美味しい卵料理の秘密は「テクスチャー」にあった!|食の安全|JBpress | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


小川宣子氏。中部大学応用生物学部食品栄養科学科管理栄養科学専攻教授。学術博士。1974年、お茶の水女子大学家政学部食物学科を卒業。同年、岐阜女子大学へ。家政学部教授、食文化開発支援センター長などを務める。2011年、中部大学教授に。日本学術会議第二部会員を兼務。調理を科学的、文化的に研究する学術団体、日本調理学会の監事も務める。同学会は2016年8月28~29日、名古屋芸術大学で「平成28年度大会」を開催予定。公開シンポジウム「なごやめしとは」や、講演会「さまざまな視点から調理科学を研究する」などを実施する。
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 卵の後篇です。
  前篇      
「卵、食べてもいいんだ」と気づいた日本人(2016.03.11 漆原 次郎)
( http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46293 )


 卵料理まで研究している人がいるとはなぁ。翻訳サイトを眺めていると、日本料理を絶賛していますが、生卵のご飯かけは好悪が分かれます。


JBプレス
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46357?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=list
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�日本人がほぼ1日1個、食べている卵。生で、茹でて、焼いて、混ぜてから焼いて、炒めて、とじて、ほかの食材と絡めてと、じつに多様な食べ方がある。卵の食べ方はどうしてこうも多様なのか。前後篇でその秘密に迫っている。

�前篇(「『卵、食べてもいいんだ』と気づいた日本人」)では、日本人と卵の歴史を追ってみた。仏教思想や因果応報の観念から日本人はあまり卵を食べてこなかったが、室町時代以降の南蛮菓子の影響などで卵を“解禁”するようになり、江戸から明治、大正の時代に卵の食べ方が多様化していったようだ。戦後には、卵の消費量も急激に上がった。

�後篇の今回は、卵の食べ方の多様性の秘密を、調理の視点から探っていく。

�いろいろな食べ方ができるのは、卵が調理のしかたでさまざまに姿を変えるからだ。では、どうしてこうも卵は姿を変えられるのか。その理由を聞きに、中部大学応用生物学部教授の小川宣子氏を訪ねた。小川氏は食生活の視点から卵を総合的に研究し、卵の美味しさとはなにか、美味しさを発揮するにはどうすればよいかを追究してきた。


◆「1日1個まで」に抑えなくてもよい

�本題の前に、心配事をすっきりさせておきたい。さまざまな食べ方ができるからといって、卵をたくさん食べても問題ないのだろうか。「コレステロール値が上がるため、卵は1日1個まで」と言われていた気がするが・・・。

「元気に過ごしている人が、全卵を1日に2個や3個、食べることは問題ありません」。小川氏はこう答えた。

�卵を1日1個以下に抑えないとコレステロール値が上がるという説は、約100年前、ロシアの実験でウサギに卵を食べさせたところ血中コレステロールが増加する結果が出て、これが巷で流布したもののようだ。

�草食動物のウサギでの結果は、人間に当てはまるものではない。それに、全卵としてのバランスのよさも分かってきた。

「卵黄にはコレステロールが多く含まれますが、卵白のほうはコレステロールを抑制します。全卵を食べればコレステロール値は上がりません」

�コレステロールは細胞膜をつくるなど体に必要な側面もあり、体内でもつくられる。

�厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」では、肝臓でコレステロールが合成されるため、コレステロールの摂取量が総コレステロール値に反映されるわけではないという理由から、コレステロールの摂取基準値が外された。

�どんな食べものでも大量摂取は体によくないが、脂質異常症などでなければ、卵を1日1個までに抑える必要はなさそうだ。


◆卵の「美味しさ」はテクスチャーが基本

�安心したところで、卵料理の多様性の秘密に迫っていきたい。

�卵にさまざまな食べ方があるのは、人がそれぞれ「美味しい」と感じているからにほかならない。では、卵の「美味しさ」とはなんなのか。

「美味しさ」というと、つい風味のことを考えてしまうが、それだけで決まるものではない。小川氏はこう話す。

「美味しさの評価で、テクスチャーの占める割合は60%以上とも言われています。風味などの味覚の要素には好き嫌いはありますが、テクスチャーについては、だれもが好き、だれもが嫌いといったように比較的共通しています」

�テクスチャーとは、食べものの「硬い」「ふわふわしている」「べたべたしている」などの“触感”のことだ。テクスチャーの重要さは食べものにより異なる。

�例えば、ジュースや日本酒などでは触感よりも味や香りの要素が美味しさの決め手となる。だが、こと卵の「美味しさ」については、テクスチャーが重要さを増す。

「お米も似ていますが、卵の風味は少ないほうです。むしろ、口に入れたときホロホロ崩れるとか、弾力があるとか、粘りがあるとかいったテクスチャーが、美味しさを評価する上での指標としてふさわしいと言えます」

�生卵のヌラヌラ感や厚焼玉子のホロホロ感を思い出すと、卵料理におけるテクスチャーの大切さが分かる。もし生卵の触感が水のようにサラッとしていたら、もし厚焼き玉子の歯ざわりが煎餅みたいに固かったら、さほど美味しさを感じないだろう。

�小川氏は、卵を使った料理や加工品におけるテクスチャーを重視しつつ、卵の「美味しさ」とはなにかを追究してきた。そこで小川氏に、定番中の定番を題材に、卵料理の美味しさの理由を尋ねてみた。


◆絡まりやすさが「美味しさ」の決め手—卵かけご飯

�前篇で触れたとおり、生卵を食べる習慣は日本特有のものだ。その定番に卵かけご飯がある。

「美味しい卵かけご飯とは、ご飯に生卵がうまくコーティングされていて、絡まりやすいものだと考えています」

�ご飯粒と生卵がよく絡むことで、卵と食材の味との相乗効果が生まれ、単独の食材より美味しく味わうことができるというわけだ。では、生卵の絡まりやすさの要素はどんなものか。

「まず、卵黄には油がたくさん入っているので重要です。油が入っている卵黄は美味しいと感じます」

�一方の卵白についても「卵黄のまわりにある濃厚卵白という部分は卵白の粘性に由来しますが、これがドロッとしていているとご飯に絡まりやすいと言えます」と加える。

�とりわけ生卵は「鮮度が命」といわれるが、鮮度と粘性の高さは深く関係しているようだ。

「鮮度が落ちると卵黄の膜が弱くなり、水分が卵白のほうに移動していきます。すると卵黄のほうはシャバシャバとなり、卵白のほうは水っぽくなって、いずれも粘性が低下してしまいます」

�粘性が低下した卵は、ご飯に絡まりにくくなる。その分「美味しさ」は減ってしまう。逆に卵黄から卵白に水分が移動していない鮮度の高い生卵は、ご飯との絡まりがよい分、美味しく感じるわけだ。つまり、美味しい卵かけご飯を食べたければ、とにかく新鮮な卵を使うことだ。


◆温泉卵と半熟卵を作り分けるコツ──ゆで卵

�ゆで卵も、テクスチャーを大いに感じられる卵料理だ。加熱することで卵が固まり、生卵とはまるで異なる触感となる。加熱で卵が固まるのは、卵に含まれるタンパク質が変性するからだ。

「生卵のときにばらばらだったタンパク質が、加熱によりすこしずつ集まってきて固まりになります。さらに加熱すると固まりどうしがさらに集まってきます。こうして固くなっていくのです」

�こうして卵は熱により固まっていくが、卵白と卵黄では固まり始める温度も完全に固まる温度も異なる。卵白の固まり始めは56℃で、完全に固まるのは80℃。一方、卵黄ではそれぞれ64℃、70℃ほどと幅が狭い。そこで温度設定を工夫すれば、異なるテクスチャーのゆで卵をつくることができる。

「70℃ぐらいの熱湯にずっと置いておくと、卵黄はほぼ固まりますが、卵白は固まりません。これを利用したのが、卵黄より卵白が軟らかい温泉卵です」

�逆に、80℃以上の熱湯で、固ゆでよりも短時間で火を止めて、冷水にしばらくつけておくと、卵白は固くて、卵黄はトロトロに軟らかい半熟卵になる。80℃以上の熱湯で卵白が固まったあと、内側の卵黄が固まり切る前に火を止めることで実現するテクスチャーだ。


◆弾力あって噛めばホロホロ—厚焼き玉子

�卵は熱で固くなるが、手順次第でゆで卵とまったく異なるテクスチャーにもなる。たとえば、厚焼き玉子だ。

�小川氏は、厚焼き玉子の「美味しさ」を、「食べたとき軟らかいが、ある程度の弾力があり、少し噛むだけでホロホロと崩れていくもの」と表現する。

�そして、これらのテクスチャーを実現するような調理法があるという。

�まず、「強火で一気に加熱することが重要」と小川氏は説く。ゆで卵の話で、加熱すると卵のタンパク質が集まってきて固まると紹介した。このとき、もし弱火で時間をかけて加熱すると、卵の内部まで熱が通ってしっかり固まってしまうため、軟らかさが失われてしまう。「焦がさないようにと弱火で加熱するのはよくないのです」。

�強火で一気に加熱すれば軟らかさは失われにくい。さらに溶き卵にだしを混ぜてだし巻き卵にする場合は、タンパク質に適当な隙間ができているため、そこにだしが入りこんで味が染みわたりやすいという。

�火加減のほかに、生卵のかき混ぜ方も厚焼き玉子のテクスチャーに大きく関わってくるという。

「弾力を出す、主な要素は濃厚卵白です。かき混ぜすぎると濃厚卵白の構造が崩れてしまいますので、箸でざっくりと混ぜる程度にします。具を入れる場合も1種類ずつ順に混ぜていくのでなく、すべてを一度に混ぜることです」

「匠の技」として紹介されるような厚焼き玉子も、強火で、かつざっくりした混ぜ方でつくられてきた。かねてからの技が、研究によって裏付けられた形だ。


◆卵の万能性を放っておかなかった日本人

�ほかに、目玉焼きでも、卵白の焼き具合と卵黄の半熟具合が相まみえる舌ざわりは、やはりテクスチャーだから「美味しさ」の要素となる。

�加工品を見ても、麺の生地のつなぎに卵白を使うと生地の伸びがよくなることが分かっているし、マヨネーズでは卵黄を構成する卵黄球という小さな球一つひとつが細やかであることが「まろやかさ」をもたらすことも分かっている。

�小川氏によると、多様な卵のテクスチャーの決め手としては、鶏への餌の与え方や卵の新鮮さなどの台所・厨房以前の要素もあるという。だが、食べる直前段階の調理のしかたも大いに関わってくることが話から伝わってきた。

�小川氏は、そんな卵の調理加工特性をさらに追究している。事情があり卵を食べられなかった人が、卵を味わえるようになることが理想だ。

「アレルギーや脂質異常症の方は、いまは卵を食べないという一択です。でも、調理のしかた次第では、アレルギーやコレステロールを抑制した卵料理もできるかもしれません。食べない以外の選択肢をつくることを目指しています」

�今後も、卵の調理や加工に対する科学研究が進めば、卵の食べ方はさらに多様化していきそうだ。

�前篇では、江戸時代以前まで、長らく日本人が卵を食べることを避けてきた歴史を追ってきた。だが、食材としてこれほど万能な卵を食べずにはいられなかったのではないだろうか。

「江戸時代、病人が卵を食べたり、赤穂浪士が討入り前に生卵を食べたりしたことが知られています。卵には栄養があることを昔から日本人は知っていたのだと思います。さらに、現代では卵の安さも魅力となりました。タンパク質1グラムあたりで比べると、肉、魚、牛乳、豆腐などより卵からがいちばん安く摂取できます。それでいて幅広く使える調理性ももっているのですから、ありがたい食材だと私も思います」

�卵をほぼ食べなかった時代から、食べる時代を経て、多様かつ量も多く食べる時代へ。卵の万能性を考えると、この時代の流れは必然的にも思えてくる。
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 一日一個なんてロシアに阿呆の実験結果とは、知らなかったなぁ。オマケにウサギと比べられてるとは、屈辱だな。


 日本人の探究心は半端ではないのですね。カッパエビセン並に止まらないのです。それが、他民族との決定的に違う所なのです。馬鹿の一つ覚えのように、グローバルがスタンダードと唱えると、阿呆なのです。


 そんな特殊な民族が住む列島を多文化共生なんて無用の長物なのです。