ども、小さな嘘をついた岡田達也です。
昨日は兵庫公演、唯一の休演日。
若い頃は休演日になると「どこに行こうか?」とワクワクし
布引ハーブ園や
元町中華街や
有馬温泉や
なんなら大阪まで足を伸ばしたり
なんなら京都まで足を伸ばしてみたり
三宮で朝から晩までパチンコ(あるいはスロット)に興じてみたり
と、いろんな場所に遊びに行ったものだ。
(……最後のやつは遊びじゃなくて本気の勝負ではあるが)
もう、行かない。
休演日に遊ぼうなんて、これっぽっちも思わない。
おかげさまで
「舞台上では若く見えるよ」
との感想をいただくのだが
中身は、正真正銘の51歳なのだ。
おじさんなのだ。
ナイスミドルなのだ。
半世紀生きているのだ。
出演者の中ではダントツで年長だし
スタッフさんを含めても
僕より年上は一人しかいない。
今の僕に必要なのは
休息であり
リカバリーであり
癒やしである。
というわけで
垂水にあるお気に入りのスーパー銭湯に行き
そのあとは三宮でマッサージに行った。
おじさんにとって、大切な、それでいて贅沢な、フルコースである。
* *
体を触られた直後、店員さんが怪訝そうに聞いてきた。
「……お客さん、お仕事はなんですか?」
舞台俳優なんて言うと、そのあとが面倒くさくなること間違いない。
僕はゴニョゴニョとごまかそうとした。
「えーっと……」
「左右のバランスが崩れてますね。右肩をとても使ってると思うんですが」
言えない。
「実は毎日、刀を振ってるんですよね」なんて、とても言えない。
「背中のこの部分なんですが、肺を大きく使うと張るところなんですよね」
言えない。
「実は毎日、「わしは坂本龍馬ぜよ」と大声でしゃべってるんですよね」なんて、とても言えない。
「首もねぇ、ちょっとストレスがかかってますね」
言えない。
「実は毎日、かつらを頭に載せてて、それが結構重いんですよね」なんて、とても言えない。
「絶対に座り仕事じゃないですよね?」
「……ええ、まぁ」
「何をされてるんですか?」
あまりにも食いつかれて
つい、口が滑ってしまった。
「実は、幕末の土佐を研究している者です」
店員さんは「はっ?」と言ったっきり黙ってしまった。
*
体は癒やされたけど
ちょっぴり後ろめたい休演日になってしまった。
今週もがんばります。
お気に入りのスーパー銭湯『太平のゆ』と
その向こうに小さく見えるのが明石海峡大橋。
では、また。