プロローグ


太平洋戦争も末期の1944年(昭和19年)9月1日、正確な時間は不明だが、自分にとっては偉大なる母の胎内からこの世に生をうけた小さな小さな命。

産めや増やせやの時代、運よく敵の弾をくぐりぬけ帰郷した父の2番目の子供として・・・・。


赤くしわだらけのその子は高崎山の猿の申し子か、はたまたエノケン(喜劇王・故榎本健一)の再来かと近所の話題になったそうな。(ちなみに母は女の子と間違われるほど色白で可愛かったが、つりあがった目じりに少しばかりの不安をもったそうだ)


やがてその子が、山という山を駆け回り、川という川の主となり、日々遊びという遊びに明け暮れるということになるとは両親は思いもしなかった。