弟子屈町で摩周湖の次ぐ観光名所といえば、硫黄の独特な
匂いと高山植物が低地に生えている変わった景色を楽しめ
る硫黄山でしょう。 川湯温泉から約3キロに位置する硫
黄山は、アイヌ語でアトサ(裸)ヌプリ(山)と呼ばれ、
現在でも硫黄の噴煙がゴウゴウと音を立ててあちこちから
立ち上っており、その姿はまさに地球の鼓動を感じるとい
う表現がふさわしい印象を受けます。
硫黄山で、かつて大規模な硫黄の採鉱が行われ,アイヌの
人たちが焚き付けとして使用していたものを、明治5年
頃に釧路の漁場持、佐野孫右エ門が採鉱に乗りだしたこ
とが発端とされているそうです。
当初馬や釧路川を利用して釧路まで硫黄を運搬していま
したが、明治19年には約1万400トンを採鉱し、全道
一の硫黄鉱山になるほどの埋蔵量を誇っていました。
明治20年には硫黄山から標茶町までの38kmの間に北
海道で2番目に早く鉄道を引き、近代的な精練所を整え
るなど、大量に輸送することができるようになりました
。大量採鉱、大量輸送によって硫黄資源はたちまち枯渇
してしまい、明治29年に採鉱を休止、華々しく登場した
鉄道も幻のように消えてしまったそうです。
硫黄山から約3キロに位置する川湯温泉街では硫黄山を
熱源とした硫黄泉が湧き出ています。この硫黄泉は泉源
が非常に浅く、地下数十mのところを流れています。p
Hは2前後と強酸性を示し、温泉にはさまざまな効用が
あると言われています。


