ども、寝ている間に口の中を噛んでしまう確率が高い岡田達也です。




昨日のつづき。


 *


我が父・隆夫さん(88)は

現在、介護療院にて入院療養中。


その隆夫さんから、僕宛に毎日たくさんのメールが届く。

 

そのメールに変化が現れた。

今までにはなかった、気弱なニュアンスが含まれていて……


 *


12月14日 昼

隆夫さんからのメール



主治医の○○意識が来ました。
甲状腺機能が低いと言われ息子さんにも来てもらってよいか、
かまいませんと伝えてます。

多鶴子から電話あり大変嬉しそうで喜んでました、達也にも有り難うと伝えて下さい
このたひは大変お世話になりました。有り難う感謝してます。
よく疲れるのも甲状腺の低下です。明日年金日都合のいい日におごりです通ちょうでさんざいして下さい
あと今井君に送りと黒住の振り込み、
また連絡
  疲れる
     父


主治医の○○意識?

意識??

きっと「医師」の打ち間違いですね???

 

多鶴子さんとは、隆夫さんの5歳年下妹であり、隆夫さんの因縁の相手でもある。

 

先日、隆夫さんの調子が良かったときに多鶴子さん宛に電話をかけたらしい。

 

 

 

そのときに、かに寿司(鳥取の駅弁)と、打吹公園団子(倉吉名物)を送ると約束したらしく、それを下々の者である私が手配した。

 

それについてのお礼が書かれている。

 

 

「甲状腺の低下」

 

それが具体的にどういうことなのか?

 

おそらく本人は理解していないと思われるが、先生の話を聞いて、それが原因で疲れていると考えているようだ。

 

まぁ、それは事実かもしれないが、僕にはわからない。

 

 

 *

 

 

すぐ後に、もう一通メールが届いた。

 

 

追伸
○○主治医も、はっきりと達也に引導かも
腹を、くくっておいて下さい
父も食事栄養しっかり接種しリハビリも頑張って来ましたがこれは天命です。
家に帰りたいが無理かも知れませんね?
     父

 

 

……はっ?

 

いきなりの余命宣告ですか???

 

これは、本気のヤツですか?

 

それとも冗談ですかね?

 

心配しなくとも腹はいつだって括っているのですが

 

……

 

……

 

う~ん、、、

 

なんだか本気で書いてる気がする、、、

 

 

 *

 

 

メールを返信した。

 

 

お疲れさまです。

多鶴子さん、喜んでくれて良かったですね

主治医の方、僕に話があるのですね?

何か今後についての説明はありましたか?

余命についての話など。

こちらにはまだ何の連絡もありませんよ。

土曜日か日曜日には顔出しますので、そのときに確認してみますね。

お疲れでしょう。

ゆっくり休んでください。

 

 

 *

 

 

すぐに返信が来た。

 

 

主治医はあと何日もつか話しがあると思います16日なら
便箋、鉛筆、父が長年使用している中細まじっく、わからなければ、筆ペンあとヨウグルトまた他の物は必要ありません。又何かあれば連絡します。
多鶴子にわ知らせて
 おきました
疲れ気味
 休みます
     父

 

 

「あと何日もつか」ですって?

 

そりゃまた急な展開になりましたな

 

しかも筆記用具まで用意しろってことは、何かを書き残しておきたいって意思表示ですよね?

 

いよいよ切羽詰まった感じが見受けられますけど……

 

唯一、気になるのはーー

 

もしも本当にそんな状況なら、隆夫さんの確認を取らずとも、病院から僕宛に連絡があって良そうな気がするのですよ

 

実際、母・秀子さんが亡くなる一週間前に「すぐに鳥取に帰ってきてください」って主治医の先生から電話がありましたし

 

それから、

 

「多鶴子さんには知らせておきました」と書かれていますが、メールか電話でもしたんですかね?

 

で、「あと数日の命」って伝えたのでしょうか?

 

……

 

……

 

まぁ、ごちゃごちゃ考えていないで僕が病院に連絡すればわかることですもんね

 

でも、どうにも慌てる必要は無い気がしてしまうのですが

 

 

と、思っているところへ電話がかかってきた。

 

「もしもし」

 

「たつやっ!」

 

多鶴子さんからだった。
 

 

 

 

つづく