここで胆汁を溜めておくんです。上図だと黄色っぽい白い袋ですね。
一方膵臓は膵液というこちらも消化液を作ってまして、それを流す管が膵管です。上図だと膵臓の中を走る白い管ですね。
胆管と膵管は十二指腸に顔を出す直前で合流して、胆汁と膵液は一緒になって十二指腸に流れます。
さて。胆石はどこに出来るかと言うと、
ここ胆嚢です。胆嚢にできる石だから胆嚢結石、略して胆石です。
こいつが何もしないうちは放っておいてもいいんですが、悪さをするから問題なんですよね。
では次に、そのうちの一つ急性胆嚢炎について説明して参りましょう。
【急性胆嚢炎】
・胆嚢の石、胆石が胆嚢の出口につまる病気です。
※出典:看護roo
・こんな感じでギューっとしぼむことで胆汁を流すんです。その時に石も移動して、狭い胆嚢の出口に詰まっちゃうんですよ。
・すると胆嚢内の胆汁は行き場を失い、流れを失い滞った液体となり細菌が感染し、胆嚢は壁が腐りパンパンに腫れ上がります。
・だから夜9-11時くらいの右季肋部痛になるんです。炎症なんで発熱も生じるでしょう。胆嚢内の圧力が上がってるんで嘔気や嘔吐も。
・その時間にクリニックは閉じてますから、痛すぎて救急外来に向かうことになります。
・腹部診察を行うと、研修医でもわかるくらい右季肋部の圧痛が強いです。
・CTをとってみるとこんな感じです。
※出典:新東京病院
・こうなってしまった場合72時間以内であれば手術です。外科の先生の出番です。
・それ以降で症状がおさまってきていたり、症状が軽ければ、抗生剤と絶食で保存的に経過観察することもあるでしょう。
そしてもう一つ。
運良く胆嚢出口をすり抜けた胆石が、その先にも詰まっちゃう場所があるんです。それが胆管の出口です。
【総胆管結石性胆管炎】
・読んで字の如く。起きてることは簡単な話です。
・総胆管が十二指腸につながる場所では、乳頭という筋肉が門になってますんで、そこにはまっちゃうんですね、石が。下図の十二指腸の方の→ですね。
※出典:笹生病院
・症状は右ではなく真ん中の心窩部痛です。胆管内の圧力が上がるため嘔気を伴うことも多いですね。
※ちなみに胆管癌や膵癌があって胆管がつまる場合もあるんですが、徐々に詰まるんで痛みはあまり出ません。人間は急な変化に弱いんですよね。ただ癌は黄疸が出やすいです。
・そして発熱が伴う場合は、停滞した胆汁に細菌が感染したことを意味します。これこそ胆管炎であり、放っておくと敗血症に以降し、死に至ります。
・こうなると内視鏡で治療するしかありません。消化器内科の出番です。ERCPという造影で石を同定し、ESTで乳頭を切開し、バルーンで石を十二指腸にかきだします。
※出典:JOHO大阪病院
・ちなみに胆嚢を取るかは状況次第ですが、胆石が落っこちてきたケースではとった方が良いでしょう。
・ただ総胆管結石は胆嚢をとった後でも発生することも、付け加えて説明しておかなくてはなりませんね。
ここで手術(=胆嚢をとる)するかどうかの基準をまとめておきましょう。
【胆嚢摘出術を行うかどうかの基準】
・胆嚢炎や胆管炎を起こした場合は取った方がいいでしょう。
・健診などで胆石を指摘され、何のトラブルも起こさない場合は、年1回の超音波やCT、CEA,CA19-9など腫瘍マーカーで経過観察すると良いでしょう。
・何故なら、色んな統計があって定かではないんですが、胆石があると胆嚢癌が発生しやすいという報告もあるんですよ。
・胆嚢癌の発生が疑われる場合は絶対に手術です。
今回は以上です。少しでも胆石についてイメージがわいていたら嬉しいです。
それでは皆さん、お疲れ様です。
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