この記事は2023.4.22の記事の再投稿です。
HSPとは?
HSPは 生まれつき敏感で、周りからの刺激を過度に受けやすい人のことでDOESという4つの特性をもつ。
1996年にアメリカのアーロン博士が発表するまで、世の中で認知すらされていなかった。
准教授・高槻彰良の推察とは?
作家・澤村御影さんの著作で
怪事件を収集する准教授 高槻彰良と
嘘を聞き分ける大学生深町尚哉が
自分たちの過去に絡む
怪異を追い求める民俗学ミステリー。
深町くんの、嘘を聞き分ける能力が
HSPの洞察力と重なって
興味を惹かれ、読み始めました。
サトリ
HSP、サトル?
遅くまで残業をしていた息子が帰宅。
職場の先輩が車で送ってくれたと言う。
着替えを始めたのだが
その横を通りかかった時に
珍しくワイシャツに脇汗をかいていた。
「緊張するような相手と居た?」
と聞いてみたら
今日、送ってくれたのは女性の先輩だそうだ。
息子は、聞かれなければ
言うつもりはなかったのかもしれなかった。
気になったから
つい、聞いてしまった![タラー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/099.png)
![タラー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/099.png)
「そういうことか」と納得したら
そこで終了。深掘ることはない。
だって、本人が口に出さないのに
他の人がわかるって気持ちが悪いと思うから。
HSP気質の私は
いつもと違うところはすぐに気付く。
「サトル」ってこういうことなのかも?
サトラレ
もともと、母は疑いやすい性格だった。
一緒に出掛けたショッピングモールでも
「あの人、さっきからこっちを見てる」
みたいなことは、日常的にあった。
現在、一人暮らしをしている
最初の、母の異変は
「誰かに付けられている。」
という訴えから始まった。
マスクにメガネの人物の絵を描いて
「私が出掛けると必ず会うから付けられてる。」と…
母は、昔からそういうところがあるので
「規則的じゃない
お母さんの外出に合わせるなんて
そんな暇な人は居ないよ
」と。
![アセアセ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/100.png)
「夜は 内科でもらっていた
睡眠薬を飲んで耳栓をして寝て
日中は音楽でも聴きながら
趣味や作業をするように」と
iPod touchをプレゼントした。
でも、母の訴えは止まらなかった。
「通帳を盗まれるから預かってほしい。」
「貸金庫を確認しに行きたい。」
電話で母から相談を受けた弟が
外出する時は、録音機を
セットしておくように助言したのが
逆効果になった。
「玄関を開ける音と、声が入ってた」
「録音機に音がするので、誰か家に入ってる」
そのうち
「変な人が玄関のカメラに映っている」
「夜中に、玄関のドアスコープを覗くと
黒装束の団体が居て
ドアをこじ開けようとした」
私が泊まりに行った時も
朝、目覚めたら母が台所で
「やめて下さい」と呟いてる。
どうやら、母の耳には
A:「通帳をあの引き出しにしまったな?」
B:「その通帳を盗みに行こう。」
というように、違う声の複数の人たちの
会話形式で聞こえるらしい。
だから、覗かれていると思ったのだ。
もし、誰かに見られているとしたら
それは、
マンションの上の階の人だと思ったらしい。
白い天井に黒い点を見つけると
「穴を開けて覗いている」と
何かで埋めた跡があった。
浴室の天井の換気口には
ガムテープが貼られ
床には防犯砂利が撒いてあった。
出掛ける前には
カーペットに丁寧に掃除機をかけ
足跡がわかるようにしたり
レコーダーで音が録音できるようにした。
最後の方は、ドアに警報器が付けられていて
ドアを開けると大音量の警報音が鳴った。
これでは、母のおかしな行動の方が
マンションで噂になってるかもしれない。
弟が病院に連れて行ってくれたが
1ヶ月経っても症状は改善されなかった。
合う合わないはあるのだろう。
今度は、私が息子の中学校で
PTA役員をしていた時に
保護者向けのお話をして下さった
心療内科の先生の病院に予約を取った。
ここなら、場所的に私も通院に付き合える。
病院に行くのは納得してくれたはずが
そこが、心療内科だとわかると
「私はこんな所に行かない!」
と、抵抗したが、何とか説得。
予約が混み合う中、30分も
先生が優しく丁寧に話を聞いてくださった。
「誰も信じてくれないんです…」と
母は泣きながら訴えた。
それを見て、私は
「母も辛かったのだな」と反省した。
対応策を練ることに必死で
母の気持ちに寄り添えていなかった。
それでも初めは、薬を飲みたがらなかった
「私はおかしくなんかない。」
そういう気持ちがあったと思う。
でも、薬を飲むことで
それまでは止むことのなかった頭の中の声が
聞こえなくなったらしい。
ようやく、自分の状況を理解してもらえたようだ。
脳の言語を司る場所があって
そこの活動を抑える薬だそうだ。
母のように
高齢(70代)で症状が出るのは珍しく
薬は飲み続けた方がいいとのことで
今も通院を続けている。
統合失調症の症状として
「サトラレ」という症状があるらしい。
母の状況と全く同じだ。
私は、母を見ていて
いつもの疑い深さが
強くなった程度に軽く考えていた。
認識が甘く、想像力が足りなかった。
母親は、相当怖い思いをしていたのだなと思う。
私のサトリも
自分の知識の範囲は超えられなかったようだ。
統合失調症という病気を知れて
母に会う先生が見つかって、本当によかった。