地道中国  宮崎正弘の国際ニュース・早読み(china Equity markets) [宮崎正 | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


 偶然なのか?意図的なのか? ニュースと地道中国がバッチリ!


宮崎正裕メルマより
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)2月27日(土曜日)
         通算第4831号 
                  

 中国最大財閥の「万達集団」は共産党高層部と株で繋がった{股友}。
   株式公開前に大量の株を高層部に提供
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 万達集団は大連が本社である。摩天楼のような本社ビルが中山公園から大連港へ行く道に聳えている。筆者も三年ほど前に大連滞在中、タクシーをとめてビルを撮影したことを思い出した。

 万達集団は最初は不動産開発で成り上がり、デベロッパー主体からビジネスを多彩となして、まずは米国の映画館チェーンの買収を手始めに、中国全土でも映画マルチセアターのチェーン化、レジャーランドの建設に手を広げ、直近ではハリウッド映画買収へと派手なパフォーマンスで世界的に知られる。

同社CEOの王健林は、中国富豪のナンバーワンである。
 そして中国最大財閥の「万達集団」は共産党高層部と株で繋がった{股友}だったのだ。(「股友」とは株仲間。「股」は株式の意味)。

習近平の姉、齋橋橋は香港に陣取って、夫のトウ家貴とともに「泰川太地公司」などコングロマリット企業を経営することで知られるが、2009年に万達集団の未公開株式を2860万ドルで買い入れており、13年には、その株価は2億4000万ドルとなった。十倍近い!

 温家宝前首相の息子、温雲松は「インサイダー取引の帝王」と言われる。
彼は2010年に万達集団の株式を大量に購入し、2013年現在、時価が5億2000万ドルに膨らませていた。
同じく温家宝の娘、温如春の持ち株時価が2億5000万ドル。温如春は別名、常麗麗という。北京に登記された不動産会社の役員欄に、この常麗麗の名前があるという。

 賈慶林(江沢民政権で政治局常務委員)の女婿、李泊漂は2010年に900万ドルを投じて万達集団の株式を購入し、現在の時価は1億3100万ドル。
そのビジネス・パートナーである藩永武はもっとも早く2007年に20万ドル以下の資金で購入し、2億5000万ドル。大化けの典型で、このあたりから中国共産党高層部の太子党に万達株式のインサイダー取引が拡大したのだろう。

 王兆国(政治局員)の息子、王新宇が、これらの太子党メンバーの中ではもっとも早くに万達集団の躍進と将来性に目をつけ、2007年に50万ドル以下の金額で購入した株式は、2013年現在6億4000万ドルに達していた。トップの成績を上げていることが判明した。

 共産党トップとの深いコネクションを利用して商圏を拡大するという手口は中国特有のものであり、薄煕来の失脚に連座して逮捕され、獄中で急死した徐明の遣り方も同じである。
徐明も大連を地盤に「大連実徳集団」を経営し、薄と仲間の周永康に美女を斡旋するなどして、自家用飛行機を乗り回して世界中を飛び歩いた。

 これらは一年前のニューヨークタイムズ(15年4月)に一度報じられたものだが、2016年2月23日に香港メディアが文献証拠を入手できたとして改めて報道したもの。それを在米の「博訊新聞」も同日付けで伝えた。
 
 大富豪が共産党の利権に深く がり、またそういう相関関係がなければ、つまり党の庇護がなければリスキーな商売は展開できないのである。
 底知れぬ北京の闇の奧。
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 ★明日のシンポですが、時間が早くなりました。1330からです。
                  
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「どうなるこれからの中国と台湾」シンポジウムのお知らせです。
2月28日(日曜日)九段で催行です。とくに講師のひとり、徳光重人氏は日台の架け橋として生きることを決意し各方面で活躍中の人。
        記
とき     2月28日(日)午後1時半(1300開場)
ところ    偕行社(千代田区九段南4 3 7 翠ビル)
       (市ヶ谷から靖国神社方向へ徒歩6分。三つ目の信号右、六軒目)
講師     宮崎正弘(評論家)
       徳光重人(八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会代表)
       佐藤和夫(AJERキャスター)
会費     2000円
主催     チャンネルAJER
問い合わせ  (090)6709 9380(佐藤)
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
                  
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1373回】       
  「支那人は自國を賛譽し誇稱して、外人を貶す」(安東6)
    安東不二雄『支那漫遊實記』(博文館 明治二十五年)

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 「我外交官」の職務怠慢ぶりに憤懣やるかたない安東は、上海の港北のある日本人墓地を訪ね、「日本男女の碑石、壘々相並ぶこと二百三十四基、皆志望の半途に異域の鬼と化せしなり。嗟歎、思へば悲矣。(中略)先進勇士の墓邊に立ち、感懷千緒、坐ろに東方を顧みて、熱涙潜然、去るに忍びざるものありき」と綴り、「嗚呼、起てよ、日本海國の好少年、此等先輩の志操に對しても、汝は感舊せさるを得ざるなり。況や、暗雲慘怛、東方の時事、日に非ならんとするの今の時に於てをや」と、悲憤慷慨する。

 安東は「二百三十四基」の墓に眠る「先進勇士」のうちの数人を挙げて生涯を簡単に紹介している。そのなかには早くも明治6(1873)年には中国に渡り、兵要地誌作りのために5年を掛け各地を歩いた陸軍中尉や陸軍工兵大尉がいた。彼らの調査の「結果は、納めて參謀本部の寶庫に在り」とするが、その後の経緯を考えるに、果たして“宝の持ち腐れ”にはならなかったか。なお、同墓地は領事館が監督し、東本願寺別院が管理していた。

 当時、日清貿易は低調だったようで、その原因を安東は「適當の人物を得ざるに在り」とした。だから日本の若者を中国商店で修業させ、「三四年間、言語習慣及び取引の實地に習熟せしめて、後商業に從事せしめれば好からんと云う人」がいる。これは良策とは思うが、じつは「支那人は秘密を重んじ、團結を貴ぶ人民なれば、外國人を自店に入れて商務を練修せしむるは同業者に對し、又自家營業の利?を保護する上に於て、決して爲す事を欲せさるなり。故に良策は遂に行ひ難きなり」と結論づけた。その実例に「西京鳩居堂の手代某」を店に入れて筆造りの秘法を学ばせたことで、「日本人に中華の秘法を授けたりとて。仲間の攻 を受くる事甚だしく、非常に後悔し居る」店があったことを挙げている。 

「支那商の取引勘定は、歳節、端午、仲秋の三期節にして、歳節を最も重しと爲す」。「概して信用取引の美風善く行ハれ爲に商業機關の活動」は低調だ。「支那には政府發行の紙幣なく」、それゆえに「銀塊を目方にて通用する事なれば、大金を遠地に授受するは極めて不便なり」。そこで物々交換という「便法の自ら行はれ易きなる可し」。

彼らの商法を「勤勉、節儉、忍耐にして、能く其業を永續し、同業者の一致團結心に富めるは、支那人の尤も他邦人に優出したる特風なり」と説く安東は、「吾人は常に彼等の爲す所を視て、其の終に勝利を搏するに非らざれば、止まざるの擧動に推服するや久し」とした。

さらに欧米人の著作を引用する形で、「殊ニ機變ニ通ジ、甚ダ清算アリ、顔色從容、敢テ射利ヲ爲サヾル者ノ如ク、外商ヲシテ其?實深淺ヲ窮フ能ハザラシム、故ニ奸詐百出ノ外商モ能ク勝ヲ制スル能ハズ、且ツ商賈ノ約束嚴重ニシテ頗ル情誼ヲ重ンジ、互ニ相欺クコトナク、協同シテ公利ヲ図」ると、「支那商人ノ美風」を挙げる。
 だが、じつは安東の説く「支那商人ノ美風」なるものが《自己人(なかま)》の間でしか通じないということを注意しておくべきだろう。

《自己人》だからこそ、「約束嚴重ニシテ頗ル情誼ヲ重ンジ、互ニ相欺クコト」がない。だから相手が《自己人》でない場合は、中国人であろうが外国人であろうが、「約束嚴重ニシテ頗ル情誼ヲ重ン」ずる必要もないし、「互ニ相欺」いたところで構わない。「公利」の「公」は「おおやけ」ではなく、「なかまうち」を意味する。天下国家、あるいは社会全体の「おおやけ」より「なかまうち」の利こそが優先される。そういった「公利」が、国家や社会に優先されるのである。

であればこそ、彼らにとって重要なのは地縁・血縁・業縁の縁で結ばれる《自己人》という存在であり、《自己人》のネットワークが形作る「関係」ということになる。
《QED》
                  
 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
                  
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(読者の声1)新聞雑誌で評判となったマイケル・ピルスベリーの『百年マラソン、チャイナ2049』を読んでみたのですが、まったくもって中国人は、そのような百年の大計をじっくり時間をかけて実現するのでしょうか?
 論語、孟子が廃れたというのですが、中国人の行動規範、発想の基軸になる思想とか哲学的な思考法とか、宮崎先生の本で、これらを適確に解説した著作は何でしょう?
   (NH生、川崎)


(宮崎正弘のコメント)小生はプルスベリーを信用していないので、当該書籍は読んでおりません。
しかし米国のパンダ・ハガーを自らみとめたほどに中国に通暁していた筈のかれですら、中国人に騙されていたと気がついたのです。
 現代中国人の思考法は多岐に亘りますが、共通項は『孫子』でしょう。裏切り、攪乱情報、偽造文書、なんでもありの世界は『孫子』が教えるところ。また『腹黒学』が中国ではロングセラー、日本でも翻訳があるかも知れませんが、これは日本では感性に合わないので誰も知らないでしょう。
 拙著関してですが、孫子に関しては『世界を動かす悪の孫子』(ビジネス社)があります。
 また中国人の本質、その性格をいろいろな角度から分析した拙著は『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫)です。後者は半年ほど『週刊朝日』に連載したコラムに五倍ほど加筆して、五年前に新潮社から単行本でだしたものを文庫化した作品で、西尾幹二先生に解説を書いていただいております。



  ♪
(読者の声2)サウジ、カタール、ベネズエラ、ロシアの四ヶ国で原油産出量に関する合意ができたと報じられ、原油価格が急上昇後、減産の合意ではなく、増産しないとの合意であると報じられ、急降下しましたが、その後またじわじわと上がってきています。
現時点で過剰産出なので、単に増産しないということでは余剰の原油が積みあがるだけなので、裏合意でもあるか、さらなる交渉が進んでいるのかと憶測が報道されています。しかし、既に発表されていることだけで、この価格の動きは十分理解できます。
増産しないことの基準となるのは今年1月の産出量です。サウジ等の中東産油国では、国内原油消費量の大きな割合が火力発電用であり、その多くが冷房のために使われているため、1月の原油の国内消費量はかなり低くなります。
したがって、1月の原油産出量を上限とすると、夏には減産することになります。勿論、ロシアでは逆に冬に原油の国内需要が多くなります。したがって、サウジがロシアに対して産出量で実質的譲歩し、他の分野で見返りの約束を取り付けたのか、裏約束でロシアに対して産出量ではなく輸出量の上限として、その代わりにサウジは別の分野で見返りを与える約束をしたのか、これらのいずれかでしょう。
前者、後者のいずれにしても、7月には石油の需給が今より逼迫すると予想されるので、原油価格がじわじわと上がっています。
何故なら、中東産油国合計では、ロシアよりはるかに原油産出量が多いので、季節要因によって7月には石油の需給が逼迫するからです。
後者ならさらにひっ迫度は上がります。現在石油の先物取引は6ヶ月のものが主流なので、そうなると、1月に安値で売り注文していた投機筋は、現物を高値で買って決済する必要があるので、いわゆる「踏み上がり」現象が起き、7月にはかなりの幅で原油価格が上昇することになります。ロシアが少し減産するだけで原油価格はさらに上昇し、減産による機会損失をはるかに上回る増収となります。
 しかもサウジ等の中東産油国に対して減産で協力したことの代償を要求できるという願ってもない状況になります。このことが、今年の半ば以降の世界情勢に大きな影響を与えると考えます。
  (ST生、千葉)
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 支那人の「公」は日本人が持つ「おおやけ」では無いと喝破されています。

 《自己人》は地縁・血縁・業縁であり、《なかまうち》が「おおやけ」であるとは、まさしくそのものズバリですね。

 自分という概念も又、自己に利益を齎す範囲内である事に気付いていないと、単に騙されたと日本人は認識するのでしょうか? 彼らの持つ「おおやけ」の概念そのものが《自己人》と言う狭い範囲で捉えていないといけないということですね。

 全てが、《自己人》の範疇が基礎なのでしょう。それが現在行われているG20での言説にも通じるのかも。

 誰に向かって言っているのかを、正しく認識しないと、なのです。

 日本人の持つ規範とはまるで真逆な人間たちなのです。『信じないのが救われる』なのかなぁ?