今日の作業は順調で、何事もなく終わりそうだった。
途中までは・・・・
自分の持ち場の作業が終わったので、
道具を片付けに行くとYさんがウロウロしている。
首を傾げながら、何かを探しているようだ。
「どうしましたか?」と尋ねると
「ちょっと電話して来ていいかな」と
エレベーターに乗って行ってしまった。
道具置き場は地下2階にあって、
1階まで行かないと携帯電話の電波が届かないのだ。
「参ったね」と
Yさんが戻ってきた。
もう一度
「どうしましたか?」と尋ねると。
「いつも持っているはずのものが、朝から見当たらないんだよね」
「どこかに落としましたか?」
「昨日の現場かと思って電話で確認したんだけど」
「ありましたか?」
「ないんだよね。たいしたものじゃないから、いいんだけどね」
Yさんと話をしている途中、Tさんも戻って来て会話に加わった。
「あなたは、何でもすぐに忘れちゃうだから」
Tさんは、いつも一言多い。
その発言にムッとしたYさんは
「俺だって、こんなに努力してるんだよ!」と
腰のあたりに手をやり、何かをつかんで見せた。
腰の周りにはいくつもの紐が繋がれていて、
その先には鍵やら何やら、
Yさんが必要だと思われるものが結ばれていた。
『まるで、腰ミノだな!』
うちの猫たちは、紐が大好きだ!
帰ったら遊んであげよう♫