トメは「強気」の人である。
っていうか・・強気の人「だった」。
この頃の急激な認知症の進行で、トメのキャラが変わりつつある。
振り返れば、デイにしろショートステイにしろ
新しいサービスを使おうと試みるたび、100%の抵抗にあった。
なだめてすかして、ちょいちょい騙し討ちして、なんとかやってきたけど
機嫌を損ねては逆ギレされることも多々あった。
その時の抵抗たるや、オニババそのもの。
まだまだ自分は大丈夫、ナニ言ってんだ、このヨメは!
ええい、あっちに行っとくれ!! 的な。
特に「自分の家」への執着は強く
「自分にはちゃんと家があるのに、なぜよそに泊らなきゃなんないの?」
地震の影響やら水道管凍結やら、実害がある時しか
ショートステイできなかったというキビシイ現実があった。
ところが、である。
先日の通院時、長い長いち時間に、さりげなく
トメに「施設入所」の話題を振ってみたら、まさかの反応だったのだ。。
「お義母さんさあ、この頃いろいろ出来なくなってきて大変じゃない?
いままで頑張ってきたけど、もうそろそろしんどそうだし
施設に入ったほうがお義母さんも楽だと思うんだけど、どうかな。
うちはもう、お風呂もはいれないし、施設ならごはんの心配もないし」
恐る恐る聞いてみたら、なんと
「んだなあ。。。そうすっかな」と!!!
あまりにもアッサリ受け入れるので、こっちが戸惑う。
が、そのまま話を継続。
かつておばあさん=トメ母が入所していた施設はどうかと訊いてみると
「そこでいい。〇〇〇(別の施設)より、そっちがいい」
おそらく、トメ自身もわかっている(気づいている)のだ。
あれもこれも出来なくなってしまったことを。
だから、施設に入ることを拒否しなかったんだろう。
すぐまた「は? 入所なんてしないよ!」と言いそうな気もするけど
それでも、かつてないほど「弱気」なトメが垣間見えた瞬間だった。
不思議なもので、強気なトメには強気で戦ってきた私だが
弱気なトメには拍子抜けしてしまって、対応に悩む。
というか、優しくしなければならないのかな、と思ってしまう。
この感覚って、なんだろうね。