ども、初体験だらけの岡田達也です。
人生初の長野県大町市にやってきた。
駅に降り立ち、改札を抜け、送迎バスに向かう途中、嫌な予感がした。
風が”ひんやり”しているのだ。
先日、松本で強烈な日差しを浴びて
塩尻ではタクシー運転手さんに「温暖化によって長野はすっかり変わりました」と力説され
(6月4日の日記 『塩尻その1 信州は暑いです』)
安曇野の『大王わさび農場』に行ったときは、日焼け止めを塗りたくったにもかかわらず日焼けしてしまい
僕はすっかり“長野は暑いんだ”と思い込んでいた。
ところが。
駅から送迎バスに乗り込み、宿に向かう途中でコンビニに立ち寄ってもらったのだが……
降りた瞬間、風が吹き荒れていた。
な、なんじゃこりゃ~!
さ、寒いじゃね~か!
思いっきり涼しいぞ、長野!
日差しはたっぷりと差し込んでいるというのに……
ここ
間違いなく
避暑地だよ!!!
長野をナメていたわけではない。
が、敵は思っていたよりデカいみたいだ。
(……長野は敵なのか?)
ここ大町は、松本や塩尻などの盆地とまったく空気が違う。
そんなに標高差があるのだろうか?
やっちまった……
スーツケースの中には、チノパンが1本と短パン2本が入っている。
浮かれポンチな夏仕様だ。
このように
初めての土地に向かう際には
気温だけでなく
標高差まで気を使い
しっかりと準備しなければ
大いに痛い目にあう
ということをみなさまに伝えておきたい。
* * *
宿に着いた。
なんと宿泊先はホテルではなく旅館だ。
誤解しないでほしい。
僕が
「温泉宿に泊めてくれなければ、これ以上芝居ができない」
と、ごねたわけではない。
大町市は温泉街なので旅館が多いそうだ。
逆にホテルが少ないらしく
長野県さんが用意してくれたのも温泉旅館だった。
(長野県が演劇鑑賞会の主催なのです)
それだけでも普段のホテル住まいとは大きく違うので楽しいのだが
驚いたことに、ほとんどの人間が一人一部屋あてがわれていた。
2~4人部屋に一人である。
人生初の、温泉旅館の宿に一人。
す、すげぇ……
VIP待遇である。
気分は殿様である。
一人でゴロゴロしてみた。
思う存分回転できた。
部屋の中をウロウロしてみた。
誰にも「落ち着きなさい」と注意されなくてすんだ。
一人で枕を投げてみた。
学生時代を思い出した。
部屋の窓から写真を撮ってみた。
なんだろう?
……まったく落ち着かない
ホテルで一人は非常に落ち着くのだけど
旅館で一人というのは落ち着かないものらしい。
一人でいることが好きな僕がそう思うのだから不思議だ。
まるで作家が「書き上げるまでは一歩も外に出しませんよ」と缶詰状態にされているような気分になる。
* * *
人生初の大町市
人生初の旅館に一人
50歳になっても初体験はゴロゴロしている。
今日はどんな初体験が待ってるだろう?
では、また。