便りの無いのは良い便り、と思うことにしよう | ヨメトメ戦記

ヨメトメ戦記

2014年10月アルツと診断されて以降、ガンとして独居を貫いたシュートメと、トメ嫌いな鬼嫁の毒吐き記録。独居で約10年踏ん張ったが、2023年12月頃から急激に進行、ついに2024年6月、認知症専門病棟に医療保護入院となる(現在入院中)

トメが入院して5日経った。

ふつうの入院のように、家族が病室まで付き合うこともなく、

入院支度を整えてあげることもなく、

どんな病棟なのか私たちは見ることもないまま、現在に至っている。

 

「入院? けっこうです!」

あの日、完全拒否モードに突入したトメを落ち着かせるため

看護師さんや相談員さんが、さりげない演技で頑張ってくれた。

「じゃあ、とりあえずどんなお部屋なのか、見るだけ見てみます?」

と見学に連れてってくれて、ハイ、ジ・エンド。

トメはそのままスンナリ(なのか?)入院と相成った。

私も夫もトメに「じゃあね」すら言えずじまいだったのだが、

医療保護入院だと、こういうパターンが珍しくないらしい。

入院セットを申し込んでいたので、入院準備も上靴(リハビリシューズ)のみ。

ほぼ、身ひとつで入院した形だ。

入院するとは思えないほど身軽で、なおかつ経済的なのがありがたい。

 

トメにはこれまでなんどか「施設入所」を打診していた。

強気な言動とは裏腹に、失禁などが増えたいたせいか

トメは以前より気弱になっていて、なんとなく「もう観念」という感じはあった。

とはいえ、今回の入院はきっと青天の霹靂だったろう。

ちょっとかわいそうな気もしたが、

「罪悪感をもつ必要はないですよ。今まで十分やってきたのだから

これからはご家族も一休みしてください」

と医師から繰り返し言われたことで、もう割り切ることにした。

 

病室に連れていかれた後、トメはしばらく不機嫌で、

入院着になることも拒否していたらしい。

本来なら、入院着に着替えたあと、私服は家族が持ち帰るのだが

「今日のところは難しそうなので、次回まで預かっておきますね」と看護師。

次回。次回っていつなんだろう・・。

 

とりあえず、入院後の面会は可能とのこと。

事前予約すれば、3人まで面会することができる。

地味にコロナ感染症が増加傾向らしく、面会は衝立越しらしい。

ただ、面会可といっても、近々には無理で

「1週間~10日くらいは面会を遠慮してほしい」と指示があった。

家族の顔を見て、里心がつかないように? なのかな。

そこは言われた通りにしようと思う。無理に会いたいわけでもないしね。

 

それにしても、だ。

意外なほど、入院以降は病院からの連絡がほとんどない。

既往症の薬の件と、徘徊の転倒で歯医者にかかったことについて

医療情報の連携の確認があったくらいだ。

けっこうアッサリというか、クール。

入院時の面談が時間も内容もかなり濃密だったので、当然の結果なのかも。

でも、気になるといえば気になるのだ。

入院生活のあれもこれもが知りたい訳じゃないけれど、

ちゃんと食べているのか、眠れているのか、排泄問題はどんな感じなのか、

ほかの患者と問題を起こしてやいないか・・と。

わざわざこちらから聞くものでもないし、緊急性もないから、放っておけばいいのかな。

むしろ、あえて距離を置くよう仕向けられている感もある。

 

入院させて安心したはずが、まだ安心しきれていない自分がいる。

手枷足枷をようやく取り外してもらったのに、

まだ、その解放感に慣れなくてちょっと戸惑っている、そんな今日この頃。