ども、仕事を聞かれたら答えることにしようと誓った岡田達也です。
先日、兵庫公演の休演日にマッサージに行った話を書いた。
『神戸その6 仕事を聞かれると困るんです』
https://ameblo.jp/okada-tatsuya/entry-12555258626.html
初めてのお店では、自分の仕事を隠してしまう悪い癖があるのだが……。
*
昨日、新神戸から東京に戻る途中
僕は大阪で途中下車して
いつもお世話になっている整骨院に立ち寄った。
ここの院長であるM先生は「ゴッドハンド」を持つ
まさしく僕にとっては神のような存在である。
舞台を何度も観に来てくださり、僕の仕事もよく理解してくれている。
ただし
今回の『刀剣乱舞』は観ていない。
*
「わざわざ神戸から寄ってくださってありがとうございます」
そう言いながらM先生は僕の体を触り始めた。
「あれ?」
「……どうしました?」
「岡田さん、最近、野球やってます?」
「いや、やってませんけど」
「右肩がピッチャーみたいになってますよ」
そう言いながらM先生は、僕の右肩のある部分を押した。
「うぎゃあああああぁぁぁぁぁ!!!」
僕は悲鳴を上げた。
「そうですよね、痛いですよね? この筋はピッチャーが痛める場所なんです」
そう言ってM先生は再び右肩の付け根を押した。
「のおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
僕は院内にも関わらず、断末魔の叫びを上げた。
「ほら、右腕と右の大胸筋が大きくなってますよ。すごく良い筋肉が付いてます。左と全然違います。何かやってないとこうはならないはずですがーー」
「あっ! もしかすると、今、刀を振ってるからでしょうか?」
「刀、ですか?」
「ええ」
「激しくですか?」
「はい。かなり激しく振り回してます」
院内が静かになった気がした。
当たり前だ。
「刀を激しく振り回している人間」が隣のベッドで悲鳴を上げていたら、気になるだろう。
少なくとも僕ならすぐに治療費を払って帰る。
「あぁ、なるほど。間違いなくそれですね。刀を振る動作と、投球フォームは理論上、同じ動きなんですよ」
「言われてみればそうかもしれませんね」
「ってことは、ここも辛いでしょう?」
そう言ってM先生は僕の右脚の内転筋を押した。
「ぎょえええええぇぇぇぇぇ!!!」
世界の終わりが来た。
「あぁ、やっぱり。僕は人を斬ったことはありませんが、刀を振るときの下半身の動きは、ここに負担がかかるはずですから」
……先生
言葉に注意してください
それじゃ、まるで、僕が人を斬ってるみたいじゃないですか?
他の患者さんが誤解します
そう言いたかったのだが、あまりの痛さに言葉にはならなかった。
「ちょっと痛いですけど、我慢してくださいね」
「っっっっっ!!!!!」
もはや叫ぶこともできない。
「それにね、ここが固まると“やる気”が出なくなるんです」
「はっ? “やる気”ですか?」
「そうです」
「そんな場所、あるんですか?」
「はははっ! 岡田さん、ここからの帰り道はやる気が出てるはずです(笑)」
*
僕は
揉みしだかれ
超音波を当てられ
鍼を打たれ
電気を流され
その間、遠慮なく叫び続け
周りの患者さんを恐怖のどん底におとしいれ
約2時間後
僕は改造人間となった。
今、やる気に満ちている。
おやっさんーー
じゃなくて
M先生、ありがとうございました。
では、また。